Carpal Tunnel Syndrome
参照した情報源
この記事は患者教育のための独自コンテンツです。
- WHO—Health topics A–Z(2024)
- NHS—Health A to Z(2024)
- CDC—Health topics(2024)
国際的な臨床ガイドラインに基づいています
概要
手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)とは、手首の中にある「手根管(しゅこんかん)」というトンネルの中で、指を動かす神経(正中神経)が圧迫されることで起こる症状です。指のしびれや痛み、動かしにくさが主な症状です。
重要な事実
- 手根管症候群は、手のしびれや痛みの最も多い原因のひとつです。
- 特に夜間や朝方に症状が強くなることが多いです。
- ほとんどの場合、手術をしなくても治療が可能です。
はい、比較的多く見られる病気です。特に40~60歳の女性に多く、全体の約3~5%の人が経験すると言われています。
妊娠中や更年期の女性、糖尿病や甲状腺疾患のある方、手首をよく使う仕事や趣味を持つ方(パソコン操作、調理、大工仕事など)に多く見られます。
症状
- 突然、手や腕に激しい痛みや力が入らない(脳卒中の可能性もあるため、すぐに救急車を呼んでください。119番)
- ⚠しびれや痛みが急に悪化した
- ⚠手の指が動かせなくなった
- ⚠症状が急に両手に広がった
一般的な症状
- 親指、人差し指、中指、薬指の半分にしびれや痛みが出る
- 手を振ると症状が軽くなることがある
- 夜間に症状が強くなり、目が覚めることがある
- 物をつかみにくい、ボタンがかけにくいなど、細かい作業がしにくくなる
子供の症状
- 小児では非常にまれですが、手のしびれや痛みを訴える場合は、成長に伴うものや別の病気の可能性もあります。必ず医師に相談してください。
高齢者の症状
- 加齢により神経が圧迫されやすくなり、症状が出やすくなります。
- 手の筋力が落ちて物がつかみにくくなったり、転倒しやすくなることもあります。
原因
主な原因
- 手根管の中で神経(正中神経)が圧迫されること
- 手首の使いすぎや繰り返しの動作
- 妊娠や肥満によるむくみ
リスク要因
- 女性であること(特に妊娠中・更年期)
- 糖尿病、甲状腺機能低下症などの病気
- 手首の骨折や脱臼の既往
- 手首をよく使う仕事(パソコン、調理、工事など)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- しびれや痛みが急に強くなり、手が使えなくなった
- 夜中に何度も症状で目が覚める
- 親指の付け根の筋肉がやせてきた
定期受診を予約すべき場合:
- 手のしびれや痛みが数週間続く
- 日常生活に支障が出始めた
- 市販の鎮痛薬を使っても改善しない
診断
医師が問診と、いくつかの簡単なテストを行います。必要に応じて神経の電気検査(筋電図・神経伝導検査)を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- チネルサイン(手首を軽くたたくとしびれが走るか確認する)
- ファレンテスト(手首を曲げたまま1分間保持して症状が出るか確認する)
- 神経伝導検査(神経の伝わる速さを測る検査)
診察で予想されること
診察は通常10~15分程度です。検査があれば30分~1時間かかることがあります。痛みを伴う検査ではありませんが、電気検査では少しピリッと感じることがあります。
治療
治療の第一歩は、手首を休め、負担を減らすことです。多くの場合、手術をせずに症状が改善します。重症の場合や保存治療で効果がない場合に手術を検討します。
自宅でのセルフケア
- 手首を休め、同じ動作を続けない
- 夜間に手首用のサポーター(装具)を装着する(医師の指示に従ってください)
- 冷やすのではなく、温めることで血行を良くする(ただし炎症が強いときは冷やすこともある)
- 手首を曲げ伸ばしするストレッチをゆっくり行う
医療治療
医師の指導のもと、炎症を抑える薬(非ステロイド性抗炎症薬)や、神経の痛みを和らげる薬を使用することがあります。また、手根管内にステロイド注射を行うことで炎症を抑える方法もあります。これらの治療は医師が状態に合わせて選択します。
手術が検討される場合
数か月間保存治療を行っても症状が改善しない場合や、筋力低下が進んでいる場合には、手術(手根管開放術)が検討されます。手術は小さな切開で行うことが多く、日帰り可能なこともあります。
この病気と共に生きる
症状が安定していれば、通常の生活はほぼ問題なく送れます。手首に負担がかかる動作(スマホの長時間使用、重い荷物を持つなど)は避け、こまめに休憩を取りましょう。
生活習慣のアドバイス
- パソコン作業時は手首をまっすぐに保つ工夫をする(リストレストの使用など)
- 手を冷やさないようにする(冬場は手袋を着用)
- 就寝時は手首が曲がらないようにサポーターを使う(医師の指示があれば)
食事と運動
特に特別な食事制限はありませんが、むくみを防ぐために塩分を控えめにし、バランスの良い食事を心がけましょう。ストレッチや軽い運動(ウォーキングなど)は血行を良くし、症状の改善に役立つことがあります。
精神的健康と心の健康
慢性的な痛みやしびれはストレスや不安を引き起こすことがあります。症状に悩むときは、一人で抱えずに医師や家族に相談しましょう。必要であれば、心のケアの専門家(カウンセラーなど)のサポートも検討してください。
予防
完全に予防する方法はありませんが、手首の使いすぎを避け、正しい姿勢を保つことでリスクを減らせます。また、糖尿病や甲状腺疾患などの基礎疾患をきちんと治療することも重要です。
検診プログラム
日本では特定のスクリーニング検査は推奨されていませんが、手のしびれがある場合は早めに医師に相談することで早期発見・早期治療につながります。厚生労働省の健康診断などで手の症状について尋ねられることがあります。
合併症
治療しない場合
- 親指の付け根の筋肉がやせて萎縮する
- 物をつかむ力が弱くなる
- 感覚が鈍くなり、やけどやけがをしやすくなる
長期的な見通し
適切な治療を行えば、ほとんどの場合症状は改善します。手術が必要になっても、多くの人は日常生活に大きな支障なく戻れます。早めに治療を始めるほど、良い結果が期待できます。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。