Back Pain
参照した情報源
この記事は患者教育のための独自コンテンツです。
- NICE—Low back pain and sciatica. NG59(2021)
- NHS—Back pain(2023)
- WHO—Low back pain fact sheet(2023)
国際的な臨床ガイドラインに基づいています
概要
腰痛とは、背中の腰の部分に痛みを感じる状態です。多くの場合、筋肉や靭帯の緊張が原因で、数週間でよくなります。
重要な事実
- 腰痛はとても一般的で、生涯に8割の人が経験するといわれています。
- 多くの場合、安静にしすぎず、適度に体を動かすことが回復につながります。
- ほとんどの腰痛は深刻な病気が原因ではなく、自然に改善します。
はい、非常に一般的です。厚生労働省の調査でも、腰痛は日本人の多くが経験する症状の一つです。
どの年代の人にも起こりますが、特に40~60代の働き盛りの方や、妊娠中の女性、長時間座り仕事をする方に多く見られます。
症状
- 突然の強い痛みとともに脚のしびれや力が入らない
- 排尿や排便のコントロールができない
- 腰の痛みとともに発熱や寒気がある(感染症の可能性)
- ⚠数日前から続く痛みで、だんだん悪くなっている
- ⚠転んだりぶつけたりした後の腰の痛み
- ⚠原因不明の体重減少を伴う腰痛
一般的な症状
- 腰の鈍い痛みやこわばり
- 動かすと痛みが強くなる
- 立ったり座ったりするのがつらい
- 痛みがお尻や太ももに広がることもある
子供の症状
- 子どもでも起こることがありますが、多くはスポーツや遊びでの筋肉の使いすぎが原因です。
- 発熱や体重減少、夜間の痛みがある場合は、ほかの病気の可能性もあるため注意が必要です。
高齢者の症状
- 高齢者では、椎間板のすり減りや骨粗しょう症が原因の圧迫骨折で腰痛が起こることがあります。
- 歩行時の痛みや、姿勢の変化に気づくこともあります。
原因
主な原因
- 筋肉や靭帯の緊張(重いものを持ち上げる、急な動作など)
- 椎間板ヘルニア(背骨のクッションが飛び出して神経を圧迫)
- 脊柱管狭窄症(背骨の中の神経の通り道が狭くなる)
- 変形性腰椎症(加齢による背骨の摩耗)
- まれに感染症や腫瘍など
リスク要因
- 年齢(50歳以上で増加)
- 長時間の同じ姿勢(デスクワークや運転)
- 肥満または運動不足
- 重い物を頻繁に持ち上げる仕事
- 喫煙(血流を悪くする)
- ストレスや不安
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 脚のしびれや脱力感が急に出た
- 排尿・排便の異常がある
- 発熱を伴う腰痛
- 転落などのけがの後
定期受診を予約すべき場合:
- 2週間以上続く腰痛
- 痛みで日常生活に支障が出る
- 市販の鎮痛薬を使ってもよくならない
診断
医師が問診と身体の診察を行います。痛みの場所や性質、動作による変化、脚の症状の有無などを詳しく確認します。
行われる可能性のある検査
- X線検査(レントゲン):骨の異常や変形がないか調べます
- MRI検査:椎間板や神経の状態を詳しく見ます
- CT検査:骨や軟部組織の断面を詳しく確認します
- 血液検査:炎症や感染の有無を調べることがあります
診察で予想されること
診察では、いつから痛いのか、どんなときに痛むのか、仕事や生活習慣についても質問されます。医師はあなたの状態を丁寧に評価し、必要な検査を提案します。
治療
治療は、痛みの原因や重症度によって異なります。多くの場合、手術をせずに治ります。まずは安静(ただし寝たきりにならない)と温めることから始めます。
自宅でのセルフケア
- 痛みが出た直後は冷やす(急性期:最初の2~3日)
- その後は温めて血行を良くする
- 痛みが和らいだら、無理のない範囲で体を動かす(歩く、ストレッチ)
- 正しい姿勢を保つ(座るときは背筋を伸ばす)
- 硬いマットレスや適度な硬さの寝具を使う
医療治療
医師からは、消炎鎮痛薬や筋弛緩薬などの内服薬、湿布薬、注射などが処方されることがあります。また、理学療法(物理療法や運動療法)やマッサージ、整体なども効果的な場合があります。どの治療法が合うかは個人差が大きいため、医師と相談して決めましょう。
手術が検討される場合
手術が必要になるのはごく一部です。たとえば、椎間板ヘルニアで強い神経症状がある、あるいは保存療法(薬やリハビリなど)を十分に行っても改善しない場合などに検討されます。
この病気と共に生きる
痛みがあっても、できるだけ普段の生活を続けることが大切です。ただし、痛みを悪化させる動作(重いものを持ち上げる、急にひねるなど)は避けましょう。
生活習慣のアドバイス
- 長時間同じ姿勢を続けない(30分に一度は立ち上がって動く)
- デスクワークでは腰あてやクッションを使う
- 床のものを拾うときは膝を曲げて腰を丸めない
- 荷物は両手で均等に持つ
食事と運動
適正体重を保つことで腰への負担が減ります。骨や筋肉に良い栄養(カルシウム、ビタミンD、たんぱく質)をバランスよく取りましょう。運動は、ウォーキングや水中ウォーキングなど、腰に優しいものから始めると良いでしょう。
精神的健康と心の健康
慢性的な腰痛は気分を落ち込ませたり、不安やイライラを引き起こすことがあります。気持ちがつらいときは、一人で抱え込まずに家族や専門家に相談してください。場合によってはカウンセリングも役立ちます。
予防
完全に防ぐことはできませんが、日頃の生活習慣を整えることでリスクを大きく減らせます。正しい姿勢、適度な運動、体重管理、禁煙が特に効果的です。
合併症
治療しない場合
- 慢性的な痛みが続き、生活の質が低下する
- 筋力が落ちて、さらに痛みが悪化するサイクルにはまる
- まれに、神経への圧迫が続くと脚の感覚や動きに障害が残ることがある
長期的な見通し
ほとんどの腰痛は適切なケアで改善します。回復には時間がかかることもありますが、焦らずに自分の体と向き合いながら、前向きに取り組んでいきましょう。多くの人が元気に日常生活に戻っています。
サポートを探す
国際機関
地域の団体
- 日本整形外科学会 ↗ · 日本
- 厚生労働省 腰痛対策 ↗ · 日本
相談窓口
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。