非アルコール性脂肪肝疾患
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)は、肝臓に脂肪がたまりすぎる病気です。この病気は、お酒をあまり飲まない人にも起こります。脂肪がたまりすぎると肝臓の働きが悪くなることがあります。
重要な事実
- 日本では成人の約3人に1人が該当するといわれています。
- 初期では自覚症状がほとんどありません。
- 肥満や糖尿病、脂質異常症、高血圧と深く関係しています。
- 生活習慣の改善で肝臓の脂肪を減らすことができます。
はい、とてもよく見られる病気です。日本では生活習慣の変化に伴い、患者数が増えています。
中年以降の男性に多く見られますが、女性や子どもでも肥満がある場合に発症することがあります。特に、食べ過ぎや運動不足の生活習慣がある人に起こりやすいです。
症状
- 急に強い右上腹部の痛みがある
- 皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)
- 意識がぼんやりする、混乱する
- 吐血や下血(黒い便)がある
- ⚠1週間以上続く強いだるさや食欲不振
- ⚠発熱を伴う腹部の痛み
- ⚠急に体重が減った
一般的な症状
- 初期にはほとんど症状がありません
- 疲れやすい、だるい
- 右上腹部(みぞおちの右側)の重い感じや不快感
- 血液検査で肝臓の数値(ALT、ASTなど)が軽度に上がっている
子供の症状
- 腹痛や吐き気を訴えることがある
- 学校の健康診断で肝機能異常を指摘されることが多い
- 肥満やインスリン抵抗性(血糖値が高くなりやすい状態)を伴いやすい
高齢者の症状
- 疲労感や食欲不振が目立つことがある
- 他の病気(糖尿病や高血圧など)と重なることが多い
- 肝硬変や肝臓がんへの進行リスクがやや高い
原因
主な原因
- 肝臓に中性脂肪が過剰にたまること
- 肥満(特に内臓脂肪が多い状態)
- インスリン抵抗性(血糖値を下げるホルモンの効きが悪くなること)
- 食べ過ぎや高カロリー・高脂肪な食事
- 運動不足
リスク要因
- 肥満(BMIが25以上)
- 2型糖尿病または糖尿病予備群
- 脂質異常症(中性脂肪や悪玉コレステロールが多い)
- メタボリックシンドローム(おなか周りが太いなど)
- 遺伝的な要素
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 黄疸(皮膚や目が黄色い)や意識の変化がある場合
- 激しい腹痛や吐血がある場合
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断で肝機能の数値に異常を指摘された
- 肥満や糖尿病、高血圧などがあり、肝臓の状態を一度調べたい
- 慢性的な疲労感やおなかの違和感が続く
診断
まずは血液検査や腹部超音波(エコー)検査で肝臓の状態を調べます。脂肪肝の可能性が高いと判断された場合、さらに詳しい検査を行うことがあります。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(AST、ALT、γ-GTPなど肝機能マーカー)
- 腹部超音波(エコー)検査
- CT検査やMRI検査(脂肪の量や肝臓の硬さを詳しく見る)
- 肝生検(肝臓の一部を針で採取して調べる、必要な場合のみ)
- フィブロスキャン(肝臓の硬さを測る特殊な超音波検査)
診察で予想されること
最初は血液検査と腹部エコーが一般的です。これらの検査は体への負担が少なく、30分程度で終わります。結果によっては、さらに詳しい検査を勧められることもあります。医師はあなたの生活習慣や他の病気の有無も詳しく聞きます。
治療
非アルコール性脂肪肝疾患の治療の中心は、生活習慣の改善です。薬による治療は、肝臓の炎症が強い場合など限られた状況で検討されます。
自宅でのセルフケア
- 適切なカロリー制限(1日あたりの摂取カロリーを減らす)
- バランスのよい食事(野菜、魚、大豆製品を多く、脂肪や糖分を控える)
- 週に150分以上の有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳など)
- 体重を現在の5~10%減らすことを目標にする
- 飲酒は控える(特に男性は日本酒1合以下/日、女性はその半分以下を目安に)
医療治療
医師は肝臓の炎症を抑えるビタミンEや、糖尿病治療薬の一部(インスリン感受性を改善するもの)を処方することがあります。ただし、これらの薬はすべての人に効果があるわけではなく、副作用もあります。必ず医師と相談して決めてください。漢方薬が用いられることもありますが、自己判断では使わないでください。
手術が検討される場合
肝硬変が進んで肝不全になった場合、肝移植が検討されることがあります。しかし、多くの場合は生活習慣の改善で十分にコントロールできます。
この病気と共に生きる
脂肪肝があっても、多くの人は普段通りの生活を送れます。ただし、定期的に医療機関で検査を受け、肝臓の状態をチェックすることが大切です。生活習慣を改善すれば、肝臓の脂肪は減らせます。
生活習慣のアドバイス
- 毎日30分程度のウォーキングを習慣にする
- 揚げ物や甘いお菓子、清涼飲料水を控える
- 食事は腹八分目を心がける
- 週に2回は魚を食べる(青魚がおすすめ)
- 睡眠時間をしっかり確保する(7時間程度)
食事と運動
食事は野菜を先に食べ、炭水化物や脂肪を控えめにします。運動は息が少し上がる程度の強度を週に150分以上行うと効果的です。体重を減らすことが最も確実な治療法です。
精神的健康と心の健康
慢性の病気であることや、生活習慣の改善にストレスを感じることがあります。無理のない目標を立て、できたことを褒めるようにしましょう。気分の落ち込みが続く場合は、医師やカウンセラーに相談することも大切です。
予防
はい、健康的な生活習慣を続けることで、脂肪肝を予防したり改善したりできます。特に、適正体重を維持し、バランスのよい食事と定期的な運動を心がけることが大切です。
ワクチン
省略
検診プログラム
健康診断で定期的に肝機能検査(血液検査)と腹部エコーを受けることが、早期発見に役立ちます。特に肥満や糖尿病がある人は、年に1回は検査を受けることをおすすめします。
合併症
治療しない場合
- 非アルコール性脂肪肝炎(NASH)への進行(肝臓に炎症が起きる状態)
- 肝線維症(肝臓が硬くなる)
- 肝硬変(肝臓が著しく硬くなり、機能が低下する)
- 肝臓がん
長期的な見通し
多くの人は、生活習慣を改善することで脂肪肝を改善できます。放置してもすぐに危険な状態になるわけではありませんが、適切な管理をすれば肝硬変や肝臓がんへの進行を防げる可能性が高いです。定期的に医師の診察を受け、前向きに取り組みましょう。
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国際機関
地域の団体
- 日本肝臓財団 ↗ · 日本全国
- 厚生労働省 肝炎・肝疾患情報 ↗ · 日本
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月29日
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