成長痛:現れたり消えたりする成長期の痛み
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
成長痛(せいちょうつう)は、主に3〜12歳の子どもにみられる、脚を中心とした痛みのことです。特に夕方から夜にかけて痛みを訴えることが多く、朝には自然に治まっていることがほとんどです。正式には「原因不明の四肢痛」と呼ばれることもありますが、病気ではなく、成長過程の一つの現象と考えられています。
重要な事実
- 夕方から夜にかけて両脚のすねやふくらはぎ、太ももの裏側が痛むことが多い
- 痛みは数分から数十分で、さする・マッサージすると治まることが多い
- 痛みが2〜3日の間隔で現れたり消えたりする
- 朝にはすっかり良くなっているのが典型的なパターン
- 腫れや赤み、熱などの炎症サインを伴わない
とてもよくあるものです。およそ2〜3割の子どもが一度は経験すると言われています。学校や園の健診で取り上げられることもある、ごく一般的な子どもの症状です。
主に3歳から12歳くらいまでの、男女を問わず活発に動く子どもに多くみられます。成長が加速する時期に起こりやすいとされています。
症状
- 痛みが急に強くなり、歩けない・脚を動かせない場合
- 子どもがぐったりして意識がもうろうとしている場合
- 高熱(38℃以上)やけいれんを伴う場合
- 脚に強い腫れや赤み、熱感があり、触れると激しく痛がる場合
- 事故や転倒など、けがが原因で痛みが出た場合
- ⚠昼間も痛がる、または痛みが続いて眠れない
- ⚠片方の脚だけ痛がる
- ⚠関節や骨が腫れている、または触ると強い痛みがある
- ⚠熱や発疹、全身の倦怠感を伴う
- ⚠成長痛にしては長く(2週間以上)続く
一般的な症状
- 夕方から夜にかけて、両足のすね・ふくらはぎ・太ももの裏側に痛みを訴える
- 痛みは数分から数十分続き、その後はケロッとしていることが多い
- 痛みが数日おきに繰り返し、現れたり消えたりする
- 朝には痛みを忘れて元気に動ける
- 痛みの場所をさわっても、熱感や腫れ、赤みはない
- 生活習慣や運動の後に症状が出やすい
子供の症状
- 自分で痛みをうまく説明できない3歳ごろの子どもは、夜にぐずる、号泣する、足を触られるのを嫌がるなどの行動で表現します
- 幼稚園児や低学年の子どもは「足がいたい」「ぴくぴくする」などと話すことがあります
- 特に運動会や遠足、水泳などでたくさん体を動かした日の夜に症状が出やすいです
高齢者の症状
- この症状は子どもの成長期特有のものです。大人に成長痛が起こることはほとんどありません
- 大人で似たような脚の痛みが続く場合は、別の病気(関節や血管・神経の疾患など)を考える必要があるため、早めに医療機関の受診をおすすめします
原因
主な原因
- はっきりとした原因はまだ分かっていません
- 骨の成長速度と筋肉や腱の成長速度のバランスが一時的に崩れる説
- 日中の活発な運動による筋肉の疲労や炎症が関係する説
- 足のアーチ(土踏まず)の発達や姿勢・歩き方が関係するという説
- 遺伝的な要因も関与する可能性が指摘されています
リスク要因
- 活発に走り回る・跳ねるなど運動量が多いこと
- 運動会や部活動など、特定の期間に運動量が大きく増えること
- 日中の疲れがたまっている状態
- 家族(保護者)にも同じような経験がある場合
- 成長が急な時期(身長が伸びる時期)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の「緊急」「要注意」に該当する痛みが出た場合
- 痛みが刻々と強くなり、動かせない場合
- 痛みに加えて発熱や体重減少、食欲不振などの全身症状がある場合
定期受診を予約すべき場合:
- 夜の痛みが何週間も続く場合
- 痛みが子どもの生活や睡眠に影響をしている場合
- 成長のペースや身長・体重の変化が気になる場合
- 保護者が不安な場合、または学校やかかりつけ医に確認したい場合
診断
成長痛の診断は、基本的にお子さんと保護者への問診と体の診察によって行われます。痛みの出る時間帯や場所、症状の経過、朝に治まるかどうかなどを詳しく聞き取り、炎症や感染症、骨や関節の病気でないことを確かめます。
行われる可能性のある検査
- 医師による診察(触診や関節の可動域の確認)
- 血液検査(炎症反応や関節リウマチなどの除外のため)
- X線(レントゲン)検査(骨の異常の有無を確認)
- 必要に応じて整形外科や小児科専門医を紹介されることもあります
診察で予想されること
診察時には、『いつ頃から痛むか』『どの場所が痛いか』『昼間はどうか』『熱や腫れはあるか』などを聞かれます。典型的な成長痛であれば、特別な検査をせずに『こまめに様子を見ましょう』という対応になることが多いです。安心のために、気になることをメモして受診すると良いでしょう。
治療
成長痛には、これを治す特別な治療薬はありません。痛みは自然に治まることがほとんどで、家庭でできるケアが中心です。痛みが強い場合や続く場合には、医師の診察を受け、ほかの病気がないことを確かめた上で、症状に合わせた対処法を行います。
自宅でのセルフケア
- 痛い場所をやさしくさすったり、軽くマッサージする
- ぬるめのお湯での入浴で体を温める
- 寝る前にふくらはぎや太もものストレッチをする
- 日中の激しい運動の後は、十分に休憩をとる
- 夜の寝る前に「大丈夫だよ」と声をかけるなど、安心させる
医療治療
痛みが強くて生活に影響する場合は、医師の指導のもとで、安全に使える鎮痛薬が検討されることがあります。ただし、市販薬を保護者の判断で使うのは避け、必ず医師や薬剤師に相談してください。また、子ども用の使い方・容量を守り、長期使用はしないようにします。
手術が検討される場合
成長痛に対して手術が必要になることはありません。もし検査で別の病気が見つかった場合でも、その病気に対する治療法は医師が説明してくれます。
この病気と共に生きる
成長痛は病気ではなく、経過が良いことがほとんどです。痛みのない日は普段どおりに遊んでかまいません。痛みがある夜は、お子さんの気をそらす・あたたかく見守ることで、不安や痛みが和らぎやすくなります。
生活習慣のアドバイス
- 痛みのない日は通常どおりに活動してOK
- 夕方から夜にかけて激しい運動をするのはほどほどにする
- 決まった時間に寝て、十分な睡眠をとる
- 入浴やストレッチで体をリラックスさせる
- 脚を冷やしすぎないようにする
食事と運動
特別な食事や栄養補助食品は必要ありません。バランスのよい食事(カルシウム、たんぱく質、ビタミンDを含む食品など)と、十分な睡眠、適度な運動が子どもの健康な成長を支えます。
精神的健康と心の健康
痛みの夜は、子どもがぐずったり不安になったりすることもあります。しかし、多くの場合、朝にはケロッとしています。保護者が焦らず寄り添うことで、子どもは安心して自然な成長の過程を乗り越えられます。
予防
成長痛そのものを完全に予防する方法は明らかになっていません。しかし、日頃から疲れをためず、よく遊び、よく休むという生活リズムを整えることで、痛みの出現を和らげられる可能性があります。
ワクチン
成長痛と予防接種には直接的な関係はありません。通常の予防接種スケジュールは守り、かかりつけ医に相談しながら接種してください。
検診プログラム
学校や園で身長・体重の測定が定期的に行われます。成長の様子が心配な場合は、母子手帳の成長曲線を確認したり、かかりつけ医に相談したりすると安心です。特別な検診は必要ありません。
合併症
治療しない場合
- 成長痛自体は自然に良くなることがほとんどで、重い合併症はまれです
- しかし、もし成長痛と似た症状の別の病気(骨腫瘍や感染症など)が隠れていた場合、放置すると症状が進行する可能性があります
- 自己判断で対処せず、気になる症状があれば医師に相談することが大切です
長期的な見通し
成長痛は成長とともに自然に改善します。多くのお子さんは数ヶ月から数年で症状が落ち着き、後遺症や長期的な問題を残すことはほとんどありません。心配しすぎず、お子さんの成長を見守る気持ちで接してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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