2型糖尿病と共に生きる – 患者さん向けガイド
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
2型糖尿病は、血液中の糖(血糖)が高くなりすぎる病気です。すい臓から出るインスリンというホルモンがうまく働かなくなることが原因です。インスリンは血糖を細胞に取り込んでエネルギーに変える役割をしていますが、2型糖尿病ではこの働きが弱まります。
重要な事実
- 2型糖尿病は生活習慣が大きく関係する病気です。
- 初期には自覚症状がほとんどありません。
- 適切な治療と生活改善で血糖値をコントロールでき、合併症を防げます。
- 日本では約1,000万人以上の患者さんがいるとされています(厚生労働省調査)。
はい、2型糖尿病は日本でとても一般的な病気です。特に40歳以降で増えますが、最近は若い世代でも見られるようになりました。
2型糖尿病はどんな年齢でも起こりえますが、特に肥満気味の方、運動不足の方、家族に糖尿病の方がいる場合にリスクが高まります。妊娠中に血糖が高くなった経験のある方も注意が必要です。
症状
- 意識がもうろうとしている、または呼びかけに反応しない
- 呼吸が速く深い、またはケトン臭(甘酸っぱいにおい)がする
- 激しい腹痛や嘔吐が続く
- 血糖値が非常に高い(測定できる場合、600 mg/dL以上など)
- ⚠血糖値が70 mg/dL以下で冷や汗・震え・動悸がある(低血糖の可能性)
- ⚠高熱(38度以上)が続く
- ⚠吐き気や下痢で水分が取れない
- ⚠血糖値がコントロールできず、体調が悪化している
一般的な症状
- のどが異常に渇く
- 尿の量や回数が増える
- 体重が減る(特に食事量が変わらないのに)
- 疲れやすい、だるい
- 傷の治りが遅い
- かゆみや皮膚の乾燥
子供の症状
- 子どもでも2型糖尿病は増えています。太りすぎがきっかけになることが多いです。
- 症状は大人と同じですが、子どもはのどの渇きやトイレの回数に気づきにくいことがあります。
高齢者の症状
- 高齢者ではのどの渇きを感じにくいため、知らない間に脱水になることがあります。
- 疲れや体重減少が目立たず、他の病気と間違われることもあります。
原因
主な原因
- インスリンの作用が低下する(インスリン抵抗性)
- すい臓からのインスリン分泌が減る
- 遺伝的な要因と生活習慣(食べ過ぎ、運動不足)が重なる
リスク要因
- 家族(親や兄弟)に2型糖尿病の人がいる
- 肥満(特に内臓脂肪が多い)
- 運動不足
- 高血圧や脂質異常症がある
- 妊娠糖尿病の既往歴がある
- 年齢が40歳以上
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状がある場合(すぐに119番へ)
- 血糖のコントロールが急に悪くなり、体調が不安定なとき
- 低血糖症状(冷や汗・動悸・意識がもうろうとする)が頻発するとき
定期受診を予約すべき場合:
- 健診などで血糖が高いと指摘されたとき
- のどの渇きや尿の増加など、気になる症状が続くとき
- すでに治療中でも定期的な受診が必要です(目安は3~6か月ごと)
診断
2型糖尿病の診断は主に血液検査で行います。空腹時血糖、HbA1c(過去1~2か月の平均血糖を示す値)、またはブドウ糖負荷試験という検査をします。医師がこれらの値と症状を総合的に判断します。
行われる可能性のある検査
- 空腹時血糖値(少なくとも8時間絶食後の血糖)
- HbA1c(ヘモグロビンA1c)
- 随時血糖値(食事の時間に関係なく測る血糖)
- 75gブドウ糖負荷試験(糖を飲んで血糖の変化を調べる)
診察で予想されること
診断のための検査は採血です。特に空腹時血糖やHbA1cは事前に食事制限が必要な場合があります。結果が出るまでに数日かかることもあります。診断後は、医師や看護師、管理栄養士から生活習慣や治療について丁寧に説明があります。
治療
2型糖尿病の治療は、まず食事と運動などの生活習慣を見直すことから始まります。それでも血糖が目標に届かない場合は、薬を使うこともあります。治療の目標は血糖を安全な範囲に保ち、合併症を予防することです。治療法は一人ひとりの状態に合わせて選ばれます。
自宅でのセルフケア
- 食事:バランスの良い食事を規則正しくとる。特に野菜を多めに、糖質や脂質をとりすぎない。
- 運動:ウォーキングなど、1日30分程度の有酸素運動を週に数回行う。
- 体重管理:太りすぎの場合は減量が効果的です。
- 血糖自己測定:医師の指示に従い、自宅で血糖を測ることでコントロールがしやすくなります。
- 禁煙と節酒:喫煙や飲み過ぎは血糖コントロールに悪影響です。
医療治療
薬による治療では、血糖を下げる内服薬や注射薬を使います。よく使われるのは、インスリンの分泌を促す薬や、インスリンの効きをよくする薬、糖の吸収を遅らせる薬などです。また、すい臓からのインスリン分泌が不足している場合には、インスリン注射が必要になることもあります。薬の種類や量は医師が定期的に調整します。必ず医師の指示に従って使用してください。
手術が検討される場合
2型糖尿病そのものに対する手術は一般的ではありませんが、高度肥満がある場合には減量手術(肥満外科手術)が行われることがあります。ただし、これはすべての患者さんに適するわけではなく、専門医の判断が必要です。
この病気と共に生きる
血糖コントロールのためには、毎日の生活リズムが大切です。食事や運動、服薬(必要な場合)を習慣にしましょう。ストレスや睡眠不足も血糖に影響するため、十分な休養とリラックスを心がけてください。また、定期的に医療機関を受診し、血糖や合併症のチェックを続けることが重要です。
生活習慣のアドバイス
- 食事は野菜から先に食べる(ベジファースト)と血糖の上昇がゆるやかになります。
- 間食や甘い飲み物は控えめに。
- 毎日同じ時間に食事をとるようにする。
- 運動は無理のない範囲で続けることが大切です。
食事と運動
糖尿病の食事療法は、栄養バランスを整え、適正なエネルギー量を守ることが基本です。炭水化物・たんぱく質・脂質のバランスが大切で、野菜や食物繊維を多くとりましょう。運動は筋肉を使うことでインスリンの効きをよくします。ウォーキングや水泳などの有酸素運動に加え、軽い筋力トレーニングもおすすめです。
精神的健康と心の健康
慢性疾患と向き合うことはときに辛く感じることもあります。血糖コントロールに悩んだり、将来への不安を感じたりすることは自然なことです。無理をせず、気持ちを家族や友人、医療者に話してみましょう。専門のカウンセリングを利用することも助けになります。
予防
2型糖尿病は、健康的な生活習慣を実践することで予防できる可能性が高い病気です。特に、適正体重を維持し、バランスの良い食事と定期的な運動を心がけることが重要です。家族に糖尿病の方がいる場合など、リスクが高い人は特に注意しましょう。
ワクチン
糖尿病そのものを予防するワクチンはありませんが、感染症にかかると血糖コントロールが悪化しやすいため、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンなど、推奨されるワクチンは接種しておくとよいでしょう。かかりつけ医に相談してください。
検診プログラム
40歳以上の方やリスクが高い方は、年に1回の健康診断で血糖値をチェックしましょう。早期発見が合併症予防の鍵です。
合併症
治療しない場合
- 網膜症(目の血管が傷つき、失明のリスク)
- 腎症(腎臓の機能低下、透析が必要になることも)
- 神経障害(手足のしびれや痛み、感覚が鈍くなる)
- 動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳卒中になりやすくなる
- 感染症にかかりやすくなる
- 足の血流が悪くなり、潰瘍や壊疽(えそ)を起こすことも
長期的な見通し
2型糖尿病と診断されても、適切な治療と生活の見直しにより、多くの方が大きな問題なく日常生活を送っています。血糖値をよい状態に保てば、合併症を防ぎ、健康な人生を長く続けることができます。希望を持って、一歩ずつ取り組んでいきましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月30日
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