Hearing Loss
参照した情報源
この記事は患者教育のための独自コンテンツです。
- WHO—Health topics A–Z(2024)
- NHS—Health A to Z(2024)
- CDC—Health topics(2024)
国際的な臨床ガイドラインに基づいています
概要
難聴(なんちょう)とは、音が聞こえにくくなったり、全く聞こえなくなったりする状態のことです。軽度から重度まであり、片方の耳だけ、または両方の耳に影響することがあります。
重要な事実
- 加齢による難聴は最も一般的なタイプで、60歳以上の約3人に1人が経験します。
- 騒音に長期間さらされると、音を感じる細胞が傷つき、難聴の原因になります。
- 赤ちゃんの難聴は早期発見・早期治療が大切で、日本の新生児聴覚スクリーニング(新生児の聴力検査)が推奨されています。
はい、とてもよくある症状です。年齢を重ねるにつれて自然に起こる場合も多く、世界中で何百万人もの人が難聴に悩んでいます。
あらゆる年齢の人に起こり得ますが、高齢者に最も多く見られます。また、赤ちゃんや子どもも、遺伝や感染症などが原因で難聴になることがあります。働く世代では、大きな音にさらされる仕事(工事現場や音楽関係など)をしている人にリスクが高まります。
症状
- 突然、片方の耳が全く聞こえなくなった
- 難聴にめまいやふらつきが伴う
- 耳の激しい痛みや出血がある
- 頭部をぶつけた後に難聴が起こった
- ⚠数日から1週間以内に急に聞こえが悪くなった(突発性難聴の可能性)
- ⚠耳から膿(うみ)や液体が出る
- ⚠耳の中でポコポコとした音や詰まった感じが続く
- ⚠痛みがあり、発熱もある
一般的な症状
- 人の話が聞き取りにくく、何度も聞き返す
- テレビやラジオの音量を大きくしすぎる
- 静かな場所でも耳鳴り(耳の中で音がする感じ)がする
- 電話の声が聞こえにくい
- 周りの音がこもって聞こえる
子供の症状
- 言葉の発達が遅れる(たとえば、1歳で「ママ」と言わないなど)
- 名前を呼んでも振り向かない
- テレビを近くで見たり、音量を上げたがる
- 学校の授業で集中できない、成績が落ちる
- 耳の感染症(中耳炎)を繰り返す
高齢者の症状
- 会話を聞き取れず、うなずいたり笑ったりしてごまかす
- 社会的な集まりを避けるようになる
- 耳鳴りやめまいを伴うことがある
- 誤解が増え、いらいらしたり落ち込んだりする
原因
主な原因
- 加齢(ろう化(加齢性難聴))
- 大きな音に長期間さらされる(騒音性難聴)
- 耳の感染症(中耳炎など)
- 遺伝的要因
- 特定の薬の副作用(薬によっては聴力に影響することがあります)
- 頭部や耳へのけが
- 耳あかや異物が耳の穴をふさぐ
リスク要因
- 年齢が高い(60歳以上)
- 大きな音のする職場や環境で働く
- タバコを吸う
- 糖尿病や高血圧など循環器の病気がある
- 耳の感染症を繰り返す
- 家族に難聴の人がいる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然、片方または両方の耳が聞こえなくなった
- 難聴に強いめまい、耳の痛み、出血がある
- 頭を強く打った後に起こった難聴
定期受診を予約すべき場合:
- 徐々に聞こえが悪くなっていると感じる
- 耳鳴りが続く
- 会話に支障をきたすようになった
- 子どもが言葉の発達に遅れがある、または耳の感染症を繰り返す
診断
医師が病歴を聞き、耳の中を診察し、いくつかの聴力検査を行って難聴の程度や原因を調べます。
行われる可能性のある検査
- 純音聴力検査(さまざまな大きさや高さの音を聞いて、どの程度聞こえるかを調べる)
- 語音聴力検査(言葉がどのくらい聞き取れるかを調べる)
- ティンパノメトリー(鼓膜(こまく)や中耳の動きを調べる検査)
- 耳音響放射(OAE)検査(内耳の音を感知する細胞の働きを調べる)
- 画像検査(CTやMRI)が必要な場合もある
診察で予想されること
聴力検査は痛みがなく、30分から1時間程度で終わります。防音室でヘッドホンを付け、ボタンを押すなどの簡単な操作で行われます。検査結果をもとに医師が説明してくれます。
治療
難聴の治療は、原因や程度によって異なります。伝音難聴(音の通り道の問題)は薬や手術で改善できる場合が多く、感音難聴(内耳や神経の問題)は現在のところ完全に治すことは難しいですが、補聴器(ほちょうき)や人工内耳(じんこうないじ)などの機器で聞こえをサポートできます。
自宅でのセルフケア
- 耳あかが原因の場合は、耳鼻科で取ってもらう(自分で綿棒などで取ろうとしない)
- 大きな音を避ける、または耳栓をする
- 耳を清潔に保ち、水が入らないようにする
- 疲れやストレスをためない(耳鳴りが悪化することがある)
医療治療
原因によって治療法が異なります。例えば、中耳炎が原因なら抗生物質(細菌を殺す薬)を使って炎症を抑えます。突発性難聴(突然起こる難聴)の場合、ステロイド薬(炎症を抑える薬)の内服や点滴が行われることがあります。補聴器や人工内耳は、聴力を補うための機器で、医師の指導のもとで選びます。
手術が検討される場合
耳の構造に問題がある場合(耳小骨(じしょうこつ)の硬化症や慢性中耳炎など)には手術が行われることがあります。また、重度の感音難聴で補聴器が効果不十分な場合、人工内耳の埋め込み手術の選択肢もあります。
この病気と共に生きる
難聴と上手に付き合うには、周りの人に聞こえにくいことを伝え、相手が口元をはっきり見せて話してもらうようお願いしましょう。補聴器や人工内耳を使う場合は、少しずつ慣らしていくことが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 静かな場所で会話する(テレビやラジオを消す)
- 人の顔を見て話す(口の動きや表情を読む)
- 補聴器を使う場合は、定期的に調整やメンテナンスを受ける
- 手話や筆談を覚える(必要に応じて)
- 難聴者向けのサークルや交流会に参加する
食事と運動
バランスの良い食事と適度な運動は、血行を良くし、内耳の健康維持に役立ちます。特に、塩分を控えめにし、野菜や果物を多く取ることが推奨されています。
精神的健康と心の健康
難聴はコミュニケーションが難しくなるため、孤独感やうつ状態になりやすくなります。また、認知機能の低下との関連も指摘されています。気分が落ち込んだり、人との交流を避けたくなる場合は、早めに医師やカウンセラーに相談しましょう。
予防
全ての難聴を防げるわけではありませんが、騒音による難聴は予防できます。大きな音の場所では耳栓やイヤーマフを着用し、音量を下げることが大切です。また、赤ちゃんの感染症予防(風疹やおたふくかぜの予防接種)も難聴予防に役立ちます。
ワクチン
風疹やおたふくかぜ(ムンプス)の予防接種は、これらの感染症が原因の難聴を防ぐのに役立ちます。特に妊娠を考えている女性は風疹の抗体検査と予防接種を検討しましょう。
検診プログラム
日本では、すべての新生児を対象に「新生児聴覚スクリーニング」が普及しています。この検査で早期に難聴が見つかれば、生後6か月以内に支援を始めることができ、言葉の発達に大きな差が出ます。大人でも、定期的な聴力検査(特に高齢者や騒音職場の人)が推奨されています。
合併症
治療しない場合
- コミュニケーションの困難が続き、社会的に孤立する
- うつ病や不安障害のリスクが高まる
- 認知機能の低下(認知症リスクの上昇)
- 仕事や日常生活での安全リスク(警告音が聞こえないなど)
- 子どもの場合は言語発達の遅れや学習障害につながる
長期的な見通し
難聴は適切に対処すれば、多くの人が通常の生活を送ることができます。補聴器や人工内耳などの支援機器、コミュニケーションの工夫、周囲の理解があれば、社会参加は十分可能です。早期発見と治療が将来の生活の質を大きく左右しますので、気になる症状があれば早めに相談してください。
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- 一般社団法人日本聴覚障害者情報センター ↗ · 日本全国
- 一般財団法人全日本ろうあ連盟 ↗ · 日本全国
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。