拒食症(神経性やせ症)の概要
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
神経性やせ症(ノイローゼによる食欲不振)は、体重が極端に減ってしまう(医学的には低体重と言います)ことを特徴とする心の病気です。食べることや体重に対して強いこだわりを持ち、自分がやせていることに気づかない、または極度に体重が増えることを恐れる特徴があります。この病気は体にも心にも大きな影響を及ぼします。
重要な事実
- 神経性やせ症は、体重が年齢と身長から見て必要な範囲よりも有意に低い状態です。
- 食べることや体重に対して強い恐怖やこだわりがあり、自分の体の見え方がゆがんでいます。
- 適切な治療を受ければ回復できる病気ですが、早期発見がとても大切です。
日本では、10代から20代の若い女性に多く見られますが、男性や中高年にも起こりえます。正確な数は難しいですが、生涯に約0.5~1%の人が経験するといわれています。
主に10代後半から20代前半の女性に多く見られますが、男性や思春期前の子ども、高齢者にも起こることがあります。特に、スポーツやモデルなど体重管理が重視される職業の人により多い傾向があります。
症状
- 体重が急激に減り、立っていられないほど弱っている。
- 意識を失ったり、けいれんを起こす。
- 自分を傷つけるようなことを言ったり、自殺をほのめかす。
- 心臓がドキドキしたり、胸の痛みがある。
- ⚠体重が標準の75%以下にまで減っている。
- ⚠数日間ほとんど何も食べていない。
- ⚠吐き気や腹痛が続き、水分すら取れない。
- ⚠気分の落ち込みが激しく、日常生活が送れない。
一般的な症状
- 極端に体重を減らそうとして食事を大幅に制限する。
- 体重が増えることに対して強い恐怖を感じる。
- 自分は太っていると思い込む(実際はやせていても)。
- 食べた後に吐いたり、下剤を乱用したりする。
- 体重や体型について常に気にしている。
- 疲れやすくなり、寒がりになる。
- 生理が止まる(女性の場合)。
子供の症状
- 成長や発達に必要な体重増加が見られない。
- 食事を極端に嫌がったり、理由をつけて食べない。
- 体重や体型について過剰に気にする。
- 活動量が減り、元気がなくなる。
高齢者の症状
- 体重が急激に減る(特に理由がないのに)。
- 食事を抜いたり、同じものしか食べなくなる。
- 体重減少や健康問題を医師に伝えようとしない。
- 孤独感やうつ症状が強くなることもある。
原因
主な原因
- 遺伝的な要因(家族に摂食障害の人がいるとリスクが高まる)
- 脳内の神経伝達物質(セロトニンなど)のバランスの乱れ
- やせることが美しいという社会的なプレッシャー
- 完璧主義や自己評価の低さなどの心理的特徴
リスク要因
- 10代から20代の女性であること
- ダイエットを繰り返している
- 自分に厳しく、失敗を極度に恐れる性格
- いじめや虐待などのトラウマ経験
- モデルやダンス、陸上など痩身が重視される職業
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 体重が急激に減り、日常生活が困難になっている。
- 食事をまったく取らず、水分も拒否している。
- 自殺や自分を傷つける考えがある。
定期受診を予約すべき場合:
- 体重が減っていることに気づいたが、自分ではどうしていいかわからない。
- 食べることや体重について常に悩んでいる。
- 家族や友人から「やせすぎ」と指摘された。
診断
医師があなたの症状や体重の変化、食事の様子などを詳しく聞き取ります。身体の健康状態を確認するために血液検査や心電図などの検査を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 身長と体重を測って体格指数(BMI)を計算する。
- 血液検査(栄養状態や電解質のバランスを確認)
- 心電図(心臓の働きを調べる)
- 骨密度検査(骨が弱くなっていないか確認)
診察で予想されること
診断は一度で終わらず、経過を見ながら行われることが多いです。医師はあなたの気持ちを尊重しながら、一緒に治療計画を立てていきます。
治療
神経性やせ症の治療は、体重を健康的な範囲に戻すことと、食べることや体型に対する考え方を改善することを目指します。多くの場合、心理療法(カウンセリング)と栄養指導、場合によっては薬物療法を組み合わせて行います。
自宅でのセルフケア
- 少量でも規則正しく食事をとることを心がける。
- 体重や体型についてのネガティブな考えを書き出して客観視する。
- 信頼できる人に気持ちを話す。
- ストレスをためずに、趣味やリラックスできる活動をする。
医療治療
治療は専門の医師や心理士、管理栄養士などによるチームで行われます。認知行動療法(考え方や行動のパターンを変える治療)が効果的とされています。また、うつ症状や強い不安がある場合には、医師の判断で薬が使われることもありますが、必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
この病気に対して手術が行われることはありません。
この病気と共に生きる
回復への道のりは人それぞれです。焦らず、小さな目標を立てながら進みましょう。医師や栄養士の指導のもと、少しずつ食事量を増やしていくことが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 食事の時間を決めて、家族や友人と一緒に食べるようにする。
- 体重計に毎日乗るのではなく、医師の指示に従って体重を確認する。
- 自分の体に優しい運動(ヨガや軽い散歩など)を楽しむ。
- 完璧を求めすぎず、できたことを自分でほめる。
食事と運動
栄養バランスの良い食事を少しずつ増やしていくことが基本です。極端な食事制限や過度な運動は避けてください。管理栄養士と相談しながら、あなたに合った食事計画を立てましょう。
精神的健康と心の健康
この病気は体重だけでなく、気分や考え方にも大きな影響を与えます。自分を責めすぎず、治療を続けることで少しずつ気持ちも楽になっていきます。必要ならカウンセリングを受けてください。
予防
神経性やせ症を完全に予防する方法はわかっていません。しかし、早期に兆候に気づき、適切なサポートを受けることで重症化を防ぐことができます。
合併症
治療しない場合
- 心臓のリズムが乱れたり、心不全を起こすことがある。
- 骨がもろくなり、骨折しやすくなる(骨粗しょう症)。
- 女性では生理が止まり、将来妊娠しにくくなることもある。
- 栄養不足から脳や内臓の機能が低下する。
- 最悪の場合、死亡することもある。
長期的な見通し
適切な治療を受ければ、多くの人が体重を回復し、健康的な生活を取り戻せます。しかし回復には時間がかかることもあります。希望を持って治療に取り組むことが大切です。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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