子どもの脊柱側弯症(背骨の左右のカーブ)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
脊柱側弯症とは、背骨(脊椎)が左右どちらかに曲がってしまう病気です。正面から見たときに、背骨がアルファベットの「S」や「C」のような形になることがあります。成長期の子どもに見られることが多く、学校検診で見つかることもよくあります。
重要な事実
- 脊柱側弯症の多くは原因がはっきりしない「特発性」で、特に思春期の子どもに多いです。
- 軽い側弯症は痛みがなく、気づかないこともあります。
- 曲がりが大きい場合でも、早期発見と適切な経過観察が大切です。
保健所や小児科の報告によると、学校検診で指摘される子どもは100人に数人ほどです。多くは軽症で、治療が必要になるのはその中の一部です。
主に10歳から15歳くらいの成長期の子どもに多く、特に女の子の方が男の子よりやや多いとされています。
症状
- 急に足に力が入らない、または足がしびれて動かせない
- 排尿や排便が急にできなくなった
- 強い背中の痛みとともに発熱や全身の不調がある
- 転倒などがなく突然、脚や足にまひのような症状が出た
- ⚠背中の曲がりが数か月で急に大きくなった
- ⚠背中や腰の激しい痛みを訴える
- ⚠呼吸がしにくい、または息苦しさがある
- ⚠毎日の動きづらさや疲労感で学校生活に支障が出ている
一般的な症状
- 片方の肩がもう片方より高く見える
- 背中を丸めると左右のウエストや肩の高さが違って見える
- 片方の肩甲骨がもう片方より突出している
- 前から見て体が左右に傾いているか、腰の線が非対称に感じられる
子供の症状
- 身長が伸びる時期に曲がりが目立ちやすくなります
- 痛みを感じることは少ないですが、長時間座ると疲れやすかったりします
- 衣服の着方や靴の減り方で左右差が出ることがあります
高齢者の症状
- 大人では、長年の姿勢の崩れから背中や腰の痛みを感じやすくなることがあります
- 曲がりが強い場合、背中や腰の負担が増えて慢性の痛みにつながることがあります
原因
主な原因
- 原因がはっきりしない「特発性脊柱側弯症」が最も多く、思春期によく見られます
- 生まれつき背骨の形に異常がある「先天性脊柱側弯症」
- 脳性まひや筋肉の病気などが原因で起こる「症候性・神経筋性脊柱側弯症」
リスク要因
- 家族に脊柱側弯症の人がいる
- 成長が早い時期(特に10歳から15歳)
- 神経や筋肉の病気を抱えている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 背中の曲がりが急速に大きくなるのを感じる
- 背中や腰の強い痛みが続く
- 足のしびれ・力が入りにくい・排尿や排便の異常など神経のトラブルが疑われる
定期受診を予約すべき場合:
- 学校健診で『側弯の可能性があります』と指摘された
- 家で片方の肩の高さや背中の左右差に気づいた
- 背中の形や姿勢が気になり始めた
診断
医師による診察が基本です。まず前かがみになって背中や腰の左右の高さを確認します(前屈試験)。その後、背骨の全体をくわしく調べるためにレントゲン(X線)検査を撮ることが一般的です。
行われる可能性のある検査
- 背骨のレントゲン:曲がりの角度や位置を正確に測定します
- 視診・触診:肩の高さ、ウエストの左右差、背中のふくらみを確認します
- 必要に応じてMRIやCT検査が行われることもあります(神経の問題や骨の形の異常を調べるため)
診察で予想されること
小児科や整形外科の診察では、身長や体重、体の左右差をチェックされ、必要ならレントゲン検査を受けます。診断がついたら、患者さんや家族と話し合いながら、経過観察か治療方針を決めます。
治療
治療方針は、子どもの年齢・曲がりの大きさ・曲がりが進むリスクによって決まります。成長期の子どもでは、曲がりが進行しやすいため、定期的な観察と適切な対応が重要です。
自宅でのセルフケア
- 医療機関で決められた期間ごとの受診・経過観察を続けます
- 毎日の姿勢や体操、ストレッチを生活に取り入れましょう
- リュックサックは両方の肩でしっかりと背負うようにします
- 体を動かすことが大切ですが、痛みや負担が大きい運動は医師と相談してください
医療治療
治療法としては、大きく「装具療法」「理学療法」「外科的治療」があります。軽度から中等度の曲がりでは、進行を防ぐために体幹を固定する装具(体の形に合ったコルセット)を一定期間装着することがあります。また、理学療法士の指導のもとで姿勢や体幹の筋力トレーニングを行うこともあります。使用する装具や治療の流れは専門医が個別に決めます。
手術が検討される場合
曲がりが進行しやすい性質があったり、強い痛みや呼吸に影響が出るような重度の側弯症の場合、手術(背骨を固定する手術など)が検討されることがあります。手術は専門の整形外科医と十分に相談して決めます。
この病気と共に生きる
側弯症があっても、多くの子どもは普段どおりの生活や学校活動を送ることができます。大切なのは、定期的な健康チェックと、体の変化を家族で見守ることです。装具を使う場合は、装着時間を守りながら過ごしてください。
生活習慣のアドバイス
- 毎日の姿勢(立っているとき・座っているとき)に気をつける
- 適度な運動や体を動かす遊びを続ける:水泳やウォーキングなどがよいと言われます
- 長時間同じ姿勢を続けないようにし、休憩を入れる
- 学校の椅子や机の高さを自分に合わせる
食事と運動
骨の成長を助ける栄養を考えて、バランスのよい食事をとりましょう(特にカルシウムやビタミンDを意識した食品)。運動は、ストレッチや軽い全身運動を中心に無理のない範囲で行います。激しいスポーツは医師の許可があれば楽しめます。
精神的健康と心の健康
体の左右差や装具の見た目が気になり、子どもが自信を失ってしまうことがあります。家族は子どもの話をよく聞き、『あなたの体は大切なものだ』と伝えることが支えになります。もし気分の落ち込みが続く場合は、学校の相談室や医師に相談しましょう。
予防
特発性脊柱側弯症の多くははっきりとした予防法がなく、日頃の姿勢だけでは完全には防げないとされています。ただし、早期発見がとても大切です。学校検診をしっかり受け、気になる変化があれば早めに受診しましょう。
ワクチン
側弯症と予防接種との間に関係はないため、特におすすめのワクチンはありません。一般的な定期接種は年齢に沿って受けてください。
検診プログラム
学校では定期的に脊柱側弯症の検査(学校健診の運動器検診)が行われます。ご家庭でも、背中の左右差の有無を月に1回程度チェックするのもよい方法です。
合併症
治療しない場合
- 曲がりが進行して見た目の変化が目立つことがある
- 成長が止まるまでに曲がりが大きくなると、背中や腰の痛みが残りやすい
- 極めて重度の場合、肺(呼吸)や心臓に影響を及ぼす可能性がある
長期的な見通し
多くの軽度の側弯症は治療が必要なく、普通の生活を問題なく送れます。早期に見つけて経過を観察すれば、進行したとしても適切な対応が可能です。側弯症があっても、運動や将来の仕事など人生はしっかりと楽しめるという希望を持ってください。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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