赤ちゃんの歯が生える時期のケアと生活のヒント
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
歯が生えるとは、赤ちゃんの乳歯が歯ぐきを押しのけて出てくることをいいます。生後6か月ごろから始まることが多く、自然な成長のあらわれです。歯ぐきがむずがゆくなって、よだれが増えたり、いつもより機嫌が悪くなることがあります。
重要な事実
- 歯が生える時期には個人差が大きく、早い子で生後3か月ごろ、遅い子で1歳を過ぎてから始まることもあります。
- 軽いぐずりやよだれの増加はよくある症状ですが、高熱や激しい下痢の直接の原因にはなりません。
- 歯が生え始めたら、虫歯予防のために歯みがきを始めるのがすすめられます。
- 歯が生えにくい、生え方がおかしいと感じたら、歯科医師に相談すると安心です。
とてもよくあることで、ほとんどすべての赤ちゃんにみられる正常な成長の過程です。
おもに生後6か月から3歳ごろまでの乳幼児にみられます。1歳を過ぎてから生え始める子も少なくありません。
症状
- 意識がもうろうとしている、呼びかけに反応しない
- けいれんが止まらない
- 呼吸が苦しそう、息ができない
- ぐったりして、まったく水分がとれない
- ⚠38.5℃以上の発熱がある
- ⚠下痢や嘔吐を繰り返す
- ⚠水分をほとんど受けつけず、おしっこの量が少ない
- ⚠歯ぐきがひどく腫れたり、膿が出てくる
- ⚠発疹や皮膚のただれが広がっている
一般的な症状
- 歯ぐきが赤く腫れている
- よだれが増える
- おっぱいやミルクの飲みが一時的に悪くなる
- いつもより機嫌が悪く、ぐずることが多い
- ものを強く噛みたがる
- ほほやあごが赤くなる
- 37.5℃未満の軽い熱が出ることがある
子供の症状
- 上の症状と同じように、歯ぐきの痛みやむずがゆさがみられます。幼い子どもは言葉で伝えられないため、機嫌や行動で表現することが多いです。
高齢者の症状
- 歯が生える時期は小児期だけなので、成人にこの症状はあてはまりません。
原因
主な原因
- 歯ぐきの中で育った乳歯が、歯ぐきの表面を押し破って出てくることによって起こります。
- 歯が生える時期の早い遅いは、家庭の傾向やからだの発達のペースによってさまざまです。
リスク要因
- 特に予防できる危険因子はありません。早産で生まれたお子さんでは、歯が生える時期がやや遅くなることがあります。
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 高熱(38.5℃以上)が続く場合
- 下痢や嘔吐がひどく、水分を取れない場合
- いつもと比べてぐったりしている場合
- 歯ぐきが赤く腫れて熱をもち、膿のようなものが出る場合
定期受診を予約すべき場合:
- 歯が生え始めたら、かかりつけの小児科や歯科で、歯の生え方を確認してもらいましょう。
- 自治体の乳幼児健診や歯科健診も定期的に受けましょう。
診断
診断は、お子さんの様子を聞き、口の中の歯ぐきや生えかけの歯を確認することで行われます。特別な検査はふつう必要ありません。
診察で予想されること
診察では、保護者が気になる症状を伝え、医師や歯科医師がお口の中をやさしく見ます。発熱や下痢があるときは、他の病気を合わせて確認します。
治療
歯が生えることは病気ではないため、薬などで止める必要はありません。お子さんがすごしやすいように、生活の工夫を中心にサポートします。
自宅でのセルフケア
- 清潔な指や冷たいガーゼで、歯ぐきを優しくマッサージする
- 安全な素材の歯固め(こんにちは)を冷やして噛ませる
- よだれでかぶれないように、こまめにやさしく拭いて、保湿クリームを塗る
- ぐずるときは、いつもより多めに抱っこして安心させる
- 食事は、歯ぐきに負担が少ない柔らかいものや冷たいものを用意する
- 無理に食べさせたり、無理に歯みがきをしようとしなくてもよいので、少しずつ習慣にする
医療治療
痛みが強い場合には、医師または歯科医師がお子さんの状態に合わせて、痛みを和らげる薬をすすめることがあります。必ず医師や薬剤師の指示に従い、市販薬を自己判断で使うことは避けてください。
手術が検討される場合
歯が生えること自体に手術は必要ありません。まれに、歯がうまく出てこない場合などは、歯科医師に相談してください。
この病気と共に生きる
歯が生える時期の不調は、数日から1週間ほどでおさまることがほとんどです。お子さんのペースを大事に、無理せず過ごしましょう。歯が生え始めたら、粉ミルクや母乳の後のマッサージや歯みがきを始めて、口の中を清潔に保つことも大切です。
生活習慣のアドバイス
- 食事の前に歯ぐきを冷たいものでやさしく冷やすと、痛みがやわらぐことがあります。
- 昼間はしっかり遊んで、夜は静かな環境を整え、眠りやすいようにサポートします。
- 歯固めやおしゃぶりは、必ず安全基準を満たしたものを選びましょう。
- だっこや背中をトントンするなど、スキンシップを増やすと安心します。
- 保護者も休める時間を作り、家族や周囲の助けを借りて、無理しすぎないようにしてください。
食事と運動
食事は、歯ぐきに負担が少ないヨーグルト、バナナ、やわらかくつぶした野菜などを冷たい状態または常温で与えると食べやすいことがあります。固いお菓子や、のどに詰まりやすいものは避けてください。運動は特別に制限する必要はありません。
精神的健康と心の健康
歯が生える時期は、赤ちゃんも保護者も夜中に起きることが増え、疲れや不安を感じることがあります。この時期は一時的なものだと知っておくと気持ちが楽になります。眠れない日が続く、イライラが強いなど、保護者自身のつらい気持ちが続く場合は、かかりつけ医や地域の保健師に相談してみてください。
予防
歯が生えることは成長の一環であり、予防するものではありません。ただし、虫歯や歯ぐきのトラブルは、早めの歯みがき習慣で予防できます。
ワクチン
歯が生えることと直接関係するワクチンはありませんが、お子さんの定期接種は、医師と相談しながら前もって予定しておきましょう。
検診プログラム
自治体の歯科健診や乳幼児健診で、口の中の状態を定期的に確認してもらいましょう。歯が生え始めたら、歯科医院での歯みがき指導を受けるのも役立ちます。
合併症
治療しない場合
- 歯が生え始めた時期に口の中を清潔にしないと、虫歯や歯ぐきの炎症(歯肉炎)のリスクが高まります。
- よだれをそのままにしていると、口の周りがかぶれたり、皮膚炎を起こすことがあります。
- 発熱や下痢などの症状を「ただの歯が生えるせい」と判断して放置すると、別の病気の発見が遅れる可能性があります。
長期的な見通し
歯が生えることによる不快な症状は、数日でおさまることがほとんどです。すべての乳歯が生えそろうのは3歳ごろまでで、時期には大きな個人差があります。少しの心配ごとも、かかりつけの医師や歯科医師に相談すれば、多くの場合は安心できる説明がもらえます。お子さんも保護者の方も、無理せず成長を見守っていけば大丈夫です。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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