長く続く病気と向き合う子どもを支える—学齢期の慢性疾患
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
学齢期(小学生から中学生ぐらいの年齢)の子どもに、長い間にわたって続く健康上の問題があることをいいます。ぜんそくやアレルギー、てんかん、糖尿病など、すぐに治らず何か月も、ときには何年もおつきあいを続ける病気のことを指します。
重要な事実
- 慢性(まんせい)とは、一般的に3か月以上続く症状や病気のことです。
- 多くの慢性疾患は、治療と生活の工夫でコントロールしながら、元気に学校生活を送ることができます。
- 家庭・学校・医療が力を合わせることが、子どもの安心と成長につながります。
決して珍しいことではありません。日本の学齢期の子どものうち、数人に1人は何らかの慢性的な健康問題を抱えているとされています。
小学生から中学生のすべての子どもに起こり得ます。体質や環境によって、特定の子どもに現れやすい病気もありますが、特別な子どもだけの問題ではありません。
症状
- 呼吸が止まる、ゼーゼーして息ができない(すぐに119番を呼んでください)
- けいれんが5分以上続く、または短くても何度も起きる(すぐに119番を呼んでください)
- 呼びかけても意識がはっきりしない、返事がない(すぐに119番を呼んでください)
- アレルギーを起こして、のどや顔が腫れて息が苦しそう(すぐに119番を呼んでください)
- ⚠38度以上の熱が3日以上続く
- ⚠激しい頭痛や吐き気が続く
- ⚠水分が取れず、ぐったりしている
- ⚠いつもと違う行動や様子が見られる
一般的な症状
- 長引くせきや息苦しさ
- 繰り返す発熱や下痢、おう吐
- 強い疲れやすさ、元気がない
- 食事が進まず、体重の増えが悪い
- けいれんや意識を失うような発作
子供の症状
- 学校を休みがちになる
- 運動の時間になると体調が悪くなる
- おなかや頭が痛いとよく言う
- 友達と遊ぶことを避けるようになる
- 授業中に集中できない、居眠りが多い
原因
主な原因
- 体の免疫の働きが過剰になるアレルギー疾患
- 生まれつきの体質や遺伝的な要因
- 感染症がきっかけとなって起こる病気
- 原因がはっきりしないことも多い
リスク要因
- 家族に同じような病気の人がいる
- 早産や低出生体重で生まれた
- たばこの煙や花粉などの環境因子が多い
- 不規則な生活や慢性的な睡眠不足
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 今まで経験したことのない強い症状が突然現れた
- けいれんや意識障害があり、回復が遅い
- 息苦しさや胸の痛みがある
定期受診を予約すべき場合:
- 気になる症状が2週間以上続く
- 身長や体重の成長がゆっくりで気になる
- 学校の健康診断で再検査をすすめられた
- 慢性疾患による定期的な通院が必要なとき
診断
小児科医が、お子さんの症状やこれまでの経過、生活の様子をていねいに聞き、必要な検査を組み合わせて診断します。診断には時間がかかることもありますが、あわてずに進めます。
行われる可能性のある検査
- 問診(症状や生活の様子を話すこと)
- 身体診察(聴診器で胸の音を聞くなど)
- 血液検査や尿検査
- アレルギー検査や画像検査(X線など)
- 心電図、脳波など、症状に応じた検査
診察で予想されること
診断の段階で、かかりつけの小児科医から専門の病院を紹介されることもあります。治療や生活の工夫については、医師や看護師、学校の先生と一緒に考えていきます。
治療
治療の目的は、症状をゼロにすることだけではなく、お子さんが学校や家庭で無理なく暮らし、成長していくことを支えることです。病気の種類や重さによって、治療方法は一人ひとりに合わせて決められます。
自宅でのセルフケア
- 規則正しい睡眠と食事で生活リズムを整える
- 症状を悪化させるきっかけ(アレルゲンや過労など)を避ける
- 学校の先生や養護教諭に病気のことを伝え、協力してもらう
- 治療のことだけでなく、お子さんの気持ちも話し合う機会をつくる
医療治療
治療法は病気によってさまざまです。薬を使う治療、生活習慣を整える治療、リハビリテーションなどがあります。薬を使う場合は、医師がお子さんの年齢や症状に合わせて内容を決めます。医療機関の指示に従い、自己判断で中断しないことが大切です。
手術が検討される場合
多くの慢性疾患では手術は必要ありません。ただし、心臓の病気やてんかんの一部など、特定の病気では専門の病院で手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
慢性疾患があっても、多くのお子さんは普通に学校に通えます。通学や体育、遠足などの行事について、事前に学校と相談し、お子さんが無理なく参加できる方法をみつけましょう。
生活習慣のアドバイス
- 毎日同じ時間に起きて、同じ時間に寝る
- お薬の管理は大人が見守り、決まった時間に飲む
- 症状が出るきっかけをメモしておく
- 学校行事の前には、体調を見ながら計画する
食事と運動
医師から特別な指示がない限り、極端な食事制限は必要ありません。バランスのよい食事と、症状のないときの適度な運動は、子どもの体と心の健康を支えます。運動については、学校の先生と安全な範囲を相談しておきましょう。
精神的健康と心の健康
長く続く病気は、子ども自身も家族も、不安や疲れを感じることがあります。「みんなと違う」と感じてつらい思いをすることもあります。子どもの気持ちに耳を傾け、感じたことを否定せずに受け止めることが大切です。
予防
すべての慢性疾患を予防することはできません。しかし、症状の悪化を防いだり、合併症を起こさないようにする工夫はできます。
ワクチン
予防接種は、感染症から子どもを守る大切な方法です。慢性疾患のある子どもは特に、体調のよい時に接種できるよう医師と相談しましょう。
検診プログラム
学校の健康診断や地域の定期健診は、病気や成長の問題を早くみつける機会です。必ず受けるようにしましょう。
合併症
治療しない場合
- 学校を休むことが増えて、学習や友人関係に遅れが出る
- 症状が悪化して、入院が必要になることがある
- 思春期になると治療を中断しやすくなり、病気がぶり返すことがある
- 子どもが「自分はできない」と自信を失いやすい
長期的な見通し
慢性疾患は長く続きますが、医療と周囲のサポートが整えば、多くのお子さんが元気に学校生活を送り、将来の夢に向かって成長していけます。あせらず、一歩ずつ支えていきましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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