ライム病
国際的な診療ガイドラインに基づく
症状が重い、悪化している、または生命を脅かす場合は、すぐに緊急医療を受けてください。
概要
ライム病は、マダニという小さな虫に刺されることでうつる病気です。マダニが持っている「ボレリア」という細菌が原因で、発熱やだるさ、皮膚に特徴的な発疹(赤い丸い模様)があらわれることがあります。早期に治療すれば回復しやすい病気です。
重要な事実
- ライム病はマダニに刺されることでうつる細菌感染症です
- 早期に適切な治療を受ければ、ほとんどの方は完全に回復します
- 日本では海外渡航後に感染することが多く、国内での感染はまれです(厚生労働省のガイドラインでも注意喚起されています)
日本ではあまり多くない病気です。海外(特に北米やヨーロッパ)でマダニに刺される機会が多い方が感染することがあります。
マダニが多い場所(森林や草むらなど)で活動するすべての年齢の方がかかる可能性があります。特にキャンプやハイキングをする方に注意が必要です。
症状
- 突然の激しい頭痛や意識がもうろうとする
- 呼吸が苦しい、胸の痛みが強い
- 体の片側が動かしにくい、言葉が話しにくい
- これらの症状がある場合はすぐに119番へ連絡してください
- ⚠発疹が広がる、または増える
- ⚠高熱(39度以上)が続く
- ⚠関節の痛みが強く動かせない
- ⚠顔面神経麻痺(顔の半分が動かない)
- ⚠同じ日に医療機関を受診してください
一般的な症状
- マダニに刺された場所に現れる「移動性紅斑」と呼ばれる赤い円形の発疹(標的のように見えることがある)
- 発熱、悪寒(さむけ)
- 疲れやすい、全身のだるさ
- 頭痛、筋肉や関節の痛み
- リンパ節の腫れ(首やわきの下など)
子供の症状
- 発疹が出やすい(特に顔や頭に現れることがある)
- 機嫌が悪くなる、ぐずる
- 発熱とともに風邪のような症状が出ることがある
- 関節の痛みを訴えることがある
高齢者の症状
- 症状が重くなりやすい(強いだるさや関節痛)
- 神経症状(顔の麻痺や手足のしびれ)が出ることがある
- 心臓に影響が出ることもある(動悸や息切れ)
- 治療が遅れると長期にわたる症状が残ることがある
原因
主な原因
- ライム病の原因は「ボレリア」という細菌です。この細菌を持ったマダニに刺されることで感染します。
- マダニは草むらや森林に生息し、動物や人の血を吸います。刺されてから24時間以上たつと感染リスクが高まります。
リスク要因
- 森林や草地でのキャンプ、ハイキング、農作業など屋外活動が多い
- 長袖・長ズボンを着用せず、肌の露出が多い服装
- マダニの多い地域への海外渡航(北米、ヨーロッパなど)
- ペットと一緒に屋外に出かける(ペットがマダニを運んでくることがある)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- マダニに刺された後に特徴的な発疹が出た
- 発熱や強いだるさがあり、最近マダニに刺された可能性がある
- 関節の腫れや痛みがひどい
定期受診を予約すべき場合:
- マダニに刺されたかもしれないが症状がない場合でも、心配なら受診を
- 海外旅行から帰ってきた後に体調がすぐれない場合
診断
医師が症状や最近のマダニ接触歴を聞き、特徴的な発疹があれば診断がつくことが多いです。血液検査で細菌に対する抗体を調べることもあります。
行われる可能性のある検査
- 抗体検査(血液中のライム病に対する抗体を調べる)
- PCR検査(細菌の遺伝子を検出する)
- 発疹の組織検査(まれに行う)
診察で予想されること
診察では、いつどこでマダニに刺されたか、どのような症状があるかを詳しく聞かれます。血液検査の結果が出るまで数日かかることもあります。早期の段階では抗体が陰性のこともあるため、症状が続く場合は再検査が必要なことがあります。
治療
ライム病は抗菌薬(細菌をやっつける薬)で治療します。早期に治療を始めれば、数週間で回復することがほとんどです。治療は医師の指示に従ってきちんと最後まで飲み切ることが大切です。
自宅でのセルフケア
- 安静にして十分な休息をとる
- 痛みや発熱がある場合は医師に相談する(自己判断で薬を使わない)
- 水分をしっかりとる
医療治療
治療の中心は抗菌薬の内服です。症状の程度や経過によって医師が適切な薬と期間を決めます。神経症状や関節炎が続く場合は点滴治療が必要なこともありますが、医師が判断します。治療が遅れた場合でも、多くの方は改善します。
手術が検討される場合
ライム病に対して手術が必要になることはありません。
この病気と共に生きる
治療中は無理をせず、体調に合わせて生活しましょう。抗菌薬を飲み始めてから症状が改善しても、医師の指示通り最後まで飲み続けることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 刺されたマダニを無理に引き抜かず、医療機関で処置してもらう
- 再びマダニに刺されないよう、屋外では肌の露出を避ける(長袖、長ズボン、帽子)
- 帰宅後はすぐに着替え、体にマダニがついていないか確認する
食事と運動
特に制限はありませんが、回復を早めるためにバランスの良い食事を心がけ、体調が許す範囲で軽い運動(散歩など)をするとよいでしょう。
精神的健康と心の健康
ライム病の症状が長引くと、気分が落ち込んだり不安になることがあります。そんなときは一人で悩まず、医師や家族、友人に相談してください。もし強いストレスを感じたら、精神保健の専門家に相談することも有効です。
予防
はい、予防は可能です。マダニに刺されないようにすることが最も大切です。屋外では虫よけスプレーを使い、長袖・長ズボンを着用し、帰宅後は体をよくチェックしましょう。マダニを見つけたら無理に引き抜かず、医療機関で処置してもらってください。
ワクチン
現在、日本ではライム病のワクチンは承認されていません。海外では一部の国で動物用ワクチンがありますが、ヒト用のワクチンは限られています。
検診プログラム
特別な定期的な検査は推奨されていません。マダニに刺された後、症状が出た場合に医療機関を受診することが大切です。
合併症
治療しない場合
- 関節炎(特に膝などの大きな関節が腫れて痛む)
- 神経症状(顔面神経麻痺、手足のしびれ、脳や脊髄の炎症)
- 心臓の炎症(動悸や息切れ、まれに不整脈)
- 慢性の疲労感や記憶力の低下
長期的な見通し
ライム病は早期に治療すれば、ほとんどの方が完全に回復します。治療が遅れても、適切な治療で多くの症状は改善します。長引く症状があっても、時間とともによくなることが多いです。希望を持って治療に取り組みましょう。
サポートを探す
国際機関
地域の団体
- 厚生労働省 – ライム病に関する情報 ↗ · 日本全国
- 国立感染症研究所 – マダニ感染症 ↗ · 日本全国
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月29日
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