Haemorrhoids
参照した情報源
この記事は患者教育のための独自コンテンツです。
- WHO—Health topics A–Z(2024)
- NHS—Health A to Z(2024)
- CDC—Health topics(2024)
国際的な臨床ガイドラインに基づいています
概要
痔核(じかく)は、肛門の周りにある血管のクッション(痔核組織)が腫れたり、うっ血したりすることで起こる状態です。いわゆる「いぼ痔」とも呼ばれます。多くの場合、痛みや出血、かゆみなどの症状がありますが、適切な対策で改善できます。
重要な事実
- 痔核は非常に一般的な病気で、生涯に約50%の人が経験すると言われています。
- 痔核は大きく分けて、肛門の内側にできる「内痔核」と、外側にできる「外痔核」の2種類があります。
- 多くの場合、食事や生活習慣の改善、市販の軟膏などで症状が軽くなりますが、重症の場合は医療機関での治療が必要です。
はい、痔核は非常にありふれた病気です。厚生労働省の調査によると、日本人の約3人に1人が何らかの痔の症状を経験したことがあると言われています。
痔核はどの年齢でも起こりえますが、特に30代から50代の働き世代に多く見られます。また、便秘がちな人、長時間座る仕事をしている人、妊娠中の女性にも起こりやすいです。
症状
- 大量の出血があり、止まらない場合(例:便器が真っ赤になるほどの出血)
- 強い痛みで立っていられない、または座っていられない場合
- 痔核が急に腫れて、激しい痛みとともに黒っぽく変色した場合(血栓性外痔核の可能性)
- ⚠出血が数日続く、または量が多い場合
- ⚠痛みが強く、市販の痛み止めで改善しない場合
- ⚠排便が困難で、強い痛みを伴う場合
- ⚠痔核の脱出(いぼが肛門から出たまま戻らない)があり、自分で押し戻せない場合
一般的な症状
- 排便時の出血(鮮やかな赤い血が便に付いたり、トイレットペーパーに付く)
- 肛門の違和感、かゆみ、痛み
- 肛門の周りにできるしこり(外痔核)
- 排便後に肛門から何か出てくる感じ(内痔核が脱出する)
子供の症状
- 子どもでは、便秘による排便時の痛みや出血が主な症状です。
- 肛門の周りが赤くなったり、かゆがったりすることもあります。
- 多くの場合、便秘の改善で症状は良くなりますが、長引く場合は小児科を受診しましょう。
高齢者の症状
- 高齢者では、加齢による組織の弱まりや便秘の影響で痔核が起こりやすくなります。
- 症状は若い人と似ていますが、出血が続く場合は大腸がんなどの他の病気の可能性もあるため、注意が必要です。
- 痔核の治療は高齢者でも安全に行えますが、持病がある場合は医師と相談しながら進めます。
原因
主な原因
- 便秘や下痢が続くことで、排便時に肛門に強い圧力がかかる
- 長時間座りっぱなしや立ちっぱなしの姿勢で、肛門周辺の血流が滞る
- 重いものを持ち上げるなど、腹圧がかかる動作を繰り返す
- 妊娠や出産による腹部の圧迫
リスク要因
- 慢性的な便秘または下痢
- 食物繊維の不足や水分摂取不足
- 長時間の座位作業(デスクワーク、運転など)
- 妊娠・出産
- 遺伝的要因(家族に痔の人が多い)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状がある場合
- 出血が止まらず、めまいや息切れなどの貧血症状がある場合
定期受診を予約すべき場合:
- 痔核の症状が1週間以上続く場合
- 出血が繰り返し見られる場合
- 市販の軟膏や生活改善で効果がない場合
- 痔核の診断をはっきりさせたい場合
診断
医師が問診と肛門の視診・触診(指を入れて調べる)を行います。必要に応じて、肛門鏡(こうもんきょう)という器具を使って内部を見ることもあります。
行われる可能性のある検査
- 問診(症状の経過、排便習慣、生活習慣など)
- 視診(肛門の外側を目で見る)
- 触診(指で肛門の中を調べる)
- 肛門鏡検査(肛門鏡を挿入して内側を観察)
- 大腸カメラ(必要に応じて、大腸全体を調べる)
診察で予想されること
診察は短時間で終わります。肛門を診られることに抵抗があるかもしれませんが、医師はプライバシーに配慮して行います。痛みを感じることはほとんどありません。必要に応じて、大腸カメラ(内視鏡)の検査を勧められることもありますが、痔核の診断だけなら肛門の診察で十分なことが多いです。
治療
痔核の治療は、症状の程度や種類によって異なります。軽度の場合は生活習慣の改善と市販の薬で対応できますが、中等度以上では医療機関での治療(薬物療法や手術が必要になることも)が必要です。
自宅でのセルフケア
- 食物繊維を多く含む食品(野菜、果物、全粒穀物など)を積極的に摂る
- 1日1.5~2リットルを目安に水分をしっかり取る
- トイレで長時間座らない(5分以上は避ける)
- 排便時に強くいきまない
- 肛門を清潔に保ち、刺激の少ない石けんを使う
- 温かいお風呂に浸かって血行を促進する(座浴も効果的)
医療治療
医療機関では、症状に応じて軟膏や坐薬(ざやく)などの外用薬が処方されることがあります。また、内服薬として血管を強化する薬や、便を柔らかくする薬が使われることもあります。重症の場合には、ゴム輪で痔核の根元を縛る結紮術(けつさつじゅつ)や、注射で痔核を縮小させる硬化療法、レーザーや電気メスで切除する手術などが行われることがあります。治療法は患者さんの状態に合わせて医師が選択します。
手術が検討される場合
痔核が重度で、日常生活に支障をきたす場合や、他の治療では効果が不十分な場合に手術が検討されます。特に、内痔核が脱出して戻らなくなった場合や、血栓性外痔核で強い痛みがある場合などが適応になります。手術の方法にはいくつかの種類があり、入院期間や回復期間は異なります。
この病気と共に生きる
痔核は再発しやすい病気ですが、日頃の生活習慣を工夫することで症状をコントロールできます。排便時のいきみを避け、トイレに長く座らない習慣をつけましょう。また、肛門を清潔に保つために、ぬるま湯で洗うか、おしりふきを使うのも良い方法です。
生活習慣のアドバイス
- 座っている時間が長い場合は、1時間に1回は立ち上がって体を動かす
- 重い物を持ち上げる時は、姿勢に注意し、息を止めない
- 便秘を予防するために、規則正しい食生活と適度な運動を心がける
- ストレスをためすぎないようにする(ストレスは便秘や下痢の原因になります)
食事と運動
食物繊維を1日20~25g摂ることを目標にしましょう。例えば、野菜、果物、豆類、玄米などを積極的に食べてください。また、ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動は、腸の動きを活発にし、便秘の改善に役立ちます。激しい運動は逆効果になることもあるので、無理のない範囲で続けましょう。
精神的健康と心の健康
痔核はデリケートな場所の症状であるため、恥ずかしさや不安を感じる方も少なくありません。しかし、適切に治療すれば良くなる病気です。一人で悩まず、医師に相談しましょう。不安が強い場合は、症状が改善しても心配が続くことがあります。その場合は、必要に応じて心理的なサポートを求めることも検討しましょう。
予防
痔核は完全に予防することは難しいかもしれませんが、生活習慣の改善でリスクを大幅に減らすことができます。特に、便秘の予防と排便の習慣が重要です。
合併症
治療しない場合
- 慢性の出血による貧血
- 痔核が大きくなり、脱出したまま戻らなくなる(嵌頓:かんとん)
- 血栓性外痔核(急に痛みを伴うしこりができる)
- 感染を起こして化膿すること(まれ)
長期的な見通し
痔核は適切な治療と生活習慣の改善で、ほとんどの場合、症状は良くなります。再発することもありますが、日頃のケアを続ければコントロール可能です。重症でも手術で根本的に治すことができますので、安心してください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。