CKD stage awareness
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
慢性腎臓病(CKD)とは、腎臓の働きが長い時間をかけてゆっくりと低下していく病気です。腎臓は血液をろ過して老廃物を尿として排出する役割をしていますが、CKDになるとその働きが弱まります。CKDにはステージ(病期)があり、ステージ1から5まで分類され、数字が大きくなるほど腎臓の機能が低下しています。ステージを知ることは、適切な治療や生活習慣の改善につながります。
重要な事実
- CKDは自覚症状がほとんどないまま進行することが多いため、早期発見が重要です。
- ステージ3以降は腎機能が半分以下に低下しており、専門医の管理が必要になります。
- 適切な治療と生活習慣の改善により、CKDの進行を遅らせることができます。
はい、CKDは非常によく見られる病気です。日本では成人の約8人に1人がCKDの可能性があるとされています(厚生労働省の調査より)。
CKDはあらゆる年齢層で起こり得ますが、特に糖尿病、高血圧、脂質異常症(脂質の異常)のある方、また高齢者に多いです。家族に腎臓病の方がいる場合もリスクが高まります。
症状
- 急激な息苦しさや呼吸困難
- 意識がもうろうとする、または意識消失
- けいれん
- ⚠強いむくみ(体重が急に増えた)
- ⚠ほとんど尿が出ない(1日でコップ1杯未満)
- ⚠激しい胸の痛みや動悸
一般的な症状
- 初期のCKDではほとんどの場合、症状はありません。
- 進行すると、むくみ(特に足やまぶた)、だるさ、疲れやすさ、尿の色の変化(泡立ちや血尿)、夜間の尿回数の増加
- 食欲不振、吐き気、かゆみ、息切れなど
子供の症状
- 成長の遅れ(身長や体重の伸びが悪い)、
高齢者の症状
- 物忘れや集中力の低下、ふらつき、貧血による疲労感
原因
主な原因
- 糖尿病(糖尿病性腎症)
- 高血圧(腎硬化症)
- 慢性糸球体腎炎(腎臓のフィルターが炎症を起こす病気)
- 多発性嚢胞腎(腎臓に袋ができる遺伝性の病気)
リスク要因
- 糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満
- 喫煙、過度の飲酒
- 加齢(40歳以上)
- 家族歴(親や兄弟に腎臓病の人がいる)
- 長期間の鎮痛薬(痛み止め)の使用
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 前述の緊急症状がある場合
- 血液検査や尿検査で腎機能の異常を指摘されたことがあるのに、まだ医師に相談していない場合
定期受診を予約すべき場合:
- 年に1回の健康診断で尿検査や血液検査を受けましょう。特に糖尿病や高血圧の方は毎年の検査が推奨されます。
- CKDと診断された場合、ステージに応じて3か月~6か月ごとの定期通院が必要です。
診断
通常は血液検査と尿検査で診断します。血液検査で「eGFR(推算糸球体ろ過量)」という数値を計算し、腎機能の程度を調べます。尿検査ではたんぱく尿や血尿の有無を確認します。さらに画像検査(超音波など)で腎臓の形や大きさを調べることもあります。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(血清クレアチニン、eGFR)
- 尿検査(尿たんぱく、尿潜血)
- 腎臓超音波検査(エコー)
- 必要に応じて腎生検(腎臓の組織を採取して調べる検査)
診察で予想されること
検査は通常外来で行えます。血液検査と尿検査は痛みや負担はほとんどありません。腎生検は入院が必要な場合もありますが、それでも数日で退院できることが多いです。結果が出るまでに数日から2週間程度かかることがあります。
治療
CKDの治療の目的は、腎機能の低下を遅らせ、合併症を予防し、最終的に腎不全にならないようにすることです。治療は基礎疾患(糖尿病、高血圧など)の管理、生活習慣の改善、薬物療法を組み合わせて行います。ステージによって治療の重点が変わります。
自宅でのセルフケア
- 減塩(1日6g未満を目標に)
- 適切な水分摂取(医師の指示に従う)
- 節酒(または禁酒)
- 適度な運動(医師に相談の上)
- 体重管理
医療治療
血圧を下げる薬や、尿たんぱくを減らす薬、貧血を改善する薬、骨の健康を保つ薬などが使われることがあります。ステージ4~5では、腎臓の働きを助けるために「保存的腎臓療法」と呼ばれる食事療法や薬物療法を徹底します。なお、具体的な薬の名前や量は医師が個別に判断します。
手術が検討される場合
CKD自体に対する手術は通常ありません。しかし、ステージ5(末期腎不全)に進行した場合、腎代替療法として腎移植が選択肢になることがあります。また、透析治療を行うために、腕にシャント(血液を取り出すための血管吻合)を作る手術が必要な場合があります。
この病気と共に生きる
CKDと診断されても、多くの方は通常の生活を続けられます。ただし、定期的な通院と検査、そして生活習慣の見直しが必要です。ステージが進むにつれて食事制限(特に塩分、たんぱく質、カリウム、リンの制限)が必要になる場合があります。医師や管理栄養士の指導を受けながら、無理なく続けられる方法を見つけましょう。
生活習慣のアドバイス
- 毎日の血圧測定、体重測定
- 処方された薬を忘れずに服用する
- かかりつけ医とよく相談し、自己判断で薬をやめない
- 感染症予防(手洗い、うがい、予防接種)
食事と運動
食事は減塩が基本です。加工食品や外食は塩分が多いので注意しましょう。たんぱく質の摂取量はステージによって調整が必要ですので、医師や栄養士の指示に従ってください。運動は、ウォーキングなどの有酸素運動を週に数回、無理のない範囲で行うと良いです。ただし、激しい運動は避け、運動前に医師に相談しましょう。
精神的健康と心の健康
慢性の病気と向き合うことは、ストレスや不安を感じることがあります。「なぜ自分が」という気持ちや、将来への不安が出るのは自然なことです。そうした気持ちを一人で抱え込まず、家族や友人、医療者に相談しましょう。必要に応じて、心理カウンセリングや精神科のサポートを受けることも有効です。
予防
完全に予防することは難しいですが、リスクを減らすことはできます。健康的な食事(減塩、野菜中心)、適度な運動、禁煙、節酒、適正体重の維持が大切です。また、糖尿病や高血圧などの基礎疾患をしっかり管理することで、CKDの発症や進行を防ぐことができます。
ワクチン
CKDの方は感染症にかかりやすく、重症化しやすいため、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種が推奨されます。また、新型コロナウイルスワクチンも、医師と相談の上、接種を検討してください。
検診プログラム
年に1回の健康診断(尿検査、血液検査)を欠かさず受けることが最も効果的なスクリーニングです。特に糖尿病や高血圧の治療中の方は、定期的に腎機能をチェックしましょう。
合併症
治療しない場合
- 腎機能のさらなる低下(進行性腎不全)
- 高血圧の悪化
- 骨が弱くなる(腎性骨異栄養症)
- 心臓病や脳卒中などの心血管疾患のリスク上昇
- 末期腎不全(透析や腎移植が必要になる)
長期的な見通し
CKDはゆっくり進行する病気ですが、適切な治療と生活習慣の改善により、進行を遅らせたり、止めたりすることが可能です。多くの方は、ステージ3程度であれば何年も安定した状態を保てます。末期腎不全になっても、透析や腎移植という選択肢があり、社会生活を続けながら治療を受ける方も大勢います。希望を持って、医師と一緒に治療に取り組むことが大切です。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月26日
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