Upper extremity DVT
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
上肢深部静脈血栓症(じょうししんぶじょうみゃくけっせんしょう)は、腕の奥にある静脈(深部静脈)の中に血の塊(血栓)ができる病気です。この血栓が血管をふさぐことで、腕の腫れや痛みなどを引き起こします。
重要な事実
- 脚の深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群など)に比べて、腕にできることは少ないです。
- 血栓が肺に移動すると、肺塞栓症という危険な状態になることがあります。
- 早期に治療を受ければ、多くの方は回復します。
脚にできる深部静脈血栓症と比べると、腕にできることはあまり一般的ではありませんが、特定のリスクがある方には起こり得ます。
特に、腕に中心静脈カテーテル(点滴や治療のための管)を入れている方、がんの治療を受けている方、腕や肩のケガをした方、または妊娠中の方に多く見られます。
症状
- 突然の息苦しさや呼吸が速くなる
- 胸の痛み(特に息を吸うとき)
- 血の混じったせきが出る
- 意識がもうろうとする
- ⚠腕が急に大きく腫れて痛みが強い
- ⚠腕の色が青白くなる、または冷たくなる
- ⚠腫れや痛みが数時間で悪化する
一般的な症状
- 腕や手のむくみ(腫れ)
- 腕や肩の痛み、または重だるさ
- 腕の皮膚が赤くなる、または熱を持つ
- 腕の血管が浮き出て見える
子供の症状
- 子どもでも同じ症状が現れますが、言葉で表現できない場合、機嫌が悪くなったり、腕をかばったりすることがあります。
高齢者の症状
- 高齢者の場合、症状がはっきりしないこともあり、むくみや痛みを他の病気と勘違いしやすいので注意が必要です。
原因
主な原因
- 腕の静脈にカテーテル(医療用の管)を留置すること(中心静脈カテーテル)
- がん(特に肺がんや乳がん)による血液の変化
- 腕や肩の外傷(骨折や打撲)
リスク要因
- 最近の手術(特に腕や肩の手術)
- 長期の寝たきりや腕の動きが制限される状態
- 妊娠や出産
- 血液が固まりやすい体質(遺伝性のものも含む)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 腕の急激な腫れや激しい痛みがある
- 息苦しさや胸の痛みが急に出た(すぐに119番してください)
定期受診を予約すべき場合:
- 腕に原因不明の腫れや痛みが続く
- リスクがある状態(カテーテル留置中、がん治療中など)で、軽い症状が出た
診断
医師が問診と診察を行い、超音波検査(エコー)で腕の静脈の中の血流や血栓の有無を調べます。必要に応じて血液検査も行います。
行われる可能性のある検査
- 超音波(エコー)検査:静脈を観察して血栓を見つける検査です。痛みはなく、体に負担が少ないです。
- Dダイマー検査:血液中の血栓ができた時に増える成分を調べる検査です。この値が高くても必ず血栓があるとは限りませんが、参考になります。
診察で予想されること
診察では、症状や病歴、リスク要因について詳しく聞かれます。超音波検査はゼリーを塗った器具を腕に当てるだけなので、リラックスして受けられます。
治療
治療の主な目的は、血栓が大きくなるのを防ぎ、肺に飛ばないようにすることです。通常は血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)を数か月間使います。
自宅でのセルフケア
- 腕を心臓より高く上げて休む(腫れが和らぎます)
- 指や手首を軽く動かす(血流を促します)
- 水分をしっかり摂る(脱水は血液を固まりやすくします)
- 医師の指示があるまでは激しい運動や重いものを持たない
医療治療
血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)が治療の中心です。最初は注射や点滴で使われることが多く、その後は内服薬に切り替わることもあります。治療期間は通常3~6か月ですが、原因によってはそれ以上続けることもあります。薬の種類や量は、医師があなたの状態に合わせて決めます。
手術が検討される場合
ごくまれに、血栓が大きくて薬で改善しない場合や、血栓が肺に飛ぶ危険が高い場合に、カテーテルを使った血栓除去や手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
治療中は医師の指示に従って薬を飲み続け、定期的に血液検査を受けることが大切です。腕の状態を観察し、腫れや痛みの変化に注意しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 喫煙は血栓のリスクを高めるので、禁煙を検討しましょう
- 長時間同じ姿勢を避け、適度に腕を動かす
- 締め付けの強い服やアクセサリーは控える
食事と運動
バランスのよい食事を心がけ、特に水分をしっかり摂りましょう。医師の許可が出たら、ウォーキングなどの軽い運動から始めてください。激しい腕の運動は控えめに。
精神的健康と心の健康
血栓症と診断されると、再発の不安や治療の副作用などで気分が落ち込むことがあります。無理をせず、気になることは医師や家族に話しましょう。
予防
完全に予防することは難しいですが、リスクを減らすことはできます。例えば、カテーテルが必要な場合は、できるだけ短い期間で抜去することや、腕を動かすことが推奨されます。また、手術後は早期から腕を動かすように指導されることがあります。
検診プログラム
一般の方に定期的な検査は推奨されていません。ただし、リスクの高い方(例:がん治療中、カテーテル留置中)は、医師の判断で超音波検査などが行われることがあります。
合併症
治療しない場合
- 肺塞栓症(はいそくせんしょう):血栓が肺の血管に詰まり、息苦しさや胸の痛みを引き起こす危険な状態。
- 血栓後症候群(けっせんごしょうこうぐん):血栓ができた腕に慢性的な腫れや痛み、だるさが残ることがある。
長期的な見通し
適切な治療を受ければ、多くの方は血栓が縮小・消失し、重い後遺症なく回復します。治療後も再発を防ぐために定期的なフォローアップが大切ですが、希望を持って日常生活を送ることができます。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月17日
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