Eczema (Atopic Dermatitis)
参照した情報源
この記事は患者教育のための独自コンテンツです。
- NICE—Eczema — atopic. NG190(2023)
- NHS—Atopic eczema(2023)
- AAD—Eczema — American Academy of Dermatology(2024)
国際的な臨床ガイドラインに基づいています
概要
アトピー性皮膚炎(アトピーせい ひふえん)は、皮膚のかゆみと炎症(赤みや腫れ)をくり返す慢性的な病気です。乾燥肌や湿疹(しっしん)もよく見られます。アトピー性皮膚炎は、体の免疫(めんえき)システムが過剰に反応してしまい、皮膚のバリア機能(外からの刺激を防ぐ力)が弱くなることで起こります。
重要な事実
- アトピー性皮膚炎は人にうつりません。
- 子供に多く見られますが、大人になってからも続くことがあります。
- 適切な治療とセルフケアで、症状をコントロールできます。
はい、とても一般的な病気です。日本では約10人に1人がアトピー性皮膚炎に悩まされたことがあると言われています(厚生労働省の調査による)。
小児期に発症することが最も多く、特に乳幼児に多く見られます。ただし、どの年齢でも初めて発症することがあります。遺伝的な要素と環境(住んでいる場所や生活習慣)の両方が関係しています。
症状
- 突然、全身に激しいかゆみや蕁麻疹(じんましん)が広がり、呼吸が苦しくなる(アナフィラキシーの可能性)
- 皮膚が感染して、38度以上の熱が出る、腫れがひどくなる、膿(うみ)が出る
- ⚠かゆみが非常に強く、市販の薬では全く効かない
- ⚠皮膚が赤く腫れて、痛みが伴う(感染の疑い)
- ⚠夜も眠れないほどのかゆみが続く
一般的な症状
- 強いかゆみ(特に夜間や汗をかいたとき)
- 皮膚が赤く炎症を起こす
- 皮膚が乾燥し、カサカサになる
- 湿疹(小さなブツブツや水ぶくれ)ができる
- かきむしると、皮膚が厚くなったり、黒ずんだりする
子供の症状
- 顔や頭皮、膝の裏や肘の内側などに赤い湿疹ができやすい
- かゆみが強く、夜中に目が覚めてしまうことがある
- 成長とともに、症状が落ち着くことが多い
高齢者の症状
- 乾燥が強く、手や首、まぶたなどに症状が出やすい
- 皮膚が厚くなってゴワゴワすることがある(苔癬化)
- かゆみが慢性的で、仕事や日常生活に影響を与えることがある
原因
主な原因
- 遺伝的要因:皮膚のバリア機能に関わる遺伝子(フィラグリンなど)の変化
- 免疫の過剰反応:アレルギーを引き起こす物質(ダニ、ほこり、花粉、食べ物など)に免疫が過敏に反応する
- 皮膚のバリア機能低下:乾燥や刺激で皮膚が傷つきやすくなる
リスク要因
- 家族にアトピー性皮膚炎やアレルギー(喘息、花粉症)を持つ人がいる
- 住まいが乾燥している、またはダニやカビが多い環境
- ストレスや疲れがたまっている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状がある場合:すぐに119番通報を
- 皮膚に感染の兆候(膿が出る、熱を持つ、広がる赤み)がある
定期受診を予約すべき場合:
- かゆみが続いて日常生活に支障がある
- 市販の保湿剤やかゆみ止めで改善しない
- 症状が良くなったり悪くなったりをくり返す
診断
医師が皮膚の状態を見て、症状の経過や家族歴を聞いて診断します。特別な検査は必要ないことがほとんどです。
行われる可能性のある検査
- アレルギー検査(血液検査や皮膚テスト):特定のアレルゲン(原因となる物質)を調べる
- 皮膚の一部を採取して調べる検査(生検):ごくまれに、他の皮膚病と区別するために行う
診察で予想されること
診察では、症状が出ている場所やその様子を詳しく見られます。かゆみの程度や生活での困りごとを聞かれます。治療法やセルフケアの具体的なアドバイスをもらえます。
治療
アトピー性皮膚炎の治療は、症状を和らげ、再発を防ぐことが大切です。保湿と炎症を抑える治療、そして原因となる刺激を避けることが基本です。
自宅でのセルフケア
- 毎日たっぷり保湿する(入浴後すぐに保湿剤を塗る)
- 刺激の少ない石けんを使い、強いこすり洗いは避ける
- 爪を短く切り、かゆくてもかかないように工夫する(冷やす、軽く押す)
- 肌に合った衣類(綿など)を選び、締め付けを避ける
医療治療
医師は炎症を抑える外用薬(ステロイドや非ステロイドの軟膏など)を処方することがあります。症状が重い場合には、内服薬や光線療法(紫外線を当てる治療)が検討されることもあります。必ず医師の指示に従ってください。特定の薬の名前や用量はここでは記載しません。
手術が検討される場合
アトピー性皮膚炎に対して手術が必要になることは基本的にありません。
この病気と共に生きる
症状が良くなったり悪くなったりをくり返すことが多いですが、適切なケアを続ければ生活の質を保つことができます。日々のスキンケアを習慣にして、自分の肌の状態を知ることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 部屋の湿度を50~60%に保つ(加湿器を使うなど)
- ダニやカビを減らすためにこまめに掃除をする
- ストレスをためないようにする(趣味やリラックスの時間を作る)
- 汗をかいたらすぐに拭くかシャワーを浴びる
食事と運動
食べ物が直接アレルギーを引き起こすことはあまりありませんが、特定の食品(卵、牛乳、小麦など)で症状が悪くなる人もいます。食事はバランスよく取り、運動は汗をかいた後のケアをしっかり行えば問題ありません。
精神的健康と心の健康
かゆみや見た目の症状が続くと、いらいらしたり、自信をなくしたりすることがあります。特に子供の場合は、いじめや孤独感につながることもあります。
予防
アトピー性皮膚炎を完全に予防することはできません。しかし、赤ちゃんの頃からたっぷり保湿をすることで、発症リスクを減らせるかもしれないという研究もあります。また、症状の悪化を防ぐために、刺激物を避け、規則正しい生活を心がけましょう。
合併症
治療しない場合
- 皮膚が細菌やウイルスに感染しやすくなる(とびひ、カポジ水痘様発疹症など)
- 慢性的なかゆみで睡眠不足になり、集中力や生活の質が低下する
- 皮膚が厚く黒ずんで、なかなか元に戻らなくなる(苔癬化)
長期的な見通し
アトピー性皮膚炎は治療とセルフケアで症状をうまくコントロールできます。多くの子供は成長とともに症状が軽くなります。大人でも適切な治療を続ければ、日常生活に大きな影響を与えることなく過ごせます。希望を持って、かかりつけの医師と一緒に長く付き合っていくことが大切です。
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- 日本アレルギー学会 患者さん向け情報 ↗ · 日本全国
- アトピー性皮膚炎の情報サイト(厚生労働省) ↗ · 日本全国
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。