Gout
参照した情報源
この記事は患者教育のための独自コンテンツです。
- NICE—Gout. CKS(2023)
- NHS—Gout(2023)
- ACR—ACR Guideline for the Management of Gout(2020)
国際的な臨床ガイドラインに基づいています
概要
痛風(つうふう)は、血液中の尿酸(にょうさん)という物質が増えすぎて、関節に針のような結晶がたまり、突然の激しい痛みや腫れを引き起こす病気です。尿酸は体の中で作られる老廃物の一種で、通常は尿として排出されますが、排出がうまくいかないと結晶になります。
重要な事実
- 痛風の発作は、特に足の親指の付け根に起こりやすいです。
- 発作は突然始まり、数時間から数日続くことがあります。
- 適切な治療と生活習慣の改善で、発作を予防し、健康な生活を送ることができます。
痛風は日本でも比較的多く見られる病気で、特に中年以降の男性に多いですが、女性や若い人にも起こることがあります。厚生労働省の調査では、患者数は増加傾向にあります。
痛風は30代から50代の男性に最も多く見られます。女性は閉経後リスクが高まります。家族に痛風の人がいる場合や、肥満、高血圧、糖尿病のある方も発症しやすいです。
症状
- 関節の痛みとともに高熱(38度以上)や悪寒がある
- 関節が異常に赤く腫れ、触ると非常に熱い(感染症の可能性)
- 痛みで全く動けず、立つこともできない
- ⚠初めての痛風のような激しい関節痛がある
- ⚠痛みが強く、市販の鎮痛薬で改善しない
- ⚠発作が頻繁に起こるようになった
一般的な症状
- 突然の激しい関節の痛み(多くの場合、足の親指の付け根)
- 関節の赤み、腫れ、熱感
- 痛みのために歩けなくなったり、布団に触れるだけでも痛い
- 発作は夜中から早朝に起こりやすい
子供の症状
- 子どもでは痛風は非常にまれですが、遺伝性の病気や腎臓の障害がある場合に起こることがあります。症状は大人と同様に関節の痛みや腫れですが、診断には注意が必要です。
高齢者の症状
- 高齢者の場合、複数の関節に症状が出ることがあります。
- 痛みが弱い場合もあり、変形性関節症など他の病気と間違えやすいです。
- 薬の影響で尿酸値が上がることもあるため、医師に相談することが大切です。
原因
主な原因
- 血液中の尿酸値が高くなること(高尿酸血症)が主な原因です。
- 尿酸は細胞の代謝でできる老廃物で、通常は尿に溶けて排出されますが、作られすぎたり排出が十分でないと結晶となります。
- プリン体(プリンたい)という物質を多く含む食品(レバー、干物、ビールなど)をたくさん摂ると尿酸が増えやすくなります。
リスク要因
- 肥満やメタボリックシンドローム
- アルコール、特にビールの飲み過ぎ
- 肉類や魚介類の食べ過ぎ、清涼飲料水の多飲
- 利尿薬などの特定の薬
- 腎臓の機能が低下している
- 家族に痛風の人がいる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然の激しい関節痛が初めて起こった
- 痛みで夜も眠れず、日常生活が困難
- 発熱を伴う関節の激しい腫れや赤みがある
定期受診を予約すべき場合:
- 痛風と診断されたが、発作が年に数回以上ある
- 尿酸値を下げる治療を始める前や、治療中の定期的な検査
- 痛風以外の症状(疲れやすい、尿の出が悪いなど)がある
診断
医師が関節の症状を診察し、問診を行った上で、血液検査や画像検査を行います。最も確実な診断方法は、関節液を採取して尿酸の結晶を確認することです。
行われる可能性のある検査
- 血液検査:尿酸値の測定。ただし、発作時は正常値の場合もあるため注意が必要です。
- 関節穿刺(かんせつせんし):関節にたまった液を針で採取し、顕微鏡で尿酸結晶を確認します。
- X線検査や超音波検査:関節の状態や結晶の沈着を調べます。
診察で予想されること
診断のために、リウマチ科や内科を受診します。関節液をとる検査は少し痛みがありますが、数分で終わります。結果はすぐにわかることもあり、診断が確定すれば治療方針を話し合います。
治療
痛風の治療は、急性の発作を抑えることと、長期的に尿酸値を下げて発作を予防することの2つが柱です。発作時には安静と炎症を抑える薬を使い、落ち着いたら尿酸値を下げる治療を始めます。
自宅でのセルフケア
- 発作が起きたら、痛む関節を休ませ、冷やして腫れを抑えましょう。
- 水分を十分に摂り、尿酸を尿として出しやすくします。
- アルコールやプリン体の多い食品を避け、肥満の場合は減量を心がけます。
医療治療
発作時には、炎症を抑える薬(非ステロイド性抗炎症薬やコルヒチンなど)を医師の指示で使用します。長期的には、尿酸の生成を抑える薬や排出を促す薬を用いて、尿酸値を正常範囲に保ちます。治療は数か月から数年続くことがあります。
手術が検討される場合
痛風そのものに対する手術はほとんどありません。ただし、長期間放置してできた大きな結節(とうふう結節)が痛みや機能障害を起こす場合に、取り除く手術をすることもあります。
この病気と共に生きる
痛風と上手に付き合うには、発作を予防することが大切です。尿酸値をコントロールしながら、規則正しい生活を送りましょう。発作が起きたときは、痛みを我慢せず早めに対処することがポイントです。
生活習慣のアドバイス
- 水分を1日2リットル程度(コップ8〜10杯)を目安に飲む
- アルコールは控えめに(特にビールは避ける)
- 適度な運動を週に数回行う(激しい運動は逆に尿酸値を上げることもあるので軽い有酸素運動がおすすめ)
- ストレスをためないようにする
食事と運動
食事では、肉や魚の内臓、干物、エビやカニなどの甲殻類、ビールを控えめにします。代わりに野菜や大豆製品、乳製品を積極的に取り入れましょう。運動はウォーキングや水泳などの軽めの運動が効果的です。急な激しい運動は発作のきっかけになることがあるので注意してください。
精神的健康と心の健康
痛風の発作は非常に痛く、不安やストレスを感じることがあります。また、食事制限や通院が続くことで気分が落ち込むこともあります。自分の気持ちを家族や医師に話すとともに、必要なら心の支援も受けるようにしましょう。
予防
痛風は完全に予防できるわけではありませんが、生活習慣を改善することで発作のリスクを大きく減らすことができます。特に、尿酸値を正常に保つことが予防の鍵です。
ワクチン
痛風を予防するワクチンはありません。
検診プログラム
定期的な健康診断で血液中の尿酸値をチェックすることが有効です。尿酸値が高いと指摘されたら、生活習慣を見直し、必要に応じて医師に相談しましょう。
合併症
治療しない場合
- 関節に尿酸の結晶がたまり続けて、関節の変形や慢性的な痛みが起こる(慢性痛風関節炎)
- 皮膚の下に固いしこり(痛風結節)ができる
- 腎臓に結晶がたまって腎臓結石や腎機能の低下を起こす
- 動脈硬化が進み、心臓病や脳卒中のリスクが高まる
長期的な見通し
適切な治療と生活習慣の管理により、ほとんどの方は発作を予防し、正常な生活を送ることができます。早期に治療を始めれば、関節や腎臓の障害も防げます。あきらめずに、医師と一緒に治療に取り組みましょう。
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- 日本リウマチ学会 患者向け情報 ↗ · 日本
- 厚生労働省 痛風・高尿酸血症 ↗ · 日本
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