Encephalitis
参照した情報源
この記事は患者教育のための独自コンテンツです。
- WHO—Health topics A–Z(2024)
- NHS—Health A to Z(2024)
- CDC—Health topics(2024)
国際的な臨床ガイドラインに基づいています
概要
脳炎(のうえん)とは、脳に炎症(はれ)が起こる病気です。ウイルス感染が主な原因で、脳の機能に影響を与えることがあります。早期に治療を受ければ、多くの方は回復します。
重要な事実
- ウイルス感染が主な原因です(特にヘルペスウイルスや日本脳炎ウイルス)。
- 症状は軽いものから重いものまであります。
- 早めの診断と治療で回復の可能性が高まります。
脳炎は比較的まれな病気です。日本では年間に数百人程度の報告があります。
子どもや高齢者、免疫力が弱っている方はかかりやすいですが、どなたでもなる可能性があります。
症状
- 意識を失った(呼びかけに反応しない)
- 激しい頭痛が突然起こった
- 全身のけいれんが止まらない
- 首が硬くて前に曲げられない(髄膜刺激症状)
- 急に混乱したり、意味不明なことを言う
- ⚠高熱が続き、頭痛や吐き気が強い
- ⚠けいれんが短時間でおさまったが、その後も意識がぼんやりしている
- ⚠子どもがぐったりして、ミルクを飲まない
一般的な症状
- 発熱(38度以上の高熱が出ることが多い)
- 頭痛(いつもよりひどい、または治まらない)
- 意識障害(ぼんやりする、混乱する)
- けいれん発作(全身または一部の筋肉が勝手に動く)
- 光や音に過敏になる
- 吐き気や嘔吐
子供の症状
- 機嫌が悪く、ぐずる
- 母乳やミルクを飲まない
- 吐き戻しがひどい
- 大泉門(頭の上の柔らかい部分)が膨らむ
- いつもより眠そうで、反応が鈍い
高齢者の症状
- 急に混乱したり、記憶がおかしくなる
- 普段より眠くなり、起こしにくい
- 歩き方がふらつく
- 言葉がうまく出ない
- 高熱と頭痛を伴わないこともある
原因
主な原因
- ウイルス感染(ヘルペスウイルス、日本脳炎ウイルス、エンテロウイルスなど)
- 細菌感染(まれ)
- 自己免疫反応(体の免疫が誤って脳を攻撃する)
- ダニや蚊が運ぶウイルス(ダニ媒介脳炎など)
リスク要因
- 高齢または乳幼児である
- 免疫力が低下している(病気や薬の影響)
- 日本脳炎のワクチン未接種
- 蚊やダニが多い地域に住んでいる、または旅行する
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状がある場合はすぐに救急車(119番)を呼ぶ
- 意識障害やけいれんが続く
- 首の硬直(髄膜刺激症状)がある
定期受診を予約すべき場合:
- 高熱と頭痛が2日以上続く
- 風邪に似た症状が改善せず、ぼんやりする
- 吐き気や嘔吐が続く
診断
医師が症状を聞き、神経の検査(反射や目の動きなど)を行います。必要に応じて、髄液検査(背中から針を刺して脳脊髄液をとる)で炎症の有無を確認します。
行われる可能性のある検査
- 髄液検査(腰椎穿刺):脳脊髄液中のウイルスや細菌、炎症の兆候を調べる
- 脳の画像検査(MRI、CT):脳の腫れや異常を確認
- 脳波検査(EEG):脳の電気活動の異常を調べる
- 血液検査:ウイルス抗体や炎症の程度を確認
診察で予想されること
診断のためには通常、入院が必要です。腰椎穿刺は局所麻酔をして行うため、痛みはほとんどありません。検査結果が出るまで数日かかることもあります。
治療
脳炎の治療は原因と重症度によって異なります。多くは入院して、原因となるウイルスや細菌に対する治療と、炎症を抑える治療を行います。治療が早く始まるほど、回復の見込みが高まります。
自宅でのセルフケア
- 安静にして、十分な睡眠をとる
- 水分をこまめに取る(経口補水液など)
- 解熱剤などは医師の指示に従う(自己判断で市販薬を服用しない)
- 刺激を避け、暗く静かな部屋で休む
医療治療
ウイルス性脳炎には抗ウイルス薬、細菌性には抗生物質が使われます。重症の場合、脳の腫れを抑えるためにステロイド薬や免疫グロブリン製剤を用いることもあります。けいれんがある場合は、けいれん止めの薬も使われます。いずれも医師の処方に従い、自己判断で使用しないでください。
手術が検討される場合
脳内の圧力を下げるために、緊急で頭蓋骨の一部を外す減圧開頭術を行うことがあります。これは非常に重症で、薬で腫れが抑えきれない場合に限られます。
この病気と共に生きる
回復には時間がかかる場合があります。退院後も疲れやすさや注意力の低下が続くことがあるので、無理をせず、ゆっくり日常生活に戻りましょう。定期的に医師の診察を受けて経過を見ます。
生活習慣のアドバイス
- 十分な睡眠と休息を確保する
- ストレスをためないようにする(趣味やリラックス法を取り入れる)
- 認知機能のリハビリ(医師や作業療法士の指導のもとで行う)
- 徐々に社会活動を再開する(焦らずゆっくりと)
食事と運動
バランスの良い食事をとり、特にビタミンやミネラルを意識しましょう。水分をしっかり取ることも大切です。運動は医師に相談してから始め、軽い散歩などから徐々に体力を戻しましょう。
精神的健康と心の健康
脳炎の後には不安や抑うつ、記憶障害などの精神的な影響が出ることがあります。一人で悩まず、専門家(精神科医や臨床心理士)や家族に相談してください。
予防
全ての脳炎を予防することはできませんが、感染症による脳炎は予防接種や感染対策でリスクを減らせます。
ワクチン
日本では日本脳炎ワクチンが定期接種です。その他、おたふくかぜや水痘のワクチンも関連する脳炎を予防します。海外に渡航する際は、ダニ媒介脳炎ワクチンを検討してください。
検診プログラム
特に定期的なスクリーニング検査は推奨されていません。ただし、免疫力が極端に低下している方は、医師と相談の上で感染症チェックを行うことがあります。
合併症
治療しない場合
- 脳の永続的な損傷(記憶障害、思考力の低下)
- てんかん(繰り返すけいれん発作)
- 運動障害(歩行困難、麻痺)
- 意識障害が続く(植物状態を含む)
- 最悪の場合、死に至ることもある
長期的な見通し
脳炎は重い病気ですが、適切な治療を受ければ多くの方は回復します。早期発見・早期治療が鍵です。後遺症が残る場合もありますが、リハビリや支援で生活の質を高めることができます。希望を持って治療に取り組みましょう。
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国際機関
地域の団体
- 日本脳炎患者会(仮称) ↗ · 日本
- 厚生労働省 難病情報サイト ↗ · 日本
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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