横になると痛みが強くなる「歯が生えるときの痛み」
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
乳歯(子どもの歯)が生えるとき、歯ぐきがむずがゆくなったり、痛んだりすることがあります。この痛みが横になると強く感じられることがあります。横向きで寝ると耳や鼻の圧力が変わるためです。ただし、横になると痛みが強まる場合は、歯ぐき以外に耳の感染症(中耳炎)などがかくれていることもあるため、注意が必要です。
重要な事実
- 乳歯はふつう生後6か月ごろから生え始め、3歳ごろまでに生えそろうことが多いです。
- 横になって痛みが強くなるのは、歯ぐきだけでなく耳や鼻の圧力が関係していることがあります。
- 薬を使う場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。自分で判断して使わないことが大切です。
歯が生えるときの不快感はほとんどの赤ちゃんで見られます。夜寝るときや横になるときにぐずることはよくありますが、その多くは一時的です。
主に生後6か月から3歳ごろまでの乳幼児です。個人差が大きく、早い子では生後3か月ごろから前ぶれが見られることもあります。
症状
- 呼びかけに反応しない、ぐったりしている
- 呼吸が苦しそう、または息が止まるような瞬間がある
- けいれん(ひきつけ)を起こしている
- 唇や顔色が青白い、または紫色になっている
- こうした場合はすぐに119番で救急車を呼んでください。
- ⚠39度以上の発熱が続く
- ⚠水分が取れず、おしっこの回数が減る
- ⚠激しく泣き続けて、なかなか泣きやまない
- ⚠耳から膿(うみ)のような液体が出る
- ⚠歯ぐきが強く腫れて、うみのようなものが出ている
一般的な症状
- 歯ぐきが赤く腫れる
- よだれが増える
- 固いものをかみたがる
- 機嫌が悪くなる
- 夜中に目を覚まして泣く
子供の症状
- 横になると痛がって泣いたり、ぐずったりする
- 耳を触る、引っ張る
- 食事やミルクの飲みが落ちる
- 軽い微熱が出ることがある(高い熱が続く場合は別の原因を考える)
高齢者の症状
- このテーマは子どもの症状のため、高齢者にはあてはまりません。大人や高齢者で横になると痛みが強まる場合は、歯・耳・のど・胃などの病気が考えられるため、医療機関で相談しましょう。
原因
主な原因
- 乳歯が歯ぐきを突き破るときに起こる炎症と圧迫
- 横になることで耳と鼻をつなぐ耳管(じかん)の圧力が変わり、耳の痛みを感じやすくなる
- よだれがのどにたまりやすくなり、のみ込みづらさやむせる感じが出る
リスク要因
- 生後6か月から3歳ごろまでの乳歯が生える時期
- 鼻水・鼻づまりがある
- 耳の感染症(中耳炎)になりやすい月齢
- 寝かしつけのときに哺乳びんをくわえたまま寝てしまう習慣
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 横になると激しく泣いて、痛みがひどそう
- 耳を強く引っ張り、夜も眠れない
- 高い熱が出ている、または熱が長引く
- 水分をほとんど取らない
- 耳から液体が出ている
定期受診を予約すべき場合:
- 歯ぐきの腫れや痛みが1週間以上続く
- 機嫌が悪い日が続く
- 離乳食や食事をいつもより極端に食べない
診断
医師がお子さんの様子を聞き、歯ぐき・口の中・耳・鼻・のどを診て判断します。横になると痛みが強くなる場合は、中耳炎などがかくれていないか、耳鼻科的な診察も大切です。
行われる可能性のある検査
- 歯ぐきや口の中の視診
- 耳の中の観察(鼓膜の確認)
- 鼻やのどの診察
- 必要に応じて耳の圧力を測る検査(ティンパノメトリー)
診察で予想されること
特別な採血やレントゲンは基本的にありません。診察は数分で終わることがほとんどです。痛みが強くて泣いている場合は、保護者がだっこして落ち着かせながら診察を受けるとよいでしょう。
治療
治療の基本は、歯ぐきのむずがゆさや痛みをやわらげるお世話です。原因が耳や鼻の病気の場合は、その病気に合わせた治療が必要です。薬を使う場合は、必ず医師や薬剤師の指示に従ってください。
自宅でのセルフケア
- 清潔な指またはガーゼで歯ぐきをやさしくマッサージする
- 冷やした(凍らせすぎない)歯固めをかじらせる
- 清潔なおしぼりを冷やして歯ぐきに当てる
- よだれで口のまわりがかぶれないように、こまめにやさしくふき取る
- 寝かせる前に鼻づまりがあれば、鼻をやさしく吸引して楽にしてあげる
医療治療
医師が原因を診て、歯ぐきの炎症や耳の病気の程度に合わせて治療方針を説明します。必要に応じて炎症や痛みを和らげる薬や感染症の治療薬が処方されることがありますが、薬の種類や量は医師がお子さんの年齢と体重に合わせて決めます。市販薬を使う前にも、必ず医師または薬剤師に相談してください。
手術が検討される場合
通常、手術は必要ありません。ごくまれに、耳の感染症を繰り返す場合などに耳鼻科で手術を検討することがありますが、まずは経過観察と薬での治療が中心です。
この病気と共に生きる
歯が生える時期は、赤ちゃんにとって不快な時期です。泣いたりぐずったりするのは自然なことです。横になると痛みが強くなるようなら、抱っこで少し体を起こしてあげたり、寝る前に鼻を通りやすくしてあげたりすると楽になることがあります。
生活習慣のアドバイス
- 寝かしつけのときは、静かで落ち着いた環境を作る
- 日中にたくさん遊んで、夜は眠りやすくする
- 歯ぐきを清潔に保つ習慣をつける
- よだれかぶれを防ぐために、こまめに保湿する
食事と運動
母乳やミルク、離乳食はいつも通りでかまいません。冷たいヨーグルトやよく冷やした野菜スティック(かじれる月齢)は歯ぐきを冷やして気持ちよいことがあります。ただし、のどに詰まらせないように必ず保護者が見守りましょう。
精神的健康と心の健康
夜泣きやぐずりが続くと、保護者は眠れず疲れがたまり、イライラしてしまうことがあります。これは決して保護者のせいではありません。つらいときは、赤ちゃんを安全な場所(ベッドなど)に短時間寝かせて、自分も少し休んで気持ちを落ち着けてください。
予防
歯が生えること自体は自然な成長のため予防できませんが、痛みを和らげ、耳や鼻のトラブルを早めに見つけることはできます。鼻水が出ているときは早めに対処し、耳を触る・熱が出るなどのサインを見逃さないことが大切です。
ワクチン
直接、歯が生えるときの痛みを予防する予防接種はありません。ただし、定期予防接種は中耳炎の原因となる感染症を減らすのに役立ちます。日本の予防接種スケジュール(厚生労働省が示す標準的な接種時期)に沿って受けるようにしましょう。
検診プログラム
日本では、自治体(市区町村)が乳幼児健診を実施しています。1歳6か月児健診や3歳児健診で、歯の生え方や発育を確認してもらえます。健診の案内はお住まいの市区町村から届きます。
合併症
治療しない場合
- 中耳炎を見逃すと、痛みが続いたり、熱が高くなったりすることがある
- 長引く夜泣きやぐずりで、保護者が疲れ切ってしまうことがある
- ごくまれに、歯ぐきのできもの(歯肉膿瘍)ができることがある
長期的な見通し
乳歯の生える時期の痛みの多くは、一時的なものです。多くの場合、数日から1週間ほどで落ち着きます。横になると痛みが強くなる場合も、原因が分かれば適切な対処でよくなります。早めに医師に相談し、お世話を続ければ、赤ちゃんも保護者も安心して乗り越えられます。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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