乳歯が生える時期の見守りとチェック~赤ちゃんの歯ぐずり
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
乳歯(赤ちゃんの歯)が歯ぐきから顔を出すことを「歯ぐずり」や「生え始め」と呼びます。赤ちゃんの成長のひとつの節目であり、病気ではありません。歯が歯ぐきを押し上げるときに、痛みやむずがゆさを感じて機嫌が悪くなることがあります。
重要な事実
- 乳歯は通常、生後6か月ごろから生え始め、3歳ごろまでに20本そろいます。
- 歯が生えることで高熱や激しい下痢が起きるというはっきりした証拠はありません。熱があるときはほかの病気の可能性も考えて受診の目安にしましょう。
- 歯ぐきの腫れ、よだれの増加、物をかむ仕草はよく見られるサインです。
とても一般的です。すべての赤ちゃんは乳歯を生やします。歯の生え始める時期や順番には個人差が大きく、早い赤ちゃんで生後3か月ごろ、遅い赤ちゃんは1歳を過ぎてから生えることもあります。
主に生後6か月から3歳くらいまでの乳幼児です。男の子と女の子でも時期に差があり、早く生える子も遅く生える子もいますが、いずれも正常な範囲です。
症状
- けいれんを起こしている
- ぐったりしていて呼びかけに反応しない
- 呼吸が苦しそう、顔色が青白い
- 生後3か月未満で体温が38度以上となる発熱がある
- 水分をまったく受けつけず、おしっこが半日以上出ない
- ⚠39度以上の発熱がある
- ⚠頻繁な下痢や嘔吐が続く
- ⚠歯ぐきから膿や血が出ている
- ⚠歯ぐきが極端に腫れて、食事や水分が取れない
- ⚠発熱に伴ってぐずりがひどく、夜も眠れない
一般的な症状
- 歯ぐきが赤く腫れる
- よだれが増える
- 手やおもちゃをよくかむ
- 機嫌が悪くなる、夜泣きをする
- 食欲が落ちることがある
- ほっぺたが赤くなることがある
原因
主な原因
- 乳歯が歯ぐきの中から外に出ようとして、歯ぐきの組織を押し広げるため
- 歯ぐきのむずがゆさや軽い炎症による不快感
- よだれが増えることで口のまわりがかぶれて、さらに機嫌が悪くなることがある
リスク要因
- 特別な危険因子はありません。
- 兄弟や親の歯の生え始める時期が早い・遅いなどの遺伝的要因が関係することがあります。
- 早産で生まれた赤ちゃんは、出産予定日に合わせた月齢で歯が生える傾向があります。
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 38.5度以上の発熱、激しい下痢、嘔吐がある
- 水分が取れず、おしっこが少ない
- 歯ぐきの腫れがひどく、膿が出ている
- 生後3か月未満の赤ちゃんに発熱がある
定期受診を予約すべき場合:
- 1歳を過ぎても乳歯が1本も生えてこない
- 3歳になっても乳歯が20本そろわない
- 歯の生える順番が極端に乱れている
- 歯のかみ合わせや歯並びが気になる
診断
歯ぐずりは特別な検査で診断するものではありません。小児科医や歯科医がお母さん・お父さんからの話を聞き、赤ちゃんの機嫌や体の状態、口の中の歯ぐきの様子を診察して、ほかの病気が隠れていないかを確認します。
行われる可能性のある検査
- 基本的に血液検査やレントゲン検査は必要ありません。
- 発熱や下痢が続く場合には、ほかの感染症を調べるために尿検査や血液検査を行うことがあります。
- 歯の生え方が気になるときは、歯科でレントゲンを撮って歯の状態を確認することがあります。
診察で予想されること
診察では「いつから症状があるか」「熱の高さ」「食事・水分・おしっこの状態」「歯ぐきの見た目」などを聞かれます。医師は手袋をした指で歯ぐきを軽く触れて確認します。診察は数分で終わり、その場で自宅でのお世話のポイントを教えてもらえます。
治療
歯ぐずりは病気ではないため、特別な治療は必要ありません。赤ちゃんの不快感をやわらげるお世話と、口の中を清潔に保つことが基本です。
自宅でのセルフケア
- 清潔な指または冷たいガーゼで、歯ぐきを優しくマッサージする
- 歯固めやおしぼりをかるく冷やしてかませる(冷やしすぎに注意)
- よだれで口のまわりがかぶれないよう、やさしくふいて保湿する
- 水分をこまめにあげる(母乳、ミルク、湯冷まし、麦茶など)
- 抱っこや遊びで気をそらす
- 哺乳瓶を長時間くわえさせたままにしない
医療治療
歯ぐずりそのものに処方薬は通常ありません。発熱や痛みが強くて受診した場合、医師が赤ちゃんの状態に合わせて安全に使える痛み止めを処方することがありますが、自己判断で市販薬を与えず、必ず医師や薬剤師に相談してください。
手術が検討される場合
歯ぐずりに手術は必要ありません。
この病気と共に生きる
歯ぐずりは数日から数週間続くことがあり、その間は夜泣きやぐずりが増えることもあります。しかし、この時期は一時的です。歯が生えるたびに同じような時期が来ることもありますが、赤ちゃんの成長の過程として見守りましょう。
生活習慣のアドバイス
- 歯が生え始めたら、1日1回は濡れガーゼで歯と歯ぐきを拭いて清潔にする
- むし歯の原因になるので、哺乳瓶に糖分を含む飲み物を長時間入れたままにしない
- 自治体の乳幼児健診(1歳6か月児健診、3歳児健診など)と歯科健診を必ず受ける
- 就寝前のミルクや母乳以外の飲み物に注意し、口の中をきれいな状態で寝かせる
食事と運動
離乳食の時期は、歯ぐきでつぶせる固さのものを用意し、食材は小さく切ってのどにつまらせないようにします。奥歯が生えるまでは、噛み切りやすい大きさに調整しましょう。
精神的健康と心の健康
夜泣きやぐずりが続くと、親も疲れて不安になることがあります。「いつまで続くのだろう」と焦る気持ちは自然です。大変な時期は必ず終わります。ひとりで抱え込まず、パートナーや両親、地域の子育て支援サービスの人に話を聞いてもらいましょう。
予防
歯ぐずりそのものを予防することはできません。自然な成長過程です。ただし、口の中を清潔に保ち、適切な時期に歯科健診を受けることで、むし歯や歯肉の病気を予防できます。
ワクチン
歯ぐずりを予防するワクチンはありません。一方で、乳幼児の感染症を予防する定期接種のワクチンは、各月齢で計画的に受けてください。接種時期については自治体の案内やかかりつけ医に確認しましょう。
検診プログラム
乳歯の生え方やむし歯の有無は、自治体が実施する乳幼児健診や歯科健診でチェックできます。1歳6か月児健診では歯科医による診察が含まれることが多く、生えそろい方やかみ合わせについてアドバイスが受けられます。
合併症
治療しない場合
- 歯ぐずり自体が放置されて悪化することはありませんが、口の中を清潔にしないと、むし歯や歯肉炎のリスクが高まります。
- 高熱や強い下痢、嘔吐など、歯ぐずり以外の病気のサインを見逃すと、病気が進行してしまう可能性があります。
- 歯の生え方に問題がある場合、発見が遅れるとかみ合わせの異常につながることがあります。
長期的な見通し
乳歯が生えてくる時期や順番には個人差がありますが、多くの場合、3歳ごろまでに自然に20本そろいます。歯ぐずりによる不快感は一時的で、適切なお世話をしていれば落ち着いてきます。心配なときは、あせらずに医療機関に相談しましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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