夜尿症(おねしょ)って何?小学生の子どもの夜のおねしょ
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
夜尿症(やにょうしょう)とは、通常は排尿をコントロールできるようになる年齢(5歳ごろ)を過ぎた子どもが、寝ている間に無意識のうちに尿を漏らしてしまう状態です。いわゆる「おねしょ」のことです。
重要な事実
- 小学生のおよそ10人に1人が夜尿症を経験すると言われています。
- 多くの場合は成長とともに自然に治りますが、適切な対応で早く改善できます。
- 子どもを責めず、本人の自信を守ることが何より大切です。
はい、とてもよく見られるものです。5歳の子どもの約15%、小学生では約10%が該当し、学年が上がるにつれて自然に減少していきます。
5歳から学齢期の子どもに多く見られ、男の子にやや多い傾向があります。両親のどちらかが夜尿症だった場合にも起こりやすいと言われています。
症状
- 尿がまったく出ず、おなかの激しい痛みや嘔吐がある
- 意識がもうろうとする、けいれんを起こす
- 頭を強く打ったあとにおねしょが始まった
- ⚠おしっこの回数や量が急に増え、のどの渇きや体重減少がある
- ⚠おしっこをするときに痛みがあり、発熱もともなう
- ⚠日中もおもらしをしたり、足の力が弱くなったりする
一般的な症状
- 夜寝ている間におねしょを繰り返す
- 日中はトイレにきちんと行けるのに、夜だけ尿を漏らす
- 自分ではなかなか目が覚めず、濡れたことに気づかない
子供の症状
- 5歳を過ぎても月に数回以上、夜のおねしょがある
- 小学校に入学してもおねしょが続いている
- おねしょのあとに深く眠っていて、本人が覚えていない
原因
主な原因
- 夜間に尿を濃くするホルモン(抗利尿ホルモン)の分泌が十分でないために、夜の尿量が多くなる
- 膀胱が小さかったり、眠りが深すぎて尿意で目が覚めなかったりする
- 便秘があると膀胱を圧迫して、おねしょを起こしやすくなる
リスク要因
- 両親のどちらかが夜尿症だった(遺伝的な要素)
- 便秘がちである
- いびきや睡眠時無呼吸がある
- 引っ越し・入学・きょうだいの誕生など、環境の変化によるストレス
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 6歳以降も月に1回以上おねしょが続いている
- 急におねしょが始まった(特に日中のもらしも伴う場合)
- おしっこの痛み・発熱・のどの渇き・体重減少などの気になる症状がある
定期受診を予約すべき場合:
- 子ども自身がおねしょを気にして、自信を失っている
- 家族でどのように対応すればよいか知りたい
- お泊まりや遠足など行事を控えていて、対策を相談したい
診断
医師が子どもの成長や生活習慣について話を聞き、必要に応じて尿検査などを行います。あらかじめ「おねしょの回数」「おしっこの量」「日中のトイレの様子」「排便の様子」をメモしておくと診察がスムーズです。
行われる可能性のある検査
- 尿検査(尿路感染症や糖尿病のチェック)
- 排尿日誌(いつ、どのくらいの量のおしっこをしたかを数日間記録)
- 必要に応じて、膀胱の超音波(エコー)検査など
診察で予想されること
診察では、お子さんの成長や生活習慣、家族の様子も一緒に確認します。特別な病気がなければ、まずは生活指導と便秘のコントロールから始めます。医師は子どもがリラックスできるよう配慮してくれます。
治療
治療の基本は、子どもを責めず、生活習慣を整え、本人の自信を育てることです。学校行事やお泊まりが近い場合には、より積極的な治療を希望されることもあります。治療は子どもの年齢や生活に合わせて、段階的に進められます。
自宅でのセルフケア
- 寝る前に水分(お茶・ジュースなど)をとりすぎない
- 寝る前には必ずトイレに行く習慣をつける
- 夜中に起こす場合は、決まった時間に1回だけにし、起こしすぎない
- おねしょをしても叱らず、できた朝にはしっかりほめる
- 便秘がある場合は、食物繊維や水分を十分にとり、排便リズムを整える
医療治療
治療には、おしっこの量を調整するお薬や、膀胱の働きを整えるお薬が使われることがあります。これらは必ず医師の処方と説明のもとで使用されます。また、おねしょをしたときにアラームで知らせて、尿意で目が覚める感覚を育てる「夜尿アラーム」という治療法もあります。どの方法が合うかは医師と相談して決めます。
手術が検討される場合
手術が必要になることはほとんどありません。ごくまれに、尿路の形(構造)の異常や神経の病気が原因の場合に、治療の一環として手術が検討されることがありますが、通常の夜尿症では手術は行いません。
この病気と共に生きる
夜尿症は子どもの「努力が足りない」のではなく、成長の個人差によるものです。防水シーツを敷く、パジャマをすぐ着替えられるように準備するなど、暮らしの工夫で家族の負担を減らしましょう。お泊まりのときは前もって準備をし、友だちや先生と一緒に考えられる方法を相談するのもよい方法です。
生活習慣のアドバイス
- 食事・睡眠・排便のリズムを整え、規則正しい生活を心がける
- 寝る前はテレビやゲームを控え、ゆったりと過ごす
- 水分は日中にしっかりとり、寝る直前は控えめにする
- おねしょの処理は、子どもを責めずに淡々と一緒に行う
- きょうだいや周囲の大人がからかわないように家族で守る
食事と運動
特別にこれだけで治る食事はありません。しかし便秘を防ぐために、野菜、果物、海藻などの食物繊維を十分にとりましょう。日中に体をしっかり動かすことも、夜の睡眠リズムを整え、トイレの感覚を育てるのに役立ちます。
精神的健康と心の健康
おねしょを繰り返す子どもは、「自分はだめだ」と自信を失ってしまうことがあります。家族に責められるとさらに強いストレスになります。小さな進歩を見つけてほめ、自己肯定感を育てることが治療の大きな助けになります。気分の落ち込みや不安が続くときは、小児科医や学校のスクールカウンセラーなど専門家に相談してください。
予防
夜尿症そのものを完全に予防することはできません。しかし、便秘を改善し、水分をとる時間帯や睡眠リズムを整えることで、症状を軽くしたり、早く改善したりすることができます。
ワクチン
おねしょを直接予防するワクチンはありません。
検診プログラム
夜尿症は成長に伴い自然に改善することが多いため、特別な検診制度はありません。学校の健康診断で見つかることは通常ありませんが、気になる場合はいつでもかかりつけ医に相談してください。
合併症
治療しない場合
- 子どもの自信や自己肯定感が低下することがある
- お泊まりや修学旅行など学校行事に参加しにくくなることがある
- まれに、尿路感染症や腎臓の病気が隠れている場合がある
長期的な見通し
夜尿症は多くの場合、小学校高学年ごろまでに自然に改善します。適切な生活指導や治療、あたたかい家族のサポートがあれば、ほとんどの子どもがやがておねしょをしなくなります。あせらず、子どもを信じて関わることが何よりの近道です。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。