赤ちゃんのコリック(疝痛)に寄り添う暮らしのヒント
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
コリック(疝痛)とは、生後2週間から4か月ごろまでの健康な赤ちゃんにみられる、原因がはっきりしない強い泣きが続く状態です。お腹が痛いわけではなく、心配な病気ではありません。泣く時間が長くても、赤ちゃんが順調に育っていれば、多くの場合は時間とともに自然に落ち着いていきます。
重要な事実
- コリックは、健康な赤ちゃんの約1割から4割にみられる一般的な状態です。
- 泣きは夕方から夜にかけて強くなることが多く、激しい泣き方になります。
- 多くの赤ちゃんは生後4~5か月までに自然に治まります。
- コリックは親の育て方が原因ではありません。誰にでも起こりうることです。
はい、とてもよくあることです。生後1~4か月の赤ちゃんの約5人に1人が、ある時期コリックとよばれる泣きを経験すると言われています。
生後2週間から4か月ごろまでの健康な赤ちゃんにみられます。男の子にも女の子にも同じように起こります。
症状
- 高熱がある(生後3か月未満で38℃以上など)
- ぐったりして反応が悪い
- 呼吸が苦しそう、息を止めるような発作がある
- けいれんやひきつけを起こした
- 便に血液が混ざっている、おう吐が止まらない
- ⚠体重が増えていない、または飲みが極端に弱い
- ⚠泣くときの様子が急に変わった、または泣き方が異常に感じる
- ⚠おう吐や下痢を繰り返している
- ⚠発疹や腫れなど、気になる体の変化がある
- ⚠親自身がどう対応すればよいかわからず、強い不安や疲れを感じている
一般的な症状
- 1日に3時間以上、1週間に3日以上、3週間以上続く強い泣き
- 特に夕方から夜にかけて泣く時間が長い
- 顔を赤くして、手足をばたつかせる
- おなかを張らせ、背中を反らして激しく泣く
- 抱っこをしても泣き止まず、おろすとますます泣く
子供の症状
- コリックは赤ちゃん(乳児)にみられる状態です。生後2週間から4か月ごろに、上記のような激しい泣きが特徴として現れます。
原因
主な原因
- はっきりとした原因はまだわかっていません。
- 消化の未熟さやガスがたまりやすいことが関係していると考えられています。
- 神経系が未熟で、音や光などの刺激に敏感になっている可能性があります。
- 一部の赤ちゃんでは、母乳やミルクに含まれるたんぱく質(乳たんぱく)に対する敏感さが影響している可能性があります。
リスク要因
- 人工栄養(ミルク)を飲んでいる赤ちゃんにやや多くみられるという報告がありますが、母乳でも起こります。
- 妊娠中の喫煙は、赤ちゃんの泣きが増えることに結び付くという研究があります。
- ご両親の緊張や不安が、赤ちゃんの泣きに影響するという説もありますが、親のせいではありません。
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- コリックの症状に加えて、高熱・ぐったり・けいれんなど、緊急のサインがみられる場合
- 血液が混じった便がある場合
- 呼吸が苦しそうな場合
定期受診を予約すべき場合:
- 体重増加や哺乳の様子が気になる場合
- 泣く時間や泣き方が変わった場合
- コリック以外の病気が心配な場合
- 健診などの定期的な予約のときに、相談のタイミングを確認する
診断
コリックの診断は、医師が赤ちゃんの状態や泣き方の経過を詳しく聞き、体を診ることで行われます。ほかの病気による泣きではないかを確認して、初めてコリックと判断されます。
行われる可能性のある検査
- 特別な検査は通常ありません。
- 診察では体重や体の発育を確認することが大切です。
- 必要があれば、尿検査や血液検査などが行われることもありますが、多くの場合は不要です。
診察で予想されること
診察では、いつからどのように泣くのか、ミルクや母乳の飲み方、うんちの様子などを聞かれます。医師は「コリックだね」「特別な病気ではないから安心して」と説明してくれるはずです。そのうえで、実際の対処法を一緒に考えてくれます。
治療
コリックを完全に消す特別な治療法はありません。時間とともに赤ちゃんの成長に伴って治まっていきます。治療の中心は、赤ちゃんを落ち着かせるために試す「ケアの工夫」と、ご家族が疲れすぎないようにすることです。
自宅でのセルフケア
- 抱っこしてゆっくり揺らす、部屋の中を歩き回る
- おくるみでやさしく包んで安心させる
- 「しーっ」というホワイトノイズや静かな音楽を聞かせる
- 温めたタオルでおなかをマッサージする(熱すぎないように注意)
- ゲップをこまめにさせる、授乳の姿勢を見直す
- 赤ちゃんが泣いているときに親が焦らないよう、深呼吸して少し休憩する
医療治療
医師は、状況に応じて、母乳やミルクの内容を見直したり、市販の整腸薬などをすすめることがあります。しかし、どんな薬でも、勝手に赤ちゃんに使うのは避けてください。必ず医師や薬剤師に相談しましょう。
手術が検討される場合
コリックに対して手術が必要になることはありません。
この病気と共に生きる
泣き続ける赤ちゃんと向き合うのは、とても体力と心のエネルギーを使います。泣きが始まったら、「あと数か月で終わる」という見通しを持ちながら、できる範囲で休息を取ることが大切です。パートナーや家族と交代で対応し、時には赤ちゃんを安全な場所に置いて、数分だけでも自分を落ち着けましょう。
生活習慣のアドバイス
- 夜泣きの時間帯に備えて、昼間にいっしょに横になって休む
- 家族や友人に手伝ってもらい、ひとりの時間を作る
- 赤ちゃんの泣きに合わせて、静かな環境で過ごす時間を増やしてみる
- ご自分の食事や睡眠をしっかり取ることを優先する
食事と運動
母乳で育てている場合、自分の食事や飲み物が赤ちゃんに影響することがまれにあります。しかし、極端に食事制限する必要はありません。心配な場合は、管理栄養士や医師に相談しながら、特定の食品を試しに外してみる方法もあります。また、ご自身の体調を整えるためにも、無理のない範囲で散歩などの軽い運動を取り入れましょう。
精神的健康と心の健康
赤ちゃんが泣き続けると、自分が否定されたように感じたり、育児がうまくいっていないのではないかと思ってしまうことがあります。それは自然な感情です。しかし、それは事実ではありません。疲れや不安が強く、眠れない・涙が出る・赤ちゃんに手を上げてしまいそうになるなどの感情があるときは、早めに助けを求めてください。
予防
コリックを完全に予防する方法は残念ながらありません。ただし、赤ちゃんの機嫌のよい時間にたくさんふれ合い、刺激を減らし、ねむいサインを見逃さないなど、生活にやさしいリズムをつくることで、泣きが落ち着くことがあります。
ワクチン
コリックと予防接種は直接関係ありませんが、赤ちゃんの健康のために、定められた予防接種はきちんと受けてください。接種スケジュールについては、かかりつけ医や保健センターに相談しましょう。
検診プログラム
コリックになる前から特別な検査はありません。しかし、乳幼児健診を受けることで、体の発育やご家族の困りごとを一緒に確認できます。
合併症
治療しない場合
- コリック自体が命にかかわる合併症を起こすことはありません。
- 親の疲れやストレスがたまり、産後うつや育児放棄などのリスクにつながる可能性があります。
- まれに、泣きの背景にある別の病気(腸重積など)を見逃すことがあります。
長期的な見通し
コリックの赤ちゃんは、ほかの赤ちゃんと同じようにすくすくと育ち、特別な発達の問題はないと言われています。生後4か月を過ぎるころから、自然に泣く時間が減っていき、多くの場合は5か月までに落ち着きます。この時期は必ず終わりが来ます。どうぞ安心して、目の前の赤ちゃんを大切に抱きしめてあげてください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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