Hepatitis B
参照した情報源
この記事は患者教育のための独自コンテンツです。
- WHO—Hepatitis B fact sheet(2023)
- NHS—Hepatitis B(2023)
- CDC—Hepatitis B(2024)
- EASL—EASL Clinical Practice Guidelines on Hepatitis B(2017)
国際的な臨床ガイドラインに基づいています
概要
B型肝炎(Bがたかんえん)は、B型肝炎ウイルス(ビーがたかんえんウイルス)によって肝臓(かんぞう)に炎症(えんしょう)が起こる病気です。急性(きゅうせい)のものと慢性(まんせい)のものがあります。急性は数か月で治ることが多いですが、慢性になると長期間にわたって肝臓に影響を与えることがあります。
重要な事実
- B型肝炎は血液(けつえき)や性行為(せいこうい)、または出産時に母親から赤ちゃんに感染することがあります。
- 多くの人は症状(しょうじょう)が現れないことがあります。
- ワクチン接種(せっしゅ)で予防(よぼう)できます。
日本では、ワクチンの普及により新たな感染者は減っていますが、すべての年代で見られます。特に、ワクチンが一般的になる前に生まれた世代では、保因者(ほいんしゃ)が一定数います。
誰でも感染する可能性がありますが、性交渉の多い人、注射針を共有する人、B型肝炎に感染した母親から生まれた赤ちゃんなどがリスクが高いです。医療従事者も血液を介した感染リスクがあります。
症状
- 意識がもうろうとする
- 出血が止まりにくい(あざができやすい)
- お腹が大きく膨れて痛みが強い(腹水(ふくすい)の可能性)
- ⚠皮膚や目が黄色くなった(黄疸)
- ⚠尿の色がコーラのように濃い
- ⚠吐き気や嘔吐(おうと)が続く
- ⚠右上腹部の激しい痛み
一般的な症状
- 疲れやすさ
- 黄疸(おうだん)(皮膚や目が黄色くなる)
- 尿の色が濃くなる
- 右上腹部(みぎうえふくぶ)の痛みや不快感
- 食欲不振(しょくよくふしん)
- 吐き気(はきけ)
子供の症状
- 多くの場合、症状がないか、軽い発熱や発疹(ほっしん)のみ
- 黄疸が出ることもあるが、大人より軽いことが多い
高齢者の症状
- 症状が強く出ることが多く、黄疸や強い疲労感、肝機能の低下がみられることがある
- 高齢者は肝臓の炎症が長引くリスクが高い
原因
主な原因
- B型肝炎ウイルス(HBV)の感染。感染者の血液、精液(せいえき)、膣分泌液(ちつぶんぴつえき)などの体液を介して感染します。
- 出産時に感染した母親から赤ちゃんへ感染(母子感染)。
- 注射針やカミソリ、歯ブラシなどを共有することによる感染。
リスク要因
- コンドームを使用しない性行為
- 複数の性交渉相手がいる
- 注射針を共有する(薬物使用など)
- 医療現場で血液に触れる仕事をしている
- B型肝炎の保因者(慢性感染)と同居している
- ワクチン接種を受けていない
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 黄疸(皮膚や目が黄色い)
- 尿が濃い
- 右上腹部の強い痛みや腫れ
- 吐き気や嘔吐が続く
定期受診を予約すべき場合:
- B型肝炎に感染する可能性があった(感染者との接触、針刺し事故など)
- 定期的な健康診断で肝機能の異常を指摘された
- 妊娠を考えている、または妊娠中で検査を受けていない
診断
血液検査(けつえきけんさ)で診断します。B型肝炎ウイルスの表面抗原(HBs抗原)や抗体(こうたい)を調べることで、感染の有無や病状の段階を判断します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査:HBs抗原、HBs抗体、HBc抗体など
- 肝機能検査(AST、ALTなど)
- ウイルス量(DNA定量)検査
- 腹部超音波(エコー)検査:肝臓の状態を画像で確認
診察で予想されること
医師が問診(もんしん)と診察(しんさつ)を行った後、採血(さいけつ)をします。結果が出るまで数日かかることがあります。検査結果に基づいて、治療の必要性や経過観察の計画が説明されます。
治療
治療は、急性感染か慢性感染か、また肝臓の状態によって異なります。急性B型肝炎は多くの場合、安静と体調管理で自然に治ります。慢性B型肝炎では、ウイルスの活動を抑える治療が必要になることがあります。
自宅でのセルフケア
- 十分な休息をとる
- 水分をしっかり摂る
- アルコールを控える(肝臓への負担を減らすため)
- 医師の指示がない限り、市販薬(特にアセトアミノフェンを含むもの)を避ける
- タオルや歯ブラシなどの共用を避ける
医療治療
慢性B型肝炎の治療では、ウイルスの増殖を抑える薬(抗ウイルス薬)が使われます。また、肝臓の炎症を抑える薬や、肝がんのリスクを減らすための治療も検討されます。治療は長期間にわたることが多く、定期的な血液検査や画像検査で経過を観察します。具体的な薬剤名は医師が患者の状態に合わせて選択します。
手術が検討される場合
手術が必要になることはほとんどありません。ただし、肝硬変(かんこうへん)や肝がんが進行した場合、肝移植(かんいしょく)が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
慢性B型肝炎と診断された場合、定期的に医療機関で検査を受けることが重要です。日常生活では、肝臓の健康を保つためにバランスの良い食事を心がけ、アルコールは控えましょう。また、家族やパートナーへの感染を防ぐため、ワクチン接種を勧めることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- アルコールは控える(肝臓に負担をかけない)
- 禁煙(たばこは肝臓にも悪影響)
- コンドームを使用して性感染症を予防する
- 注射針や個人用の刃物を共有しない
- 定期的な運動(無理のない範囲で)
食事と運動
肝臓に優しい食事として、野菜や果物、全粒穀物(ぜんりゅうこくもつ)を多く摂り、脂肪分の多い食品や加工食品は控えましょう。適度な運動(ウォーキングなど)は体力維持に役立ちますが、激しい運動は避けてください。
精神的健康と心の健康
慢性の病気と向き合うことは、不安やストレスを感じることがあるかもしれません。気分が落ち込んだり、眠れないなどの症状が続く場合は、医師や相談機関に話すことが大切です。
予防
はい、B型肝炎は予防可能です。最も効果的な方法はワクチン接種です。また、感染リスクを避ける行動(安全な性交渉、注射針の共有をしないなど)も重要です。
ワクチン
B型肝炎ワクチンは、乳児期に定期接種として行われています。また、感染リスクの高い大人(医療従事者、透析患者、感染者の家族など)も接種が推奨されています。厚生労働省のガイドラインに基づき、3回の接種で高い予防効果が得られます。
検診プログラム
妊娠中の女性はB型肝炎の検査が推奨されており、陽性の場合は赤ちゃんへの感染予防処置(ワクチンと免疫グロブリン)が行われます。また、リスクのある人は積極的に検査を受けることが勧められます。
合併症
治療しない場合
- 慢性化して肝臓の炎症が続くと、肝硬変(かんこうへん)に進行することがあります。
- 肝硬変から肝がん(かんがん)を発症するリスクが高まります。
- 急性の重症化により肝不全(かんふぜん)を起こすこともまれにあります。
長期的な見通し
慢性B型肝炎は適切な治療と定期的なフォローアップにより、多くの人が健康な生活を長く続けることができます。肝硬変や肝がんのリスクも、治療によって抑えられます。早期発見と継続的な管理が大切です。希望を持って、医師と一緒に治療に取り組みましょう。
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国際機関
地域の団体
- 厚生労働省 ↗ · 日本
- 日本肝臓学会 ↗ · 日本
- NPO法人 B型肝炎支援ネットワーク ↗ · 日本
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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