子どもの歯が生えるとき(ていーシング)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
ていーシングとは、赤ちゃんの乳歯が歯ぐきを突き破って生えてくる自然な過程のことです。この時、歯ぐきがむずがゆくなったり、痛んだりして、赤ちゃんがぐずったり、よだれが増えたりすることがあります。
重要な事実
- 歯が生えるのは通常、生後6か月から1歳ごろ始まります。
- 軽いむずがゆい感覚や機嫌の悪さはよくありますが、高熱の原因にはなりません。
- 歯が生える時期や順序は子どもによって大きく異なります。
とてもよくあることです。すべての赤ちゃんにいつか必ず見られる自然な成長の一つです。
主に生後6か月から2歳ごろまでの乳幼児です。早い子では生後3か月ごろから、遅い子では1歳を過ぎてから始まることもあります。
症状
- 息がしにくそう、胸がゼーゼーするなどの呼吸困難がある(119番に連絡してください)
- けいれんが5分以上続く、または意識がない(119番に連絡してください)
- 呼びかけに反応せず、ぐったりしている(119番に連絡してください)
- ⚠38.5℃以上の高熱がある
- ⚠水分を全く飲めず、唇が乾いている
- ⚠何度も吐き、尿の量が少ない
- ⚠全身に赤い発疹や点状の出血が広がる
一般的な症状
- よだれがいつもより多くなる
- 歯ぐきが赤く腫れる
- 手やおもちゃなどをやたらと噛む
- 機嫌が悪くなってぐずる
子供の症状
- 夜間の睡眠が浅くなり、目を覚ます回数が増える
- 頬やあごに、よだれによるかぶれができることがある
- 母乳やミルク、離乳食を嫌がることがある
- 耳の近くの神経に痛みが響き、顔をこすったり耳を触ったりすることがある
原因
主な原因
- 乳歯が歯ぐきの中から表面に向かって押し出される自然な過程です。
- 歯ぐきの組織が少し傷つき、炎症(腫れ)が起こることがあります。
リスク要因
- 月齢(生後6か月~1歳ごろ)
- 遺伝:家族の歯が生える時期が早い・遅いと影響することがあります
- 早産児は歯が生える時期が遅くなることがあります
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 高熱(38℃以上)がある、または熱が3日以上続く
- 水分が取れず、ぐったりしている
- 思い当たる転倒やけががなくても、血が混ざったよだれや歯ぐきからの出血が続く
- けいれんや赤い発疹が出た
定期受診を予約すべき場合:
- 1歳半を過ぎても1本も歯が生えてこない
- 歯の生え方に左右の偏りが目立ち、心配がある
- 歯ぐきに白いできものや腫れが繰り返している
診断
医師が赤ちゃんの歯ぐきの状態を見て、症状の経過を聞くことで診断します。特別な検査はほとんど必要ありません。
行われる可能性のある検査
- 発熱や下痢などがある場合は、感染症(突発性発疹や風邪など)を調べるために血液検査や尿検査、のどぬぐい検査が行われることがあります。
- 歯の生え方自体に問題がありそうな場合は、歯科医によるレントゲン検査を勧められることがあります。
診察で予想されること
診察室では、赤ちゃんの機嫌や体重、水分摂取量、熱の有無などを詳しく聞かれます。診察は短時間で終わることが多く、お家でのケアのポイントを伝えてもらえます。
治療
ていーシングは病気ではないため、薬で「治す」ものではなく、赤ちゃんの不快感をやわらげることが目的になります。まずは痛みやむずがゆさの原因となる歯ぐきを冷やす・マッサージするなどのお世話から始めましょう。
自宅でのセルフケア
- 清潔な指やガーゼで、歯ぐきを軽く円を描くようにマッサージする
- 冷やした(凍らせない)固めの歯がためリングを噛ませる
- 濡らして冷やしたガーゼや清潔なタオルを噛ませる(のどに詰まらない大きさに注意)
- よだれでかぶれている場合は、食べても安全な保湿クリームでお手入れする
医療治療
病院で処方される場合は、主に小児用の解熱鎮痛薬が使われることがありますが、必ず小児科医の指示に従いましょう。市販薬を使う場合は、薬剤師や医師に年齢と月齢を伝えて相談してください。
手術が検討される場合
歯が生えることによって外科手術が必要になることはありません。ただし、まれに歯ぐきが厚くて歯がなかなか生えてこない場合や、歯の位置が異様にずれている場合は、専門の歯科医への紹介が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
普段の生活リズムを変えないことが大切です。ぐずる時は抱っこや歌などで気をそらし、日中はたくさん遊んで、夜はしっかり眠れるようにしましょう。睡眠が足りないとぐずりが増えることもあります。
生活習慣のアドバイス
- 歯が生える前から、口と歯ぐきを清潔に保つ習慣をつける(まだ歯がなくても、ベビー用ガーゼで拭く)
- 噛ませるものは、清潔で安全なものに限る(細菌の繁殖を避ける)
- 保湿ケアをして、よだれや摩擦から肌を守る
食事と運動
離乳食が始まっていれば、冷たいヨーグルトやバナナ、蒸した野菜など、歯ぐきにやさしく噛みごたえのあるものを少しずつ試してもよいでしょう。無理強いせず、赤ちゃんの様子を見ながら進めてください。
精神的健康と心の健康
夜中に何度も起きる日が続くと、親は寝不足になり、イライラしたり不安になったりしやすいものです。丈夫な赤ちゃんの成長ととらえ、パートナーや家族と育児を分担して、ひとりの時間を少しでもつくるようにしてください。
予防
歯が生えることは成長の一環であり、予防はできません。むしろ、この時期に正しいお手入れを身につけることが、将来の口の健康につながります。
ワクチン
ていーシングそのものに予防接種はありません。ただし、乳幼児の定期予防接種(ロタウイルス、肺炎球菌など)は、生後2か月から決められたスケジュールで受けることが推奨されています。
検診プログラム
1歳6か月健診や3歳児健診などの乳幼児健診では、歯の生え方やう歯(むし歯)の有無もチェックされます。定期的に健診を受け、心配ごとは早めに相談しましょう。
合併症
治療しない場合
- 清潔にしていない歯ぐきから細菌が入り、口内炎(ただれ)ができることがある
- 痛みが続くと授乳や離乳食の量が減り、体重が増えないことがある
- よだれかぶれを放置すると、皮膚が荒れてかゆみが強くなることがある
長期的な見通し
たいていの赤ちゃんは、歯がなるべく生えてくると症状がおさまります。一時的に大変でも、この時期は決して長くは続きません。心配な変化があれば医療機関を受診し、親子で無理せず乗り越えていきましょう。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。