静脈瘤(下肢静脈瘤)と共に生きる大人のためのガイド
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
静脈瘤(じょうみゃくりゅう)とは、足の血管が太く、曲がって、膨らんで見える状態です。静脈の弁(血液を心臓に戻すためのふた)がうまく働かず、血液がたまってしまうことが原因です。多くの場合、痛みやだるさを伴いますが、適切なケアで症状を和らげられます。
重要な事実
- 静脈瘤は足に最もよく見られますが、体の他の部分にもできることがあります。
- 日本人の約10~15%が経験すると言われ、特に女性に多いです。
- 遺伝や生活習慣が関係しており、予防や進行を遅らせることが可能です。
はい、とてもよくある症状です。特に30代以降の女性や、立ち仕事・座り仕事が多い方に多く見られます。
主に成人、特に妊娠経験のある女性や、長時間立ったまま・座ったままの仕事をしている方に多く見られます。高齢になるとリスクが高まります。
症状
- 静脈瘤の部分から突然大量の出血が止まらない
- 足全体が急に腫れて、赤くなり、熱を持つ(深部静脈血栓症の可能性)
- 突然の息切れや胸の痛み(血栓が肺に飛ぶ肺塞栓症の可能性)
- ⚠静脈瘤の部分が赤く腫れて痛む(血栓性静脈炎の可能性)
- ⚠足首や足の甲に治りにくい潰瘍(かいよう)ができた
- ⚠静脈瘤の周りの皮膚が破れて出血が止まらない(軽く押さえて止血できない場合)
一般的な症状
- 足に太くて曲がった青紫色の血管が見える
- 足が重くだるい、むくむ(特に夕方)
- 足のつけ根やふくらはぎが痛む、かゆくなる
- 長時間立った後や座った後に症状が強くなる
子供の症状
- 子どもでは非常にまれですが、先天的な血管の異常がある場合は、小さな血管の膨らみが見られることがあります。通常は心配ありませんが、気になる場合は小児科医に相談を。
高齢者の症状
- 高齢者では静脈瘤が進行しやすく、皮膚の色が黒ずんだり、湿疹やかゆみが強くなることがあります。
- 転倒やけがをすると出血や傷の治りが遅くなるので注意が必要です。
原因
主な原因
- 静脈の中の弁(血液の逆流を防ぐふた)が弱くなる、または壊れることで血液が逆流し、血管に圧力がかかって膨らむ。
- 長時間の立ち仕事や座り仕事で足に血液がたまりやすい状態が続く。
- 加齢により血管や弁の弾力が低下する。
リスク要因
- 家族に静脈瘤の人がいる(遺伝)
- 妊娠(ホルモンの影響や子宮による圧迫)
- 肥満(体重が足の血管に負担をかける)
- 加齢(40歳以上でリスクが高まる)
- 過去の足のけがや手術
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の「緊急」症状がある場合はすぐに119番へ連絡するか、救急外来を受診してください。
- 深部静脈血栓症が疑われる症状(片足の急な腫れ、痛み、熱感)がある場合。
定期受診を予約すべき場合:
- 足の静脈瘤が気になり始めたら、かかりつけ医や皮膚科、血管外科に相談しましょう。
- 症状(痛み、だるさ、かゆみ)が日常生活に支障をきたすようになったら早めに受診を。
- 静脈瘤の部分の皮膚が黒ずんできたり、湿疹ができた場合。
診断
医師が足を視診・触診し、症状の経過を聞きます。必要に応じて超音波検査(エコー)を行い、血管の状態や血液の逆流の有無を詳しく調べます。
行われる可能性のある検査
- 視診と触診:立った状態で足の血管を観察します。
- 超音波(エコー)検査:痛みはなく、血管の内部や血流を確認できます。これが一番確実な検査です。
- 場合によっては血液検査や画像検査を行うこともあります。
診察で予想されること
検査は外来で行い、特別な準備は不要です。超音波検査はジェルを塗ってプローブを当てるだけで、10~20分程度で終わります。結果はその場で説明されることが多いです。
治療
治療は症状の重さや生活への影響によって決まります。軽度なら生活習慣の改善や弾性ストッキング(着圧ソックス)で十分なこともあります。症状が強い場合や合併症のリスクがある場合は、医療機関で治療を受けます。
自宅でのセルフケア
- 足を休めるときは心臓より高く上げる(30分ほど)
- 弾性ストッキング(医療用着圧ソックス)を日中に着用する(医師や薬剤師に適切な圧迫力を相談)
- 長時間立ちっぱなし・座りっぱなしを避け、こまめに足を動かす
- 適度な運動(ウォーキング、水泳など)でふくらはぎの筋肉を鍛える
- 食事は塩分控えめ、食物繊維を多くとり、便秘を防ぐ
医療治療
症状が強い場合、医師は血管内治療(カテーテルを使ったレーザーや高周波で血管を閉鎖する方法)、硬化療法(薬剤を注射して血管を縮める方法)、または外科的切除(血管を抜き取る手術)などを提案することがあります。どの治療法が適しているかは、血管の状態や患者さんの希望を考慮して医師が説明します。
手術が検討される場合
保存的な治療(弾性ストッキングや生活改善)で効果が出ない場合や、皮膚潰瘍(かいよう)や出血などの合併症がある場合に手術が検討されます。最近は体への負担が少ない低侵襲手術が主流です。
この病気と共に生きる
静脈瘤と共に暮らすには、毎日のちょっとした習慣が大切です。こまめに足を動かし、むくみを防ぐことで快適に過ごせます。職場ではこまめに席を立ったり、足を少し上げる時間を作りましょう。
生活習慣のアドバイス
- 弾性ストッキングを毎日着用する(朝起きたらすぐにはくのが効果的)
- 長時間の立ち仕事や座り仕事を避け、1時間ごとに足を動かす
- 足を組んで座らない
- 締め付けの強い服や靴は避ける
- 飛行機や長距離バスなどではこまめに足を動かし、水分を十分にとる
食事と運動
バランスの良い食事(減塩、食物繊維を多く含む野菜や果物)と、週に数回のウォーキングや水泳などの有酸素運動が効果的です。特にふくらはぎの筋肉を使う運動は血液の循環を助けます。激しい運動は避け、無理のない範囲で行いましょう。
精神的健康と心の健康
静脈瘤の見た目が気になることによるストレスや、痛み・だるさで日常生活に制限が出ることがあります。気分が落ち込んだり、不安が強い場合は、医師やカウンセラーに相談することをためらわないでください。必要なら精神科や心療内科の受診も検討しましょう(厚生労働省の「こころの健康」情報も参考に)。
予防
完全に防ぐことはできませんが、リスクを減らし進行を遅らせることは可能です。適度な運動、体重管理、長時間同じ姿勢を避けること、弾性ストッキングの使用などが役立ちます。
検診プログラム
特に健康診断で必須の検査はありませんが、気になる症状があれば医療機関を受診しましょう。家族に静脈瘤の人がいる場合は早めに医師に相談するとよいでしょう。
合併症
治療しない場合
- 血栓性静脈炎(静脈瘤に血栓ができて痛みや腫れを起こす)
- 皮膚の変化(色素沈着、湿疹、硬化)
- 皮膚潰瘍(特に足首の内側にできやすい)
- 出血(静脈瘤が破れて出血することがある)
- まれに深部静脈血栓症(命に関わることもあるため注意が必要)
長期的な見通し
適切なセルフケアと治療により、ほとんどの方が症状の改善や進行の抑制を期待できます。合併症も早期に対処すれば重症化を防げます。静脈瘤と上手に付き合いながら、生活の質を保つことが十分可能です。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
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