腎盂腎炎(腎臓感染症)
国際的な診療ガイドラインに基づく
症状が重い、悪化している、または生命を脅かす場合は、すぐに緊急医療を受けてください。
概要
腎盂腎炎(じんうじんえん)は、細菌が尿道から膀胱、さらに腎臓にまで上がることで起こる感染症です。腎臓は血液をろ過して尿を作る臓器で、ここに炎症が起きます。適切に治療すれば多くの場合治りますが、放置すると重くなることがあります。
重要な事実
- 腎盂腎炎は通常、膀胱炎が悪化して腎臓に広がることで起こります。
- 女性に多く見られますが、男性や子どもでも起こります。
- 早期に治療を始めれば、ほとんどの人は完全に回復します。
日本では年間に10万人あたり数十人が発症するとされ、特に膀胱炎を繰り返す女性に多く見られます。
膀胱炎を起こしやすい女性(特に20~50代)、妊娠中の女性、尿道カテーテルを使用している人、糖尿病や免疫力が低下している人に多く見られます。
症状
- 高熱(40℃近く)と激しい寒気がある
- 腰やわき腹に激しい痛みがある
- 血尿がはっきり見える
- 意識が混濁している、呼びかけに反応が鈍い
- ⚠熱とともに排尿痛や頻尿がある
- ⚠腰やわき腹の痛みが続く
- ⚠吐き気や嘔吐がひどく、水分が取れない
一般的な症状
- 高熱(38℃以上)と寒気
- 腰やわき腹の痛み(片側または両側)
- 頻尿、排尿時の痛み、尿の濁りや血尿
- 吐き気や嘔吐
子供の症状
- 原因不明の高熱
- ぐずる、機嫌が悪い
- 母乳やミルクの飲みが悪い
- 嘔吐や下痢
- おなかを痛がる
高齢者の症状
- 急に意識がぼんやりする(せん妄)
- 発熱(ない場合もある)
- 全身のだるさ、食欲低下
- 排尿の変化(頻尿、失禁など)
原因
主な原因
- 大腸菌などの細菌が尿道から膀胱に入り込み、尿管を上って腎臓に達することで感染が起こります。
リスク要因
- 女性の尿道は短く、細菌が入りやすいため
- 妊娠中はホルモンの影響で尿管が広がり、尿の流れが遅くなる
- 尿道カテーテルや頻繁な性行為
- 尿路の構造的な異常(結石や前立腺肥大など)
- 糖尿病や免疫を抑える治療を受けている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 高熱や激しい痛みがある場合
- 血尿がある場合
- 意識がぼんやりする場合
定期受診を予約すべき場合:
- 排尿時の痛みや頻尿が2~3日続く場合
- 微熱とともに腰が重だるい場合
診断
症状と尿検査を中心に診断します。尿に細菌や白血球が多く見られると腎盂腎炎が疑われます。
行われる可能性のある検査
- 尿検査(尿中の白血球、細菌、タンパクの有無を調べる)
- 尿培養検査(原因の細菌を特定し、効く抗生物質を調べる)
- 血液検査(炎症の程度や腎機能を確認)
- 画像検査(超音波やCTで腎臓の腫れや結石の有無を調べる)
診察で予想されること
受診時には尿を取るための容器を渡されます。痛みや熱があれば、まず安静にして尿と血液の検査を行います。重症の場合は入院して点滴治療を受けることもあります。
治療
治療の中心は抗生物質です。軽症なら飲み薬、重症や吐き気がある場合は点滴で抗生物質を投与します。治療期間は通常10~14日間です。
自宅でのセルフケア
- 水分をしっかり取る(1日2リットル程度を目安に)
- 安静にして体を休める
- カフェインやアルコールは控える
- 医師から処方された薬は決められた期間、最後まで飲みきる
医療治療
抗生物質による治療が基本です。軽症の場合は経口抗生物質を外来で処方し、重症や高齢者、妊婦などは入院して点滴抗生物質を投与することがあります。治療開始後48時間以内に症状が改善しない場合は、別の抗生物質への変更や画像検査で合併症の有無を調べます。
手術が検討される場合
腎盂腎炎の原因となる尿路結石や膿瘍(うみの塊)がある場合は、内視鏡手術やドレナージ(排膿)が必要になることがあります。
この病気と共に生きる
治療中は十分な休息と水分補給が大切です。症状が落ち着いても、抗生物質は医師の指示通り最後まで飲み続けてください。再発を防ぐために、排尿を我慢しない、こまめにトイレに行く習慣をつけましょう。
生活習慣のアドバイス
- 水分をこまめに摂る(特に暑い日や運動後)
- 排尿は我慢せず、尿意を感じたらすぐに行く
- 排便後は前から後ろに拭く(女性の場合)
- 性行為後は排尿して細菌を洗い流す
食事と運動
特に制限はありませんが、バランスの良い食事を心がけ、塩分の取りすぎに注意しましょう。症状が落ち着けば、軽い散歩などから徐々に運動を再開しても大丈夫です。
精神的健康と心の健康
腎盂腎炎は急な高熱や痛みで不安になることがあります。また再発を心配する方もいます。症状が治まっても、気になることや不安があれば遠慮なく医師に相談してください。
予防
完全に防ぐことはできませんが、生活習慣でリスクを減らせます。水分を十分に摂る、排尿を我慢しない、性行為後に排尿する、清潔を保つことが有効です。
ワクチン
腎盂腎炎を直接予防するワクチンはありませんが、インフルエンザや肺炎球菌のワクチンは免疫力を保つのに役立ちます。
検診プログラム
特に定期検診はありませんが、膀胱炎を繰り返す方は医師に相談し、尿検査や画像検査を受けることがあります。
合併症
治療しない場合
- 腎臓の組織が傷つき腎機能が低下する
- 敗血症(細菌が血液に回り全身に感染する)
- 腎膿瘍(腎臓にうみの塊ができる)
- 気腫性腎盂腎炎(まれに重篤なガス産生感染)
長期的な見通し
適切な抗生物質治療を受ければ、ほとんどの方は完全に回復します。ただし、基礎疾患や重症度によっては再発や長期フォローが必要な場合もあります。医師の指示に従い、完治を目指しましょう。
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国際機関
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- 日本腎臓学会 ↗ · 日本
- 腎臓病総合情報サイト(厚生労働省) ↗ · 日本
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月29日
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