Microscopic colitis
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
顕微鏡的大腸炎(けんびきょうだいちょうえん)は、大腸に炎症が起こる病気です。その名の通り、顕微鏡で見ないとわからない変化が大腸の粘膜に見られます。主な症状は慢性的な水のような下痢で、痛みや膨満感(お腹が張る感じ)を伴うこともあります。
重要な事実
- 顕微鏡的大腸炎は、潰瘍性大腸炎やクローン病とは異なる病気です。
- この病気は人から人にうつるものではありません(感染症ではありません)。
- 慢性的な水のような下痢が特徴で、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返します。
日本人にはあまり多くない病気ですが、最近では診断される人が増えています。特に50歳以上の女性に多く見られます。
主に50歳以上の女性に多いですが、男性や若い人でもかかることがあります。喫煙や特定の薬の使用との関連も指摘されています。
症状
- 激しい腹痛やお腹の張りが急に現れた
- 便に血が混じる(真っ赤な血やレバーのような黒い便)
- 激しい吐き気や嘔吐がある
- 意識がぼんやりする、立ちくらみがする(脱水の重度なサイン)
- 高熱がある
- ⚠水のような下痢が数日間続いている
- ⚠原因不明の体重が減っている
- ⚠下痢とともに痛みが強くなっている
- ⚠市販の下痢止めを使っても効果がない
一般的な症状
- 水のような下痢が長期間(3週間以上)続く
- 特に夜間や早朝に便意を感じる
- お腹の痛みや不快感、けいれん
- お腹が張る、ガスが多い
- 便意が急に起こり、我慢しにくい
- 体重減少(下痢が続くため)
子供の症状
- 子どもの場合も水のような下痢が続くことが主な症状です
- お腹の痛みや膨満感を訴えることもあります
- 下痢が長引くと脱水や栄養不足になりやすいので注意が必要です
高齢者の症状
- 高齢者では下痢による脱水が特に危険です
- 体重減少や栄養状態の悪化が起こりやすい
- もともと他の病気(心臓病や腎臓病など)がある場合、症状が重くなることがあります
原因
主な原因
- 正確な原因はまだよくわかっていませんが、免疫の異常が関わっていると考えられています
- 細菌やウイルスの感染がきっかけになることもあります
- 特定の薬(非ステロイド性抗炎症薬や胃薬など)が引き金になる場合があります
リスク要因
- 50歳以上であること
- 女性であること
- 自己免疫疾患(関節リウマチや橋本病など)を持っている
- 特定の薬を長期間使用している(かかりつけ医に相談してください)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 下痢に血が混じっている
- 激しい痛みがある
- 高熱や意識障害がある
- 3日以上続く水のような下痢で脱水が疑われる
定期受診を予約すべき場合:
- 水のような下痢が3週間以上続いている
- お腹の張りや痛みが続く
- 排便の回数が明らかに増えた、または便意が急に強くなった
診断
顕微鏡的大腸炎の診断には、大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)と組織の一部を取って顕微鏡で調べる検査(生検)が必要です。
行われる可能性のある検査
- 大腸内視鏡検査:肛門から細いカメラを入れて大腸の内部を観察します
- 生検:カメラの先端で粘膜の一部を採取し、顕微鏡で詳しく調べます
- 便の検査:感染症による下痢ではないことを確認するため、便を調べます
診察で予想されること
検査は通常、鎮静剤を使って行うため、ほとんど痛みを感じません。検査後はお腹が張ることがありますが、すぐに治まります。結果が出るまでに数日かかることもあります。
治療
治療の第一歩は、症状を引き起こしている可能性のある原因(薬や食事など)を取り除くことです。多くの場合、生活習慣の見直しで改善します。それでも改善しない場合は、医師が炎症を抑える薬を処方することがあります。
自宅でのセルフケア
- 水分を十分に取る(水や経口補水液など)
- 刺激の強い食べ物(辛いもの、脂っこいもの、カフェイン)を避ける
- アルコールとタバコを控える
- ストレスを減らすよう心がける
- 症状日記をつけて、悪化する食べ物や状況を把握する
医療治療
必要に応じて、炎症を抑えるお薬や下痢を改善するお薬が使われます。具体的な薬の名前は医師が症状に合わせて選びますので、自己判断で市販薬を長期間使わないでください。
手術が検討される場合
手術が必要になることはほとんどありません。ごくまれに薬が効かない重症例で、大腸の一部を切除する手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
顕微鏡的大腸炎は、症状が落ち着いたり悪化したりを繰り返すことがあります。普段から体調の変化に注意し、無理をしないことが大切です。外出時にはトイレの場所を確認しておくと安心です。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活リズムを保つ
- 十分な睡眠を取る
- ストレスをためない(趣味や軽い運動でリラックス)
- 症状が悪化したときは、無理せず休む
食事と運動
食事は消化の良いものを中心に、脂っこいものや香辛料の強いものは控えめにしましょう。適度な運動(ウォーキングなど)は血行を良くし、ストレス解消にも役立ちます。ただし、激しい運動は下痢を誘発することがあるので注意してください。
精神的健康と心の健康
慢性的な下痢は、外出への不安や恥ずかしさ、ストレスにつながることがあります。そうした気持ちは自然なことです。一人で抱え込まず、医師や家族、友人に相談しましょう。
予防
顕微鏡的大腸炎を完全に予防する方法はわかっていません。ただし、リスクを下げるために、禁煙や、必要でない薬を避けること(医師に相談の上)が勧められます。
合併症
治療しない場合
- 脱水症状(特に高齢者や子ども)
- 栄養不良や体重減少
- 電解質(体内のミネラル)のバランスが崩れる
- まれに、症状が重くなると日常生活に大きな影響が出ることがある
長期的な見通し
顕微鏡的大腸炎は、多くの場合、適切な対応で症状が改善します。完治する人も多く、長期間にわたって薬を必要としないこともあります。焦らず、医師と一緒に治療を進めていきましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月26日
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