Hair Loss
参照した情報源
この記事は患者教育のための独自コンテンツです。
- WHO—Health topics A–Z(2024)
- NHS—Health A to Z(2024)
- CDC—Health topics(2024)
国際的な臨床ガイドラインに基づいています
概要
脱毛症(だつもうしょう)とは、頭皮や体の毛が通常よりも多く抜け落ちる状態のことです。日々の生活の中で自然に髪の毛が抜けることはありますが、脱毛症ではその量が増えたり、特定の場所で抜けたりします。抜け毛の仕組みや原因はさまざまです。
重要な事実
- 脱毛症にはいくつかの種類があり、最も多いのは男性型脱毛症(AGA)と円形脱毛症(まんまるに抜けるタイプ)です。
- 髪の毛は健康な人でも1日50~100本程度抜けるのが普通です。
- 強いストレスや病気がきっかけで一時的に抜け毛が増えることもあります(休止期脱毛)。
大変よくある症状です。日本人では男性の約3割、女性でも約1割が一生のどこかで気になる脱毛を経験すると言われています。
どの年齢でも起こりえますが、男性型脱毛症は思春期以降の男性に多く、円形脱毛症は子どもから大人まで幅広い年齢で見られます。女性では更年期以降に薄毛を感じる方も増えます。
症状
- 頭皮に突然激しい痛みや腫れが生じ、脱毛を伴う
- 髪が大量に抜けると同時に、頭皮に膿(うみ)や水ぶくれができる
- 脱毛に加えて、全身の発熱やだるさがある
- ⚠短期間(数日~数週間)で急速に髪が抜け落ちる
- ⚠頭皮に赤みやかさぶた、強いかゆみがある
一般的な症状
- 頭頂部や生え際から髪が徐々に細くなり、薄くなる
- 直径数センチのまん丸な脱毛斑(はげた部分)が1か所または複数できる
- シャンプーやブラッシングのときに通常より多くの髪の毛が抜ける
子供の症状
- 後頭部や側頭部に小さな円形の脱毛斑が突然現れる
- 脱毛斑が広がって複数になることもある
- かゆみや赤みはほとんどないが、まれに軽い炎症を伴うことがある
高齢者の症状
- 頭頂部や前頭部の薄毛がゆっくりと進行する
- 髪全体が細くなり、ボリュームが減る
- 加齢による自然な変化と区別しにくい場合がある
原因
主な原因
- 遺伝的要因(特に男性型脱毛症)
- ホルモンバランスの変化(男性ホルモン、妊娠・出産、更年期など)
- 強いストレスや大きな病気・手術
- 自己免疫の異常(円形脱毛症)
- 栄養不足(鉄欠乏、亜鉛不足など)
- 特定の薬の副作用(抗がん剤など)
リスク要因
- 家族に脱毛症の人がいる
- 慢性的なストレスを抱えている
- 極端なダイエットや食事の偏りがある
- 頭皮の炎症や感染症を繰り返す
- 喫煙習慣がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 髪が急に束になって抜ける、または広範囲の脱毛が数日で進む
- 頭皮に強い痛みや腫れ、化膿がある
定期受診を予約すべき場合:
- ゆっくりと薄毛が進行して気になる
- 円形の脱毛斑が1か月以上続く
- 抜け毛の量が増えて日常生活に支障を感じる
診断
医師が頭皮の状態を直接診察し、問診で抜け毛の経過や生活習慣を詳しく聞きます。必要に応じて検査を行い、脱毛の原因を調べます。
行われる可能性のある検査
- 毛髪鏡検査(頭皮と毛根の状態を拡大して観察)
- 引っ張りテスト(軽く髪を引っ張って抜けやすさを確認)
- 血液検査(甲状腺ホルモン、鉄分、亜鉛、自己抗体などを調べる)
- 頭皮の組織検査(皮膚生検:原因がはっきりしない場合に一部を採取して調べる)
診察で予想されること
診察室で医師が頭皮や髪の状態を見せてもらいながら、いつからどのように抜け始めたかを話します。検査結果が出るまでに数週間かかることもありますが、ほとんどの検査は痛みを伴わず、簡単に受けられます。
治療
脱毛症の治療は原因や種類によって異なります。自己免疫が関係する円形脱毛症、ホルモンが関係する男性型脱毛症、ストレスが原因の休止期脱毛など、それぞれに適した方法があります。
自宅でのセルフケア
- 頭皮を優しく洗い、強くこすったり引っかいたりしない
- バランスの良い食事を心がけ、特にたんぱく質、鉄分、亜鉛を十分に摂る
- ストレスをためすぎないようにし、十分な睡眠をとる
- 過度なヘアカラーやパーマ、強い熱のドライヤーを控える
- 喫煙を避ける
医療治療
医師の指導のもと、塗り薬や飲み薬による治療が行われることがあります(日本では厚生労働省が承認した成分を含む製品が使用されます)。また、光線療法(紫外線やレーザーを頭皮に当てる治療)や、血小板を豊富に含む自分の血液を頭皮に注射する治療(PRP療法)なども選択肢です。円形脱毛症では、ステロイドの注射や塗り薬が効果を示すことがあります。なお、薬の種類や使用期間は必ず医師と相談し、自己判断で使用しないでください。
手術が検討される場合
男性型脱毛症が進行した場合や、薬物治療で効果が不十分な場合には、自分の後頭部の毛根を移植する植毛手術(自毛植毛)が検討されることがあります。手術は医療機関で行われ、保険適用外の自由診療です。
この病気と共に生きる
脱毛があっても日常生活はほとんど変わりません。ただし、帽子やかつら(ウィッグ)を活用したり、髪型を工夫することで気になる部分を隠すことができます。頭皮を清潔に保つことは新しい毛の成長を助けます。
生活習慣のアドバイス
- 頭皮に刺激の少ないシャンプーを選ぶ
- 帽子や日傘で頭皮を紫外線から守る
- ヘアスタイルはきつく結ばない、引っ張らない
- 必要に応じて医療用かつらやヘアピースの利用を検討する
食事と運動
偏りのない食事が大切です。特に、髪の材料になるたんぱく質(肉、魚、卵、大豆製品)、鉄(レバー、ほうれん草)、亜鉛(牡蠣、ナッツ)を意識して摂りましょう。適度な運動は血行を良くし、ストレス解消にも役立ちます。
精神的健康と心の健康
外見の変化は自尊心や気分に影響を与えることがあります。特に若い世代では、人目が気になったり、自信を失ったりする方も少なくありません。脱毛による悩みは決して一人で抱え込まずに、医師やカウンセラーに相談することが大切です。
予防
すべての脱毛症を完全に予防することはできません。しかし、健康的な生活習慣(十分な睡眠、バランスの良い食事、ストレス管理、頭皮ケア)を心がけることで、脱毛のリスクを減らしたり、症状の進行を遅らせたりすることは期待できます。特に男性型脱毛症では、早めの対応が効果的です。
ワクチン
脱毛症を予防するワクチンは現在ありません。
検診プログラム
特に定期的なスクリーニングは推奨されていませんが、気になる変化があれば早めに皮膚科を受診することで、原因を特定しやすくなります。
合併症
治療しない場合
- 心理的なストレスやうつ状態になるリスクが高まる
- 男性型脱毛症などの進行型では、治療開始が遅れると毛根が萎縮して回復しにくくなる
- 円形脱毛症が重症化すると、頭髪全体(全頭脱毛)や全身の毛(汎発性脱毛)が抜けることがある
長期的な見通し
多くの脱毛症は適切な治療や生活改善により改善が期待できます。特に若い方や症状が軽い場合は、自然に回復することも少なくありません。たとえ元の状態に戻らなくても、現在の医療技術やサポート制度を利用することで、多くの方が自信を持って生活できるようになります。あきらめずに医師と相談しながら、自分に合った方法を見つけていきましょう。
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- 日本皮膚科学会 ↗ · 日本全国
- 厚生労働省 脱毛に関する情報 ↗ · 日本全国
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。