TURP概要
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
TURP(経尿道的前立腺切除術)は、前立腺(せん)が大きくなったために起こる排尿(にょう)のトラブルを改善するための手術です。尿道(にょうどう)と呼ばれる尿の通り道を通して、大きくなった前立腺の一部を切除します。
重要な事実
- TURPは、前立腺肥大症(ぜんりつせん ひだいしょう)の治療で最もよく行われる手術の一つです。
- この手術は、全身麻酔(ぜんしん ますい)または腰椎麻酔(ようつい ますい)で行われます。
- 手術時間は通常1時間から1時間半程度です。
- 入院期間は個人差がありますが、数日から1週間程度が一般的です。
- 手術後は一時的に尿に血液が混じることがありますが、時間とともに改善します。
TURPは、前立腺肥大症の手術治療として世界中で広く行われています。日本では、厚生労働省(こうせいろうどうしょう)のデータによると、年間数万件の手術が実施されています。
TURPは主に、前立腺肥大症の症状が強く、薬の治療で十分な効果が得られなかった50歳以上の男性に対して行われます。
症状
- 突然、尿がまったく出なくなった(急性尿閉)
- 尿に大量の血が混じり、痛みを伴う
- 排尿時に激しい痛みがある
- ⚠排尿の症状が急に悪化した
- ⚠尿路感染症(にょうろ かんせんしょう)の疑いがある(発熱、排尿時の痛みなど)
- ⚠薬の副作用が疑われる症状がある
一般的な症状
- 排尿(にょう)の回数が増える(特に夜間)
- 尿が出にくい、または尿の勢いが弱い
- 尿が途中で止まる
- 尿を出し切った感じがしない(残尿感)
- 急に尿がしたくなり、我慢できない(尿意切迫)
高齢者の症状
- 高齢者では、前立腺肥大症の症状がさらに進行しやすく、排尿障害が日常生活に大きな影響を与えることがあります。
- 転倒(てんとう)のリスクが高まるため、夜間の頻尿(ひんにょう)には注意が必要です。
原因
主な原因
- 加齢(かれい)による前立腺の自然な肥大
- 男性ホルモン(テストステロン)の影響による前立腺細胞の増殖
リスク要因
- 年齢(50歳以上でリスクが高まる)
- 前立腺肥大症の家族歴
- 肥満(ひまん)
- 運動不足
- 食生活の乱れ(脂質の多い食事など)
- 糖尿病(とうにょうびょう)や心臓病などの持病
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 尿がまったく出なくなった場合
- 排尿時の激痛がある場合
- 尿に大量の血が混じっている場合
定期受診を予約すべき場合:
- 頻尿や尿の出にくさが続き、生活に支障が出ている場合
- 残尿感が気になる場合
- 前立腺の検査をまだ受けたことがない場合
診断
前立腺肥大症(TURPの対象となる状態)の診断は、問診(もんしん)、身体診察(しんたい しんさつ)、およびいくつかの検査を組み合わせて行われます。問診では、排尿の症状やその他の健康状態について詳しく聞かれます。
行われる可能性のある検査
- 問診(症状の評価)
- 直腸診(ちょくちょうしん):医師が肛門(こうもん)から指を入れ、前立腺の大きさや硬さを調べます
- 尿検査(尿中の感染や血液の有無を確認)
- 血液検査(前立腺特異抗原(PSA)の値など、前立腺の健康状態を評価)
- 超音波検査(前立腺の大きさや残尿量を測定)
- 尿流量測定(尿の勢いや量を調べる)
診察で予想されること
検査は通常、外来で行われ、痛みを伴うものはほとんどありません。直腸診は一瞬の圧迫感がありますが、数秒で終わります。医師はあなたの症状や検査結果をもとに、最適な治療方針を相談します。
治療
TURPは、前立腺肥大症の手術治療の一つです。薬物療法(やくぶつ りょうほう)で効果が不十分な場合や、症状が重い場合に検討されます。手術では、尿道から細い器具を入れ、電気メスやレーザーを使って肥大した前立腺組織を切除します。
自宅でのセルフケア
- 水分をこまめに摂る(ただし、就寝前は控える)
- カフェインやアルコールを控える(これらは利尿作用があるため)
- 規則正しい排尿習慣を心がける(トイレに行きたくなったら我慢しない)
- 便秘(べんぴ)にならないように食物繊維を多く摂る
医療治療
前立腺肥大症の治療には、まず薬物療法が行われます。主な薬の種類としては、前立腺や膀胱(ぼうこう)の筋肉を緩めて尿の通りをよくする薬や、前立腺の大きさを縮める働きのある薬などがあります。これらの薬は医師の処方のもとで使用されます。
手術が検討される場合
薬物療法で症状が改善しない場合、副作用が強い場合、または膀胱や腎臓(じんぞう)に障害が及ぶ可能性がある場合に、TURPなどの手術が検討されます。
この病気と共に生きる
TURPを受けた後は、多くの場合、排尿症状が大きく改善します。しかし、手術直後は尿に血が混じったり、尿道に違和感があることがあります。これらの症状は通常、数週間で落ち着きます。完全に回復するまでは、激しい運動や重いものを持つことは避けてください。
生活習慣のアドバイス
- 水分を十分に摂る(1日1.5~2リットルを目安に)
- カフェイン、アルコール、辛い食べ物を控える(膀胱を刺激する可能性があるため)
- 禁煙(たばこ)する(血流を改善し、回復を促進)
- 規則正しい排便(べん)習慣を維持する(便秘は症状を悪化させるため)
食事と運動
バランスの良い食事(野菜、果物、全粒穀物を多く含む)を心がけ、適度な運動(ウォーキングなど)を習慣にしましょう。肥満は前立腺肥大症のリスクを高めるため、適正体重を維持することが大切です。
精神的健康と心の健康
排尿の問題は精神的なストレスや不安を引き起こすことがあります。TURPによって症状が改善すれば、多くの場合、生活の質が向上し、精神的な負担も軽減されます。手術後も気持ちが落ち着かない場合は、医師や家族に相談してください。
予防
前立腺肥大症そのものを完全に予防する方法はありませんが、健康的な生活習慣を維持することでリスクを減らし、症状の進行を遅らせることが期待できます。
検診プログラム
50歳を過ぎたら、定期的に前立腺の検査(血液検査や直腸診など)を受けることが推奨されます。早期発見により、適切な治療を選択しやすくなります。
合併症
治療しない場合
- 尿路感染症(にょうろ かんせんしょう)を繰り返す
- 膀胱結石(ぼうこう けっせき)ができる
- 腎臓(じんぞう)の機能が低下する
- 急性尿閉(きゅうせい にょうへい)による緊急処置が必要になる
長期的な見通し
TURPは多くの場合、排尿症状を大幅に改善し、生活の質を高める効果があります。手術の成功率は高く、ほとんどの人が満足のいく結果を得ています。ただし、個人差があり、まれに合併症(出血、感染、尿失禁、逆行性射精など)が起こる可能性があります。医師としっかり相談し、リスクとベネフィットを理解した上で治療に臨みましょう。術後の経過は良好で、再発率も低いため、希望を持って治療に取り組んでください。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。
Guidance may differ by country or region. Confirm local recommendations with a qualified healthcare provider.