Keratoconus overview
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
円錐角膜(えんすいかくまく)は、目の表面の透明な膜(角膜)が徐々に薄くなり、円すいのように前方に突出する病気です。これによって光が正しく集まらなくなり、物がゆがんで見えたり、ぼやけたりします。進行すると近視や乱視が強くなることがあります。
重要な事実
- 通常は両方の目に起こりますが、程度が異なることがあります。
- 多くは10代から20代で始まり、徐々に進行します。
- 進行を遅らせる治療法があります。放置すると視力が大きく低下する可能性があります。
- メガネやコンタクトレンズで矯正できることが多いですが、重症の場合は手術が必要になることもあります。
円錐角膜は比較的まれな病気で、人口の約0.05%~0.2%にみられます。つまり、日本人では約500人から2000人に1人くらいの割合です。
多くは10代後半から20代前半に発症します。男性にやや多い傾向があります。アレルギー体質の方(特にアトピー性皮膚炎や花粉症)や、目をよくこする習慣がある方に起こりやすいとされています。
症状
- 突然、片方の目が見えなくなる(視力喪失)
- 眼球の激しい痛みを伴う
- 目をぶつけた後など、外傷が原因で症状が急に悪化した
- ⚠コンタクトレンズが外れなくなり、目が赤く痛む
- ⚠急に視力が著しく低下した
- ⚠角膜が白く濁る(急性水腫の可能性)
- ⚠光が非常にまぶしく、普段と違う痛みがある
一般的な症状
- 物がゆがんで見える(ゆがみ)
- 視力がぼやける(かすみ)
- 光がまぶしく感じる(光過敏)
- 夜間に光がにじんで見える(ハロー・グレア)
- 近視や乱視の度が頻繁に変わる
- メガネの度数が合わなくなり、何度も変える必要がある
子供の症状
- 子どもは自分の症状をうまく説明できないことがあります。
- 黒板の字が見にくい、目の疲れを訴える、まぶしがるなどのサインに注意が必要です。
- 急に視力が落ちたように見える場合は、眼科を受診しましょう。
高齢者の症状
- 高齢者では他の目の病気(白内障や加齢黄斑変性など)と間違われることがあります。
- 視力の変化がゆっくり進むため、気づかないこともあります。
- 定期的な眼科検診で早期発見が重要です。
原因
主な原因
- 原因は完全にはわかっていませんが、角膜を構成するコラーゲン線維の強度が弱くなることが関係していると考えられています。
- 遺伝的な要因(家族に円錐角膜の人がいる場合、リスクが高まることがあります)
- 目を強くこする習慣が進行を促進する可能性があります。
リスク要因
- アトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー疾患がある
- ダウン症などの染色体異常
- マルファン症候群やエーラス・ダンロス症候群などの結合組織疾患
- 慢性的な目のこすり(特にアレルギーによるかゆみでこする)
- 遺伝(家族歴がある)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 急に視力が大きく低下した
- 角膜が白く濁ったように見える(急性水腫の可能性)
- コンタクトレンズが原因で目が赤く痛む
- 激しい目の痛みがある
定期受診を予約すべき場合:
- 視力が徐々に落ちてきたり、物がゆがんで見えるようになった
- メガネやコンタクトレンズの度数を頻繁に変えなければならない
- 定期的な眼科検診を受けていない(特に10代~20代の方は年に1回の検診をおすすめします)
- 家族に円錐角膜の方がいる場合、症状がなくても一度眼科で相談しましょう
診断
眼科で行ういくつかの検査で診断されます。視力検査や角膜の形状を詳しく調べる検査が中心です。
行われる可能性のある検査
- 角膜形状解析(角膜トポグラフィー):角膜の表面の形を3次元的に測定する検査です。これが最も診断に有用です。
- 細隙灯顕微鏡検査:目の前を細い光で照らして角膜の状態を観察します。
- 角膜厚測定(パキメトリー):角膜の厚さを測ります。円錐角膜では薄くなっています。
- 屈折検査:視力や近視・乱視の程度を調べます。
診察で予想されること
検査は痛みを伴いません。目に特殊な装置をのぞき込むだけで、通常は数十分で終わります。瞳孔を広げる目薬を使うこともありますが、その場合は数時間見え方がぼやけることがあります。車の運転は控えてください。
治療
円錐角膜の治療は、進行を遅らせることと、視力を改善することの2つが目標です。病気の段階や症状に応じて、メガネやコンタクトレンズ、手術などが選択されます。必ず眼科医の指導のもとで治療を受けてください。
自宅でのセルフケア
- 絶対に目をこすらないでください。こする行為が進行を早めます。
- アレルギーがある方は、医師の指導のもとでアレルギー治療をしっかり行い、かゆみをコントロールしましょう。
- 定期的な眼科検診を受け、指示されたコンタクトレンズの装用時間を守ってください。
- 紫外線から目を守るために、外出時はサングラスをかけるとよいでしょう。
医療治療
初期段階では、メガネで十分な視力が得られることもあります。進行すると、ハードコンタクトレンズや特殊な形状のコンタクトレンズ(角膜に合わせたもの)で矯正します。最近では、角膜クロスリンキングという治療が行われており、角膜を強化して進行を抑制することができます。これは手術の一種で、医師が適応を判断します。進行が強い場合は、角膜移植術が検討されることもあります。いずれの治療も、医師とよく相談して決めてください。
手術が検討される場合
角膜クロスリンキングは、進行が確認された場合に行われることが多いです。角膜移植は、コンタクトレンズでも十分な視力が得られず、角膜に強い濁りがある場合などに検討されます。
この病気と共に生きる
円錐角膜と診断されても、多くの方は適切な治療により日常生活を送れます。コンタクトレンズの装用には慣れが必要ですが、徐々に慣れていきます。定期的な眼科受診を欠かさず、目の状態をチェックしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 目をこする習慣を断つことが最も大切です。かゆいときは冷たいタオルで冷やすか、医師に相談してアレルギー治療を行いましょう。
- コンタクトレンズは清潔に扱い、指定された期間・方法で使用してください。
- パソコンやスマートフォンの使用中は意識的にまばたきを増やし、目を乾燥させないようにしましょう。
- 定期的に眼科で検診を受け、角膜の状態をチェックしましょう。
食事と運動
特別な食事制限はありません。バランスの良い食事を心がけてください。運動は制限なく行えますが、激しいスポーツで目に衝撃を受ける可能性がある場合は、保護メガネを着用すると安心です。
精神的健康と心の健康
視力の変化や治療への不安から、ストレスや気分の落ち込みを感じることがあるかもしれません。また、見え方の変化で学校や仕事に支障が出ることもあります。このような気持ちは自然なことです。一人で抱え込まず、家族や友人、医師に相談してください。必要に応じて、カウンセリングなどのサポートも利用できます。
予防
円錐角膜を完全に予防する方法はわかっていません。しかし、目をこすらないという行動を心がけることで、進行を遅らせたり、悪化を防ぐことができる可能性があります。アレルギー症状がある場合は、適切にコントロールすることが重要です。
検診プログラム
円錐角膜の早期発見には、定期的な眼科検診が有効です。特に10代から20代の方、家族に円錐角膜の人がいる方、アレルギー体質の方は、年に1回は眼科で角膜の形状検査を受けることをおすすめします。
合併症
治療しない場合
- 視力が徐々に低下し、メガネや通常のコンタクトレンズでは矯正が困難になる。
- 角膜の急性水腫:角膜の内部に水がたまり、急に痛みや視力低下、角膜の白濁が起こることがある。通常は数カ月で自然に改善するが、瘢痕(傷跡)が残ることがある。
- 角膜穿孔(まれ):極端に薄くなった角膜に穴が開くことがある。これは緊急手術が必要。
- 視力障害による日常生活への支障(運転、読書、仕事など)
長期的な見通し
適切な治療を受ければ、多くの方は日常生活に不自由しない視力を維持できます。角膜クロスリンキングにより進行を止めることができるようになり、角膜移植が必要になるケースは減っています。視力矯正の方法も進歩しており、希望を持って治療に取り組むことが大切です。定期的な眼科フォローアップで状態を管理していきましょう。
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地域の団体
- 日本眼科学会 ↗ · 日本
- 日本コンタクトレンズ学会 ↗ · 日本
- 厚生労働省(病気に関する情報) ↗ · 日本
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月27日
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