Malaria
参照した情報源
この記事は患者教育のための独自コンテンツです。
- WHO—Health topics A–Z(2024)
- NHS—Health A to Z(2024)
- CDC—Health topics(2024)
国際的な臨床ガイドラインに基づいています
概要
マラリアは、ハマダラカ(特定の種類の蚊)に刺されることで感染する病気です。原因となるのは「マラリア原虫」という小さな寄生虫で、ヒトの赤血球の中で増えます。発熱や寒気、頭痛などの症状が出て、早く治療しないと重くなることがあります。
重要な事実
- マラリアは蚊が媒介する寄生虫の感染症です。
- 主な症状は、発熱、寒気、汗、頭痛、筋肉痛などです。
- 適切な治療をすれば、ほとんどの人は完全に回復します。
- 治療せずに放置すると、重症化して命に関わることがあります。
日本国内ではマラリアはまれな病気です。しかし、海外の流行地域から帰国した方がかかることがあります。毎年数十人から百人程度の輸入症例が報告されています。厚生労働省も注意を呼びかけています。
主に、マラリアの流行地域(アフリカ、東南アジア、南アジア、中南米など)を訪れた旅行者や、その地域に住む人がかかります。特に、小さな子どもや妊婦さん、免疫力が低下している人は重症化しやすいため注意が必要です。
症状
- けいれん(ひきつけ)が止まらない
- 意識を失った
- 呼吸が苦しそう、または止まったように見える
- 重度の頭痛と嘔吐を繰り返す
- ⚠流行地域から帰国後、発熱や寒気がある
- ⚠症状がひどくて、自分で水分を取れない
- ⚠尿の色が濃い(コーラ色)
- ⚠黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)がある
一般的な症状
- 突然の寒気と発熱(周期的に起こることが多い)
- 大量の汗をかいた後に熱が下がる
- 筋肉や関節の痛み
- 吐き気や嘔吐
- 倦怠感(だるさ)
子供の症状
- 貧血(顔色が悪い、元気がない)
- けいれん(ひきつけ)
- 意識障害(ぼんやりする、呼びかけに反応しない)
- 発熱に加えて呼吸が速くなる
高齢者の症状
- 高齢者では、熱が高くなくても重症化しやすい
- 意識がもうろうとする
- 呼吸困難
- 臓器不全(腎臓や肺の機能低下)のリスクが高い
原因
主な原因
- マラリア原虫(プラスモディウム属)が原因です。この寄生虫は、感染したハマダラカが人を刺すときに体内に入ります。
- 主に5種類の原虫が人に感染しますが、中でも熱帯熱マラリア原虫は重症化しやすいです。
リスク要因
- マラリアの流行地域への渡航(特に予防薬を飲まなかった場合)
- 蚊に刺される機会が多い場所や時間帯(夕方から夜明け)に外出すること
- 妊娠中や幼少期、高齢であること
- 免疫力が弱っている(エイズやその他の病気がある)
- 適切な予防策(蚊よけ、蚊帳、長袖など)をしなかったこと
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- マラリア流行地域から帰国してから数週間以内に、38度以上の発熱や寒気、頭痛などがある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
- 症状が重く、自分で動けない、意識がおかしいときは、救急車(119番)を呼んでください。
定期受診を予約すべき場合:
- 海外旅行に行く前に、旅行外来やかかりつけ医でマラリアの予防接種や予防薬について相談しましょう。
- 流行地域に長期滞在する場合は、定期的に健康診断を受けることをおすすめします。
診断
マラリアの診断は、血液検査で行います。指先から少量の血液を採って、顕微鏡でマラリア原虫がいないかを調べるのが基本です。
行われる可能性のある検査
- 血液塗抹検査(ギムザ染色):血液を薄くガラスに塗って染色し、原虫を見つけます。
- 迅速診断テスト(RDT):数分で結果が分かる簡易検査キットで、抗原を検出します。
- PCR検査:遺伝子を調べる方法で、原虫の種類や数が詳しく分かります。
診察で予想されること
医師が海外渡航歴を聞き、症状に合わせて検査を行います。検査結果は数時間から1日程度でわかることが多いです。陽性の場合、すぐに治療が始まります。血液検査は何度か行うこともあります。
治療
マラリアの治療は、抗マラリア薬(寄生虫を殺す薬)が中心です。重症の場合は入院して、点滴や経口薬で治療します。早期に適切な薬を使えば、ほとんどの人は完全に回復します。
自宅でのセルフケア
- 安静にしてしっかり休む
- 水分を十分に取る(スポーツドリンクや経口補水液がおすすめ)
- 熱が高い場合は、医師に相談した上で冷やすなどの対応をする
- 処方された薬は必ず最後まで飲み切る
医療治療
治療には、マラリア原虫の種類や重症度に応じた抗マラリア薬が使われます。軽症の場合は経口薬で治療できることが多いですが、重症(特に熱帯熱マラリア)の場合は入院して注射や点滴で薬を投与します。治療中は血液検査で原虫の減少を確認します。自己判断で薬をやめないでください。
手術が検討される場合
マラリアに対して手術が必要になることはありません。ただし、重症化して脾臓(ひ臓)が破裂するなどの合併症が起きた場合は、外科的な処置が検討されることがありますが、非常にまれです。
この病気と共に生きる
マラリアは治療が成功すれば、その後は日常生活に戻れます。ただし、治療後もしばらくは疲れやすさや貧血が続くことがあるので、無理をせず徐々に活動を増やしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 蚊に刺されないように注意する(特に再発予防のため)
- 流行地域に行くときは、予防を徹底する
- 規則正しい生活を心がけて免疫力を保つ
- 長期間の海外滞在後は、体調変化に注意する
食事と運動
回復期は栄養バランスの良い食事を心がけ、鉄分やビタミンを十分に取りましょう。激しい運動は避け、軽い散歩から始めて徐々に体力を戻してください。水分補給を忘れずに。
精神的健康と心の健康
マラリアは、特に重症だった場合、病気の経験による不安やストレスが残ることがあります。海外でかかった場合は、旅行の記憶と重なって辛く感じることもあるでしょう。そうした気持ちは自然なことです。必要に応じて、医師やカウンセラーに相談してください。
予防
はい、マラリアは予防できます。最も大切なのは、蚊に刺されないようにすることです。また、流行地域に行く前に医師に相談し、予防薬(抗マラリア薬)を処方してもらい、指示通りに服用することも効果的です。
ワクチン
現在、マラリアワクチンは一部の地域で使われていますが、日本では一般に利用できません。研究は進んでいますが、渡航者のための予防接種としてはまだ広く推奨されていません。今後の進展に期待しましょう。
検診プログラム
定期的な検診は特に必要ありません。ただし、流行地域から帰国後、体調が気になる場合は、医師に相談して血液検査を受けることができます。
合併症
治療しない場合
- 重症貧血(赤血球が大量に壊されるため)
- 脳性マラリア(意識障害やけいれん、昏睡)
- 腎不全(尿が出なくなる)
- 肺水腫(肺に水がたまる)
- 脾臓破裂
- 死亡に至ることもある
長期的な見通し
マラリアは早期に正しい治療を受ければ、ほとんどの場合、完全に回復します。重症化しても、適切な医療があれば救命できる可能性は高いです。特に日本では医療体制が整っているので、早めに受診することが大切です。完治後も、再発の可能性がある種類(三日熱マラリアなど)には注意が必要ですが、医師の指導に従えば予防できます。希望を持って治療に取り組みましょう。
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国際機関
地域の団体
- 厚生労働省 感染症情報(マラリア) ↗ · 日本
- 国立感染症研究所 マラリア ↗ · 日本
- 東京都感染症情報センター ↗ · 東京都
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。