運動後のおなかの痛み(疝痛)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
運動後のおなかの痛み(疝痛)とは、走ったり跳んだりする運動をした後に、お腹やわき腹に起こるつるような痛みのことです。医学的には「運動時一過性腹痛」ともよばれ、多くの子どもに経験があります。痛みの原因は、激しい運動でお腹の中の血流が変わることや、横隔膜(お腹と胸の間にある筋肉)のけいれんと考えられています。
重要な事実
- 運動後のおなかの痛みは、子どもの約3〜4人に1人が経験するといわれるほどよくある症状です。
- ほとんどの場合は一時的で、運動を休んで水分をとると数分から数十分で治まります。
- まれに虫垂炎や胃腸炎など、別の病気が隠れていることもあるため、我慢が続くときは医療機関に相談しましょう。
はい、非常にありふれた症状です。特に学校の体育や部活動で走る機会の多い子どもに多く見られます。
特に小学校高学年から中学生の子どもに多く、運動前に食事をしたり、炭酸飲料を飲んだりした場合に起こりやすいとされています。
症状
- 突然の激しい痛みで動けず、泣き叫ぶ
- 血便や吐血(血を吐く)がある
- 意識がもうろうとして呼びかけに反応しない
- 呼吸が苦しくて息ができない
- ⚠運動をやめて休んでも、痛みが1時間以上続く
- ⚠38℃以上の発熱があり、お腹を押すと痛がる
- ⚠何度も嘔吐(おうと)をくり返す
- ⚠痛みが強いのに、我慢して運動を続けようとする
一般的な症状
- お腹の左右どちらか(特に右わき)に刺すような痛みがある
- 運動しているときに痛みが強くなり、止めると和らぐ
- 息を吸うと痛みが増す
- 痛みがしばらく続くが、休むと自然に消える
子供の症状
- 幼い子どもは「おなかが痛い」と言葉で伝えられず、泣いたり、お腹を抱えたり、うずくまったりして表現します
- 年長の子どもでは「走ると横腹が痛い」と具体的に話すことが多いです
原因
主な原因
- 激しい運動によってお腹への血流が一時的に減り、腸や横隔膜がけいれんする
- 運動前に食べ過ぎたり、飲み過ぎたりして消化器官に負担がかかっている
- 呼吸法がまだうまく身についておらず、浅く速い呼吸になって横隔膜が疲れる
- 準備運動が不十分で、からだが運動に慣れていない
リスク要因
- 食後すぐの運動
- 炭酸飲料や冷たい飲み物を運動前に多く飲む
- 空気が冷たいときや、とても暑いとき
- 脱水気味のとき
- 運動を久しぶりにするとき
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 痛みがどんどん強くなり、お腹を触られると激しく嫌がるとき
- 発熱や嘔吐(おうと)を伴い、ぐったりしているとき
- 痛みのために立っていられない、または深夜まで続くとき
定期受診を予約すべき場合:
- 運動をするたびに痛みがくり返すとき
- 痛みが治まっても、食欲が落ちたり、体重が増えなかったりするとき
- 学校の検診などで気になることを指摘されたとき
診断
医師はまず、いつからどんなときに痛むのか、運動の内容や食事との関係を詳しく聞き、お腹をやさしく触って確認します。多くの場合、これだけで原因の見当がつきます。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(炎症や脱水がないかを調べます)
- 尿検査(腎臓や尿路の問題がないかを調べます)
- 腹部超音波(エコー)検査(お腹の中の臓器の様子をみます)
診察で予想されること
診察は10〜15分ほどで終わることが多く、特別な準備はほぼいりません。子どもが怖がらないように、親がそばで安心させながら受診してください。
治療
治療の基本は「運動を休む」「楽な姿勢で深呼吸をする」「水分を補給する」ことです。多くの場合は特別な薬を使わずに治ります。
自宅でのセルフケア
- 運動をすぐにやめて、座るか横になって休みます
- ゆっくりと大きく深呼吸をします
- 水やスポーツドリンク(医師が許可した場合)を少しずつ飲みます
- 痛む側の腕を上げて伸ばし、体を反対側にゆっくり曲げます
- お腹を冷やさないように、温かいタオルを当てるのも有効です
医療治療
くり返したり重症の場合は、医師の診察のもとで原因に合わせた対処を行います。具体的な薬の名前はここではお伝えしませんが、症状に応じて胃腸の働きを整える薬を使うことはあります。必ず医師または薬剤師の指導に従ってください。
手術が検討される場合
運動後の一過性の痛みに手術は必要ありません。ただし、虫垂炎(もうちょうえん)など、手術が必要な病気が見つかった場合は、その病気自体の治療として手術が検討されます。
この病気と共に生きる
運動後の痛みは、成長とともに呼吸法や体力が身につくにつれて、ほとんど気にならなくなります。痛かったときは無理をせず、休む習慣を身につけましょう。
生活習慣のアドバイス
- 運動前に5〜10分のウォーミングアップを行う
- 運動中もこまめに水分補給をする
- 痛みが出たら、必ず休んで体をクールダウンする
- 痛みがくり返す場合は、運動の強さを調整する
食事と運動
運動の1〜2時間前には食事を済ませ、運動直前の大量の食事や冷たい飲み物は避けましょう。運動中は、水やお茶を少しずつ飲むのがおすすめです。
精神的健康と心の健康
痛みでスポーツを嫌いになってしまう子どももいます。しかし、無理に続けさせるのではなく、「痛くなったら休んでいいよ」と伝えることで、安心して運動に向き合えます。
予防
はい、大きく予防できます。運動前の準備運動をしっかり行い、食事と運動の間隔をとり、水分をこまめに補給することで、運動後のおなかの痛みはかなり減らせます。
ワクチン
この症状を直接予防するワクチンはありません。ただし、かかりつけ医と相談のうえ、定期の予防接種はきちんと受けておきましょう。
検診プログラム
特別な検診は必要ありませんが、痛みをくり返す場合は、自治体の健診や学校の健康診断で相談の機会を利用するとよいでしょう。
合併症
治療しない場合
- 運動を続けると痛みが長引いたり、強い吐き気をともなうことがあります
- まれに、虫垂炎などの別の病気が進行してしまい、緊急手術が必要になることがあります
- 痛みを我慢して運動を続けることで、けがや事故につながる可能性があります
長期的な見通し
運動後のおなかの痛みは、正しく対処すればほとんどの場合、数分から数十分で治まり、後遺症もありません。きちんと休んで水分をとれば、翌日にはまた元気に運動できます。安心して、ゆったりとした気持ちで見守りましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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