子どもの発熱:ご自宅でのケアと看病のポイント
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
発熱(はつねつ)とは、体の体温がいつもより高くなっている状態です。体がウイルスや細菌などと戦うために起こす、大切な反応のひとつです。子どもの発熱の多くは心配のいらないもので、数日で自然に治ります。
重要な事実
- 発熱自体は病気ではなく、体が感染と戦っているサインです。
- 多くの子どもの発熱はウイルス感染が原因で、3日以内によくなります。
- 水分をしっかりとり、休ませることが最も大切なケアです。
- 熱の高さよりも、お子さんの機嫌や水分がとれるかどうかが重要な目安です。
- 解熱剤(熱を下げる薬)は、つらそうなときだけ使うものです。脳への影響や病気の重症化を防ぐ目的では使いません。
はい、とても一般的です。子どもは免疫力が未熟なため、大人に比べて頻繁に発熱します。特に6歳くらいまでは、年間に何度も熱を出すことは珍しくありません。
主に乳幼児から小学生くらいまでのお子さんに多く見られます。生後6か月から2歳ごろは特に発熱の頻度が高くなります。
症状
- 呼びかけに反応しない、または意識がない
- けいれんが5分以上続く、または何度もくり返す
- 顔色が青白い、または唇が紫色
- 呼吸が苦しそう、息ができない、または呼吸が止まっているように見える
- 首が硬く、頭を前に曲げられない(項部硬直)
- 全身に紫色や赤紫色の斑点が広がっている(出血性発疹)
- 痙攣後にぐったりしたまま回復しない
- ⚠生後3か月未満で38度以上の発熱がある
- ⚠発熱が3日以上続いている
- ⚠水分がほとんどとれず、尿の回数が明らかに少ない
- ⚠嘔吐をくり返し、水分さえも受け付けない
- ⚠機嫌が悪く、いつもよりぐったりしている
- ⚠呼吸が少し速い、または肩で呼吸している
- ⚠頭を痛がる、または強いだるさを訴える
- ⚠発熱と同時に痛みが強く、動かせない部位がある
一般的な症状
- 脇の下や額、耳などで測った体温が37.5度以上ある
- 顔が赤い、またはほてっている
- 元気がない、ぐったりしていることがある
- 食欲がない
- いつもより泣く、または不機嫌
- 寒気を感じる、ふるえる(悪寒)
子供の症状
- 機嫌が普段と違う(いつもよりぐずる、または逆に無反応)
- 水分をなかなかとらない
- 眠りが浅い、または異様に眠たがる
- 熱のほかに、咳、鼻水、嘔吐、下痢などを伴うことがある
- 熱性けいれん(熱に伴ってけいれんする)を起こすことがある
- 排尿の回数が減る、またはおしっこの色が濃い
高齢者の症状
- この記事は子ども向けですが、参考までに、ご高齢の方の発熱は若い方より症状がはっきりしないことがあります。
- ぼんやりする、意識がもうろうとする、反応が遅い場合がある
- 食欲低下や脱水症状が目立ちやすい
- 熱がなくても体力が落ち、転倒リスクが高まることがある
原因
主な原因
- ウイルス感染(かぜ、インフルエンザ、胃腸炎など)
- 細菌感染(中耳炎、咽頭炎、尿路感染症など)
- 予防接種後の一時的な反応
- 歯ぐきの腫れ(歯が生える時期)などによる軽度の発熱
- まれに、川崎病や髄膜炎など特別な病気が原因の場合もある
リスク要因
- 低年齢(特に生後6か月~2歳)
- 集団生活(保育園や幼稚園)での感染機会
- 予防接種が完了していない
- 季節性の感染症流行(冬はインフルエンザやノロウイルスなど)
- 水分摂取が不足しがちな状態
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 生後3か月未満の発熱(38度以上)は必ずすぐ医療機関へ
- ぐったりして、反応が弱い
- 呼吸が苦しそう、または顔色が悪い
- けいれんを起こした(熱性けいれんを含む)
- 発熱とともに強い頭痛や嘔吐をくり返す
- 発疹が現れ、それが広がる、または出血を伴う
- 水分がまったくとれず、尿が6時間以上出ていない
定期受診を予約すべき場合:
- 発熱が3日以上続く
- 解熱剤を使っても十分に機嫌がよくならない
- 耳の痛み、喉の痛み、下痢などほかの症状が気になる
- 繰り返し発熱する、または熱が下がったり上がったりする
- 予防接種を受ける予定があるが、熱がある場合
診断
医師が問診と診察を行い、発熱の原因を調べます。胸の音を聞いたり、喉や耳の中、おなかを診たりして、感染の兆候を確認します。
行われる可能性のある検査
- 体温測定(自宅で測った熱の経過も診断に役立ちます)
- 血液検査(炎症の程度や感染の有無を調べる)
- 尿検査(尿路感染症の可能性を調べる)
- のどのぬぐい液や便の検査(ウイルスや細菌の特定)
- 必要に応じて胸部X線検査などの画像検査
診察で予想されること
診察では、熱が始まった日時、熱の高さ、ほかの症状、水分摂取の状態、排尿の回数などを聞かれます。診断がつけば、家庭でのケア方法や、どのようなときに再受診すべきかが説明されます。原因がはっきりしない場合も、多くのケースでは「経過観察」で問題ありません。
治療
発熱の治療の中心は、原因となった病気への対応と、お子さんの不快感をやわらげることです。多くは自宅での休養と水分補給で自然に回復します。薬は症状をやわらげるためのものあって、発熱自体を早く治すものではありません。
自宅でのセルフケア
- こまめに水分をとらせましょう。母乳・ミルク・イオン水・スープなど、飲めるものを少量ずつでOKです。
- 室内の温度と湿度を快適に保ちます(20~22度、湿度50~60%程度が目安)。
- 衣類は厚着をさせず、肌着など薄着にして熱を逃がしやすくします。
- おでこを冷やすのは本人が気持ち良い場合のみで問題ありません。強制的な冷却は不要です。
- 体をふくときは、ぬるめのタオルでやさしくふきます。
- 安静が大切ですが、状態が良ければ、無理に寝かせる必要はありません。
- 熱が高くてつらそうな場合は、市販の子ども用解熱剤を、薬剤師や医師の指導に従って適切に使うことはできます。ただし、指示された回数・間隔を守りましょう。
医療治療
医療機関では、原因となった感染症に応じた治療が行われます。細菌感染が疑われる場合は抗生物質(こうせいぶっしつ)が処方されることがあります。ウイルス感染が原因の場合は、症状をやわらげるお薬が使われることがあります。解熱剤は、お子さんがつらそうなときに限って使われ、アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの成分があります(医師や薬剤師に相談してください)。アスピリンは子どもには使われないため、自己判断で与えないでください。
手術が検討される場合
発熱そのものに対して手術が必要になることはありません。ただし、原因となる病気(例えば重度の炎症や膿瘍など)で外科的な処置が必要になることはまれにあります。
この病気と共に生きる
発熱中は、お子さんの様子をこまめにチェックし、快適に過ごせるようにしてあげてください。熱が下がっても、体調が完全に戻るまでは1~2日かかることがあります。無理をせず、回復を優先しましょう。
生活習慣のアドバイス
- よく眠れる環境を整えます(静かで薄暗くする)。
- 水分補給をこまめに促します。
- お風呂は、熱が高くつらいときはシャワーでさっと済ませ、元気なときは短めに入浴してもかまいません。
- 登園・登校は医師の指示または園・学校の規則に従って再開します。
- 手洗い・うがいを習慣付け、他の人への感染を防ぎます。
食事と運動
発熱中は食欲が落ちるのが普通です。無理に食べさせる必要はありません。水分が取れているかが最優先です。おかゆ、うどん、すりおろしたリンゴなど、消化の良いものを少しずつ与えてください。食欲が出てきたら、食事量を徐々に戻しましょう。運動は、熱が下がってからも1日は控えめにしたほうが安全です。
精神的健康と心の健康
お子さんは、体がつらくて機嫌が悪くなったり、不安になったりすることがあります。親御さんも看病で心配が続くと疲れてしまいます。家事の優先順位を下げ、パートナーや家族に頼ることも大切です。休める時間を作って、自分自身をいたわりましょう。
予防
発熱の原因となる感染症そのものを完全に防ぐことはできませんが、感染リスクを減らすことはできます。手洗いやうがい、十分な睡眠とバランスのよい食事で免疫力を保つことが大切です。
ワクチン
日本では、インフルエンザや肺炎球菌、ヒブなど、子どもの発熱の原因となる感染症を予防できるワクチンが定期接種として受けられます。厚生労働省の予防接種スケジュールに従って、漏れなく接種することをおすすめします。
検診プログラム
発熱そのものを予防するための検診はありません。しかし、定期の予防接種や健康診断で、お子さんの体調や発達を把握しておくことは、病気の早期発見と重症化予防に役立ちます。
合併症
治療しない場合
- 水分がとれないことによる脱水症
- 熱性けいれん(多くの場合、後遺症は残りませんが、適切な対応が必要)
- 細菌感染が広がり、肺炎や髄膜炎などの重症感染症になるリスク
- ごくまれに、川崎病など重大な病気を見逃してしまう可能性
長期的な見通し
ほとんどの子どもは、数日から1週間程度で元気に回復します。特に、生後3か月以上の子どもで、水分がとれて機嫌が良ければ、心配のない経過をたどることが多いです。熱が高くても、お子さんの様子が落ち着いていれば、慌てずに自宅で見守って大丈夫です。正しい知識をもって、必要に応じて医療機関に相談しましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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