妊娠中のめまい(回転性めまい)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
めまい(回転性めまい)とは、自分や周囲がぐるぐる回っているように感じる症状です。妊娠中はホルモンの変化や血圧の変動などが原因で起こりやすくなります。多くの場合、一時的なもので、赤ちゃんに影響を与えることはほとんどありません。
重要な事実
- 妊娠中のめまいはよくある症状で、特に妊娠初期と後期に多く見られます。
- ほとんどの場合、赤ちゃんに直接の影響はありません。
- 立ちくらみと回転性めまいは異なります。回転性めまいは自分や周囲が回っているように感じます。
- 安静にすることで症状が改善することが多いです。
はい、妊娠中のめまいはとてもよくある症状です。約3人に1人の妊婦さんが経験すると言われています。
妊娠中のどの時期でも起こりえますが、妊娠初期(つわりの時期)と妊娠後期(おなかが大きくなり血流が変化する時期)に特に多いです。
症状
- 突然の激しい頭痛を伴うめまい
- 視力がぼやける、物が二重に見える
- 言葉がうまく話せない、片方の手足が動かない
- 胸の痛みや息苦しさがある
- 意識を失いそうになる、または意識を失った
- ⚠めまいがひどくて立っていられない
- ⚠何度も嘔吐して水分が取れない
- ⚠安静にしても症状が改善しない
- ⚠けがをしそうなほど激しいめまい
- ⚠耳の痛みや難聴を伴う
一般的な症状
- 自分や周囲がぐるぐる回っているように感じる
- ふらつく、立ちくらみ
- 吐き気や嘔吐を伴うことがある
- バランスが取りにくい
- 耳が詰まった感じや耳鳴りがすることがある
子供の症状
- この記事は妊娠中の方のためのものです。小児のめまいについては、小児科医にご相談ください。
高齢者の症状
- この記事は妊娠中の方のためのものです。高齢者のめまいについては、かかりつけ医または耳鼻咽喉科医にご相談ください。
原因
主な原因
- ホルモンの変化:特に妊娠初期に血管が拡張し、血圧が下がりやすくなります。
- 血液量の増加と貧血:妊娠中は血液が増えますが、鉄分不足で貧血になるとめまいが起こりやすくなります。
- 低血圧:おなかが大きくなると、血管が圧迫されて血圧が急に下がることがあります。
- 血糖値の低下:食事の間隔が空きすぎたり、つわりで食べられないときなどに起こります。
- 内耳の変化:妊娠によるホルモンが内耳のリンパ液のバランスに影響することがあります。
リスク要因
- 妊娠初期のつわりが重い方
- 貧血(特に鉄欠乏性貧血)がある方
- もともと低血圧や立ちくらみを起こしやすい方
- 双子や多胎妊娠の方
- 水分を十分に取れていない方
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状がある場合
- めまいが強くて歩くのが難しい場合
- 頭を打った後のめまい
- 耳から出血や排液がある
定期受診を予約すべき場合:
- めまいが何日も続く、または繰り返す場合
- 日常生活に支障が出る場合(運転や仕事など)
- 貧血が心配な場合
- めまいの他に耳の症状(難聴、耳鳴り)がある場合
- 妊娠中だからといって我慢せず、気になる症状があればかかりつけの産婦人科医に相談しましょう。
診断
医師はあなたの症状や経過を詳しく聞き、原因を調べるためにいくつかの検査を行うことがあります。妊娠中はレントゲンやCTなどの放射線を使う検査は避けられることが多いです。
行われる可能性のある検査
- 問診:いつから、どんな時にめまいが起こるか、他に症状はないかなど
- 血圧測定:立ち上がった時の血圧変化を調べる
- 血液検査:貧血や血糖値の確認
- 耳鼻咽喉科的な検査(必要に応じて):バランス検査や聴力検査など(妊娠中でも安全に行えます)
診察で予想されること
医師はあなたの症状が妊娠によるものなのか、他の病気(メニエール病や良性発作性頭位めまい症など)が原因なのかを判断します。ほとんどの場合、妊娠に伴う生理的な変化が原因で、特別な治療はせずに経過を見ます。必要に応じて、耳鼻咽喉科や神経内科の専門医を紹介されることもあります。
治療
妊娠中のめまいの治療は、原因に応じて行われます。多くの場合、安静と生活習慣の見直しで症状は改善します。薬を使う場合は、妊娠中でも安全なものだけを医師が処方します。
自宅でのセルフケア
- めまいがしたら、その場にしゃがむか横になって安静にする。
- 急に立ち上がらず、ゆっくりと動作を行う。
- 十分な水分をこまめに取る(特に朝起きた時や暑い時)。
- バランスのよい食事を規則正しく取り、空腹を避ける。
- 鉄分やビタミンB群を多く含む食品(レバー、ほうれん草、魚など)を意識して取る。
- 辛いものやカフェインを控えめにする(内耳の刺激になることがあるため)。
医療治療
めまいが強い場合や日常生活に支障がある場合、医師は妊娠中でも安全なめまい止めの薬や吐き気止めを処方することがあります。また、貧血が原因の場合は鉄剤の補充が行われることがあります。ただし、自己判断で薬を服用せず、必ず医師の指示に従ってください。理学療法(バランス訓練)が推奨されることもあります。
手術が検討される場合
妊娠中のめまいに対して手術が行われることはほとんどありません。ごくまれに内耳の病気(例:メニエール病など)で手術の適応となる場合がありますが、その場合は産婦人科と耳鼻咽喉科の医師が協力して、妊娠経過を考慮した上で判断します。
この病気と共に生きる
めまいが続くと日常生活が不安になるかもしれませんが、多くの場合は妊娠が進むにつれて改善するか、あるいは出産後には自然に治まります。焦らず、自分の体調に合わせて無理のない生活を心がけましょう。
生活習慣のアドバイス
- 十分な睡眠をとる。疲れがたまるとめまいが起こりやすくなります。
- ゆっくりとした動きを心がけ、急な方向転換や前かがみを避ける。
- 入浴はぬるめのお湯にし、のぼせないようにする。
- 車の運転はめまいの症状がある間は控える。
- 通勤や家事で疲れたら、こまめに休憩を取る。
食事と運動
バランスのよい食事を規則正しく取りましょう。特に鉄分(赤身の肉、ほうれん草、ひじきなど)と水分は意識して取ってください。適度な運動(散歩やマタニティヨガなど)は血流を改善し、めまいの予防にも役立ちますが、無理はしないでください。
精神的健康と心の健康
めまいが続くと「赤ちゃんに影響があるのでは」と不安になったり、気分が落ち込むこともあります。めまいそのものは多くの場合赤ちゃんに悪影響を与えませんが、不安が強いときは医師や助産師に相談しましょう。必要であれば、カウンセリングなどのサポートも受けることができます。
予防
妊娠中のめまいを完全に予防することは難しいですが、生活習慣の工夫で起こりにくくすることができます。
合併症
治療しない場合
- 転倒によるけが(特に骨折や打撲)
- 脱水症状(めまいに伴う吐き気で水分が取れない場合)
- 日常生活の質の低下(仕事や家事が困難になる)
- 強い不安やストレスが続く
長期的な見通し
妊娠中のめまいは、多くの場合、出産後には自然に治ります。また、妊娠中も適切な対処とケアで症状をコントロールできます。赤ちゃんに直接の影響が出ることはまれです。めまいがあるからといって過度に心配せず、医師のアドバイスを受けながら、妊娠期間を安心して過ごしてください。
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- かかりつけの産婦人科医または助産師 · 日本
- 地域の保健センター(保健所) · 日本
- 厚生労働省 妊娠・出産に関する情報 · 日本
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
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