乳児の歯ぐずりと吐き気:原因と安心して過ごすためのヒント
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
歯ぐずりとは、乳歯が生えてくる時期に赤ちゃんが機嫌が悪くなったり、よだれが増えたり、ものをかみたがったりすることをいいます。この時期に吐き気や嘔吐(おうと)をともなうこともありますが、多くはよだれを大量に飲み込むことが原因で、必ずしも歯が原因とは限りません。吐き気やおう吐が続く場合は、感染症など別の原因を考える必要があります。
重要な事実
- 歯ぐずり自体は病気ではありませんが、症状が重いときは医師の診察を受けましょう。
- 吐き気やおう吐は、歯ぐずり以外の原因(感染症など)で起こることもあります。
- 発熱や下痢をともなう場合は、自己判断せずに医療機関に相談してください。
- 市販薬をむやみに使わず、かかりつけの医師や薬剤師に相談しましょう。
- 赤ちゃんの様子をよく観察し、水分がとれているか、おしっこの量がいつもどおりか確認しましょう。
歯ぐずりはほぼすべての赤ちゃんにみられる一般的な現象ですが、吐き気やおう吐をともなうことはあまり多くありません。吐き気やおう吐がある場合は、歯ぐずりが原因ではなく、ウイルス性の胃腸炎など別の病気の可能性も考えられます。
一般的に生後6か月から3歳ころまでの乳幼児にみられます。乳歯が生え始める時期(個人差がありますが、生後6〜10か月ごろ)に多く、奥歯が生える1〜2歳ごろにも症状がみられることがあります。
症状
- 意識がもうろうとしている、呼びかけに反応がおかしい
- けいれんしている
- おう吐が止まらず、水分もとれない
- 唇や口の中が乾く、おしっこが8時間以上出ない(脱水のサイン)
- 呼吸が苦しそうである
- 頭を強く打った後に吐いた
- ⚠38度以上の発熱が続く
- ⚠吐いたものが緑色や血液まじりである
- ⚠腹部が張っている、激しく泣く
- ⚠おう吐や下痢をくり返す
- ⚠生後3か月未満で発熱や嘔吐がある
- ⚠母乳やミルクをまったく飲まない
一般的な症状
- よだれが増える
- 機嫌が悪い、ぐずる
- ものを強くかむ
- 歯ぐきが赤く腫れる
- 軽い吐き気、むせることがある
- 食欲が落ちることがある
子供の症状
- 吐き気やおう吐の回数が少なく、元気がある(この場合は経過観察できることもあります)
- 発熱(ただし、歯ぐずりによる発熱は38度未満が多く、それ以上の熱は別の病気のことが多い)
- 下痢やおう吐をともなう場合(歯ぐずりだけの症状とは考えにくい)
- いつもよりよく泣く、眠れない
原因
主な原因
- 乳歯が歯ぐきを押し上げることで、歯ぐきの炎症や痛みが起こり、その刺激でよだれが増えます。
- 増えたよだれを大量にのみ込むことで、胃が刺激されて吐き気を感じることがあります。
- 歯ぐずりによる不機嫌や痛みで、食事や水分を十分にとれず、体調をくずすことがあります。
- ただし、吐き気やおう吐の原因が歯ぐずりだけであることはまれで、ウイルスや細菌による胃腸炎などの感染症が原因のことが多いです。
リスク要因
- 乳歯が生える時期(特に生後6〜12か月)
- よだれが多い、ものを何でも口に入れる時期
- 集団生活(保育園など)で感染症にかかりやすい時期
- 免疫力がまだ十分に発達していない乳幼児
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- おう吐が繰り返しあり、水分や食事がまったくとれない
- 発熱が38度以上ある
- 下痢をともなう
- ぐったりしている
- おしっこの量が明らかに少ない
- 泣いても涙がでない
定期受診を予約すべき場合:
- 歯ぐずりが続き、食事や睡眠に影響がある
- 歯ぐきの腫れがひどい、出血がある
- 吐き気やおう吐が2日以上続く
- 体重が増えにくい
診断
医師は赤ちゃんの症状や経過を詳しく聞き、全身の状態を診察します。歯ぐずりだけで吐き気やおう吐が起こることはまれなので、感染症やその他の病気の可能性をさがすことが大切です。
行われる可能性のある検査
- 身体診察(聴診器で呼吸音や心音を確認する、おなかを触るなど)
- 脱水の程度の確認(皮膚の状態や口の中の乾きなど)
- 必要に応じて、便や尿の検査、血液検査などが行われることがあります
診察で予想されること
診察は通常、数分から十数分程度で、赤ちゃんの負担は大きくありません。必要に応じて検査が行われることもありますが、ほとんどの場合は、まず自宅での水分補給や観察のポイントについて説明を受けて帰宅できます。
治療
歯ぐずりそのものに対する特別な治療はありませんが、吐き気やおう吐が主な症状の場合は、その原因に合わせた対応をします。自己判断で薬を使わず、医療機関で相談したうえで、適切なケアを受けることが大切です。
自宅でのセルフケア
- 清潔な指や冷やしたおしゃぶり、歯固めなどで歯ぐきをやさしくマッサージする
- よだれで口のまわりがかぶれないように、やわらかい布でやさしく拭く
- 母乳やミルク、湯冷ましなどでいつもよりこまめに水分をとらせる
- 吐き気が強いときは無理に食事をさせず、胃が落ち着いてから少しずつ与える
- 室温を快適に保ち、体をしめつけない服装にする
- 市販の歯ぐずり用アイテム(未滅菌のものは避け、清潔に保つ)を使用する
- とにかく安心できるように抱っこや背中をさするなどスキンシップを多くする
医療治療
歯ぐずりによる不快感に対しては、医師の指導のもとで歯ぐきに塗るジェルや飲み薬が使用されることがありますが、必ず医師や薬剤師に相談してからにしてください。吐き気やおう吐、発熱がある場合は、脱水を防ぐための電解質の補給や、原因となる病気(ウイルス性胃腸炎など)に応じた治療が行われます。
手術が検討される場合
該当しません。歯ぐずりや乳児の吐き気で手術が必要になることはありません。
この病気と共に生きる
歯ぐずりの時期は、赤ちゃんの機嫌が悪く、ママやパパも疲れがたまりやすいものです。症状が軽いうちは、無理に何かをしないで、赤ちゃんのペースで過ごしましょう。吐き気があるときは、顔を横に向けて吐いたものをのどにつまらせないように注意してください。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活リズムを心がけ、睡眠をしっかりとる
- 外出時はよだれ用のスタイや着替えを多めに用意する
- 歯が生え始めたら、歯みがきの習慣を少しずつ始める(歯医者で相談)
- 手洗いやおもちゃの清潔を保ち、感染症を予防する
- 親も休めるときに休み、無理をしない
食事と運動
吐き気がなければ、いつもどおりの離乳食や食事をとってかまいません。吐き気があるときは、脂肪分の多いものや刺激の強いものを避け、おかゆやうどんなど消化のよいものを少量ずつ与えましょう。水分は母乳やミルク、湯冷まし、イオン飲料(乳児用)などをこまめに補給します。運動というよりは、ハイハイやおすわりなど普段どおりの体の動きを妨げる必要はありませんが、体調が悪いときは無理に遊ばせず安静にさせてください。
精神的健康と心の健康
赤ちゃんの不機嫌が続くと、親自身も「何か悪いことをしているのでは」と重く感じることがあります。しかし、歯ぐずりは成長の一過程であり、親のせいではありません。不安な気持ちをため込まず、パートナーや家族、保健師などに相談してください。心理的なサポートが必要な場合は、小児科医や地域の子育て支援窓口が頼りになります。
予防
歯ぐずりそのものを予防することはできませんが、吐き気やおう吐の原因となる感染症の予防はできます。手洗いの徹底、おもちゃの清潔、人混みを避ける(流行時)などでリスクを減らせます。また、吐き気を防ぐために、よだれが多いときはこまめに拭き、飲み込みすぎを減らす工夫も効果的です。
ワクチン
ロタウイルスワクチンのような、おう吐や下痢を起こす感染症を予防するワクチンがあります。生後から接種できるものもありますので、かかりつけの医師に相談して、定期接種のスケジュールに沿って受けてください。
検診プログラム
歯ぐずりや吐き気を対象とした特別な検診はありませんが、乳幼児健診(1か月、3〜4か月、6〜7か月、9〜10か月、1歳など)で、成長や栄養状態、発達について健康診断を受けることが大切です。
合併症
治療しない場合
- おう吐が続くと脱水症になることがある(危険)
- よだれや吐物がのどにつまる
- 水分がとれず低血糖になることがある
- もともとの病気(感染症など)の診断が遅れることがある
長期的な見通し
歯ぐずりによる吐き気は、特定の病気でない限り、歯が生えそろうにつれて自然に落ちつくことがほとんどです。感染症が原因であっても、多くの子どもは数日で回復します。正しい水分補給と安静、必要なときの医療機関の受診で、ほぼすべての子どもは元気に経過します。慌てずに、赤ちゃんのサインを見守りましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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