髄膜炎
参照した情報源
この記事は患者教育のための独自コンテンツです。
- NICE—Meningitis — suspected bacterial(2023)
- NHS—Meningitis(2023)
- WHO—Meningitis fact sheet(2023)
- CDC—Meningitis(2024)
国際的な臨床ガイドラインに基づいています
概要
髄膜炎(ずいまくえん)とは、脳と脊髄(せきずい)を包んでいる薄い膜(髄膜)が炎症を起こす病気です。主にウイルスや細菌の感染によって起こり、早期に治療が必要な深刻な病気になることもあります。
重要な事実
- 髄膜炎はウイルス性と細菌性があり、細菌性は緊急の医療対応が必要です。
- 発熱、頭痛、首のこわばりが代表的な症状です。
- 予防可能な種類(ワクチンで防げるもの)もあります。
日本では年間約1,000~3,000人が発症すると推定されており、珍しい病気ではありませんが、早期発見と治療が重要です。
乳幼児、高齢者、免疫力が低下している人に多くみられますが、全年齢で発症する可能性があります。
症状
- 急な高熱と激しい頭痛がある
- 首が硬くて動かせない
- 意識がおかしい、またはけいれんを起こしている
- 紫色の斑点(あざ)が皮膚に広がる
- ⚠発熱と頭痛が続いている
- ⚠吐き気や嘔吐がひどい
- ⚠光や音に過敏になっている
一般的な症状
- 高熱(38度以上の発熱)
- 激しい頭痛
- 首のこわばり(あごを胸につけられない)
- 吐き気や嘔吐
- 光をまぶしく感じる(羞明)
子供の症状
- ぐったりして機嫌が悪い
- ミルクや食事をとらない
- 大泉門(乳児の頭の柔らかい部分)が膨らむ
高齢者の症状
- 意識がもうろうとする
- 体の震えや寝たきり状態になる
- 典型的な首のこわばりが出にくい
原因
主な原因
- 細菌感染(髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌b型など)
- ウイルス感染(エンテロウイルス、ヘルペスウイルスなど)
- 真菌や寄生虫による感染(免疫力が極端に低い場合)
- 頭部のけがや手術後の感染
リスク要因
- ワクチン接種を受けていない
- 免疫を抑える薬(ステロイドなど)を使用している
- 脾臓(ひぞう)を摘出した人
- 集団生活(寮やキャンプなど)をしている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 症状の項にある緊急症状が1つでもある場合はすぐに救急車(119番)を呼ぶ
定期受診を予約すべき場合:
- 風邪のような症状でも、高熱や強い頭痛が続く場合は診察を受ける
- 赤ちゃんや高齢者では、いつもと違う様子があれば早めに相談する
診断
医師が症状を確認した後、血液検査や腰椎穿刺(ようついせんし:背中から髄液を採取する検査)を行い、炎症の有無や原因を調べます。
行われる可能性のある検査
- 血液検査
- 腰椎穿刺(髄液検査)
- CTやMRIなどの画像検査
診察で予想されること
腰椎穿刺は痛みを伴いますが、数分で終わります。結果は数時間から翌日にはわかります。検査中は安静が必要です。
治療
治療は原因(ウイルスか細菌か)によって異なります。細菌性の場合は緊急に抗生物質(こうせいぶっしつ)を投与し、ウイルス性の場合は対症療法(症状を和らげる治療)が中心です。
自宅でのセルフケア
- 安静にして十分な休息をとる
- 水分をしっかりとる(脱水を防ぐ)
- 痛みや熱には医師に相談して適切な対応をする
医療治療
細菌性髄膜炎では、抗生物質を静脈から投与します。ウイルス性の場合、特別な薬はありませんが、脱水や痛みに対して点滴や解熱鎮痛剤を使うことがあります。重症の場合は集中治療室での管理が必要です。
手術が検討される場合
通常は手術は必要ありませんが、膿(うみ)がたまって脳を圧迫する場合など、まれに排膿手術(のうをとる手術)が必要になることがあります。
この病気と共に生きる
髄膜炎からの回復後は、後遺症(神経障害、聴力低下など)に注意しながら、生活を調整していきます。定期的に医師の診察を受けることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 無理をせず、疲れたら休む
- 予防接種を忘れずに受ける
- 感染症にかからないように手洗い・うがいを徹底する
食事と運動
バランスのよい食事をとり、体力を回復させましょう。運動は医師と相談しながら、徐々に再開します。
精神的健康と心の健康
深刻な病気の経験は、不安やストレスを残すことがあります。気分の落ち込みや不安が続く場合は、医師や心理士に相談してください。
予防
はい、予防接種と衛生習慣で多くの髄膜炎を予防できます。
ワクチン
日本では、髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌b型(Hib)ワクチンなどが定期接種または任意接種として利用できます。厚生労働省の推奨するスケジュールに従って接種しましょう。
検診プログラム
定期的なスクリーニングはありませんが、リスクのある人は医師に相談して予防策を検討してください。
合併症
治療しない場合
- 敗血症(血液中に細菌が入り全身が炎症を起こす)
- 脳や神経の損傷(聴力低下、てんかん、学習障害など)
- 意識障害や昏睡(こんすい)
- 死亡するリスク
長期的な見通し
早期に適切な治療を受ければ、多くの方は完全に回復します。細菌性でも、治療開始が早いほど予後は良好です。後遺症が残ることもありますが、リハビリや支援で生活の質を保つことができます。希望を持って治療に取り組みましょう。
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国際機関
地域の団体
- 日本感染症学会 ↗ · 日本
- 全国髄膜炎患者会(仮称) ↗ · 日本
相談窓口
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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