妊娠中の静脈瘤(じょうみゃくりゅう)について知っておきたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
静脈瘤(じょうみゃくりゅう)とは、足の血管(静脈)が膨らんで蛇行(だこう)する状態です。妊娠中はお腹の中の赤ちゃんが大きくなるにつれて、血管に圧力がかかりやすくなります。また、妊娠ホルモンの影響で血管がゆるみ、血液が逆流しやすくなることも原因です。ほとんどの場合、出産後に改善します。
重要な事実
- 妊娠中の女性の約3~4割に静脈瘤が現れると言われています。
- 多くの場合、妊娠後期(28週以降)に症状が目立ちやすくなります。
- 出産後、数か月以内にほとんどの静脈瘤は小さくなります。
- 適切な自己ケアで症状を和らげることができます。
はい、妊娠中の静脈瘤はとてもよく見られる症状です。特に妊娠後期に多く、経産婦さんほど経験しやすい傾向があります。
妊娠中の女性なら誰でもなる可能性がありますが、特に以下の方に多く見られます:静脈瘤の家族歴がある方、体重増加が多い方、双子や三つ子など多胎妊娠の方、立ち仕事や座り仕事が多い方。
症状
- 突然の息切れや胸の痛みがある(肺塞栓症(はいそくせんしょう)の可能性)
- 片足が急に腫れて熱を持ち、激しい痛みがある(深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)の可能性)
- ⚠静脈瘤の周りが赤くなり、熱を持って痛みが増す(血栓性静脈炎(けっせんせいじょうみゃくえん)の可能性)
- ⚠静脈瘤の皮膚が破れて出血が止まらない
一般的な症状
- 足の血管が青く膨らんで見える
- 足のだるさや重だるさ
- 足のむくみ(特に夕方にひどくなる)
- ふくらはぎや太ももの痛みやひきつり(こむら返り)
- かゆみやピリピリした感じ
子供の症状
- 妊娠中の静脈瘤は母親だけに起こる症状で、赤ちゃんには直接影響しません。
高齢者の症状
- 妊娠中の静脈瘤は若い女性にも起こりますが、年齢が高いほど発症リスクが上がる傾向があります。
原因
主な原因
- 妊娠によって血液量が増え、血管に負担がかかる
- 大きくなる子宮が骨盤や脚の静脈を圧迫する
- 妊娠ホルモン(プロゲステロン)が血管壁をゆるめ、血液が逆流しやすくなる
リスク要因
- 家族(特に母親)に静脈瘤の人がいる
- 妊娠中の体重増加が大きい
- 多胎妊娠(双子など)
- 立ち仕事や長時間の座位
- 以前の妊娠で静脈瘤ができたことがある
- 便秘や慢性のせき(腹圧がかかる)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状(息切れ、片足の腫れなど)がある場合
- 静脈瘤から出血している場合
- 痛みや腫れが急にひどくなった場合
定期受診を予約すべき場合:
- 妊娠中の検診で静脈瘤が気になる時に相談する
- 症状が日常生活に支障をきたす場合
- 自己ケアを1~2週間試しても改善しない場合
診断
医師による診察が基本です。通常は問診と、立ち姿勢で脚を観察するだけで診断できます。必要に応じて超音波検査(エコー)を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 視診と触診(医師が足を見て触って確認する)
- 超音波検査(血管の状態や血液の流れを詳しく調べる)
診察で予想されること
診察は痛みもなく短時間で終わります。診断のための特別な準備は必要ありません。妊娠中でも超音波検査はお腹の赤ちゃんに影響がなく安心です。
治療
妊娠中の静脈瘤の治療は、手術や強い治療よりも、まずは症状を和らげる自己ケアが中心です。ほとんどの場合、出産後自然に改善するため、経過を見ながら安心して過ごせるようにサポートします。
自宅でのセルフケア
- 弾性ストッキング(かんせいストッキング)を履く→医療用のものは医師の指示で選びましょう
- 足を高くして休む(寝るときは枕を足の下に)
- 長時間立ったままや座ったままを避け、こまめに動く
- 適度な運動(ウォーキングや水中歩行など)
- 体重増加を適正に保つ
- きつい衣服や靴は避ける
医療治療
症状が強い場合、医師は弾性ストッキングの使用を勧めることがあります。注射やレーザー治療などは、妊娠中は原則として行いません。出産後も症状が残る場合に、改めて治療を検討します。
手術が検討される場合
妊娠中に手術が必要になることはほとんどありません。出産後、静脈瘤が残って痛みや不快感が強い場合に、医師と相談して治療法を決めます。
この病気と共に生きる
妊娠中に静脈瘤があっても、日常生活を普通に送ることができます。足を休める工夫をしたり、こまめに姿勢を変えたりすることで、症状を軽くできます。痛みが強いときは無理をせず、座って足を上げましょう。
生活習慣のアドバイス
- 毎日30分程度の軽い運動(歩く、泳ぐなど)
- 足を組まずに座る
- 就寝時は左側を下にして寝る(子宮の圧迫を減らす)
- 便秘にならないように食物繊維を多くとる
- 水分を十分に摂る
食事と運動
塩分を控えめにし、むくみを予防しましょう。カリウムの多い食品(バナナ、トマト、ほうれん草など)もおすすめです。運動は血行を促進するので、医師の許可があればウォーキングやマタニティヨガを取り入れてください。
精神的健康と心の健康
見た目の変化や痛みで不安になることもあるかもしれません。しかし、これは一時的な症状で多くの人が経験するものです。気になる時はパートナーや医療者に話してみましょう。リラックスする時間を作ることも大切です。
予防
完全に予防することは難しいですが、リスクを減らすことはできます。適度な運動、体重管理、こまめな姿勢変換などが役立ちます。また、妊娠前から弾性ストッキングを着用する習慣がある人は、妊娠中も継続するとよいでしょう。
ワクチン
省略
検診プログラム
省略
合併症
治療しない場合
- 血栓性静脈炎(血管内に血の塊ができて炎症を起こす)
- 静脈瘤からの出血
- まれに深部静脈血栓症(脚の深い静脈に血の塊ができる)や肺塞栓症(血の塊が肺に飛ぶ)
長期的な見通し
ほとんどの妊娠中の静脈瘤は、出産後3~6か月で自然に小さくなり、症状も消えます。ごく一部の方で残る場合もありますが、その場合は産後に治療が可能です。適切なケアを続ければ、合併症のリスクは非常に低くなります。希望を持って過ごしてください。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
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