生理痛(月経困難症)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
生理痛(月経困難症)は、月経に伴って起こる腹痛や腰痛などのつらい症状のことです。症状は人によって軽いものから重いものまであり、日常生活に支障をきたすこともあります。
重要な事実
- 生理痛は多くの女性が経験する一般的な症状です。
- 症状には、下腹部の痛み、腰痛、吐き気、頭痛、疲れなどがあります。
- 原因として、子宮内膜から分泌される「プロスタグランジン」という物質が子宮の収縮を強くすることが関係しています。
はい、生理痛はとても一般的です。10代から40代の女性の約50~90%が何らかの生理痛を経験すると言われています。特に若い女性に多く見られます。
主に10代から20代の女性に多く見られますが、どの年齢の女性でも起こる可能性があります。特に初めての月経から数年以内に始まることが多いです。また、出産経験がない方、肥満の方、喫煙される方などは症状が出やすい傾向があります。
症状
- 生理中に突然の激しい腹痛や出血が止まらない場合
- 痛みで動けなくなる、意識がもうろうとする場合
- 発熱や悪寒を伴う場合
- ⚠痛みがひどく、市販の鎮痛薬(種類は問わず)が効かない場合
- ⚠生理痛以外に、発熱やおりものの異常がある場合
- ⚠通常の生理痛とは明らかに違う痛みを感じる場合
一般的な症状
- 下腹部のキリキリするような痛みや重だるさ
- 腰や背中の痛み
- 吐き気や嘔吐
- 疲労感やだるさ
- 下痢や便秘
- 食欲不振
子供の症状
- 10代の女性では、生理痛のために学校を休んだり、部活動や友人との予定に影響が出ることがあります。
- 痛みの程度は個人差が大きく、痛みに加えて吐き気や頭痛を伴うこともあります。
高齢者の症状
- 30代以降の女性で生理痛が強くなった場合、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が原因となっている可能性があります。
- 以前は痛くなかったのに最近痛みが出てきた場合や、痛みが強くなった場合は注意が必要です。
原因
主な原因
- 生理痛には「一次性月経困難症」と「二次性月経困難症」の2種類があります。
- 一次性月経困難症は、子宮の収縮を引き起こす「プロスタグランジン」という物質が過剰に分泌されることが主な原因です。このタイプは特に若い女性に多く、病気がなくても起こります。
- 二次性月経困難症は、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣嚢腫などの病気が原因で起こります。年齢が上がってから症状が現れたり、急に強くなった場合は要注意です。
リスク要因
- 年齢が若い(特に10代~20代)
- 初経の年齢が早い
- 生理の周期が短い(25日以下)
- 生理の量が多い
- ストレスが多い生活
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 痛みが非常に強く、日常生活がまったく送れない場合
- 市販の痛み止め(薬の種類は問わず)が効かない場合
- 生理中に38度以上の発熱や悪寒がある場合
定期受診を予約すべき場合:
- 生理痛で学校や仕事を休むことが多い場合
- 痛みが回を重ねるごとに強くなっている場合
- 生理以外の時期にも腹痛や腰痛がある場合
- 生理の量が異常に多い場合(ナプキンが1時間もたないなど)
- 生理痛に加えて、妊娠の可能性がある場合
診断
医師はまず、あなたの症状や生理の状態について詳しくお聞きします。その後、必要に応じて内診(腟の中に指を入れて子宮や卵巣の状態を調べる検査)や超音波検査(エコー)を行い、子宮や卵巣に異常がないかを確認します。
行われる可能性のある検査
- 問診(症状や生理の状態についての質問)
- 内診(子宮や卵巣の状態を直接確認)
- 超音波検査(お腹の上や腟の中から超音波で画像を見る)
- 血液検査(炎症やホルモンの状態を調べる)
- 必要に応じてMRI検査(より詳しい画像検査)
診察で予想されること
診察は通常、生理が終わった後に行うことが多いですが、痛みが強い時期でも受診して構いません。内診に抵抗がある方は、その旨を医師に伝えると、配慮してもらえる場合があります。超音波検査は痛みはなく、リラックスして受けられます。
治療
生理痛の治療は、原因や症状の程度によって異なります。一次性月経困難症の場合は、痛みを和らげる方法や生活習慣の改善が中心です。二次性月経困難症の場合は、原因となる病気の治療が必要になります。
自宅でのセルフケア
- お腹や腰を温める(カイロや湯たんぽ、温かいお風呂など)
- 軽い運動やストレッチ(ウォーキング、ヨガなど)
- 十分な睡眠と休息をとる
- カフェインやアルコールを控える
- 痛みが強い日は無理をせず、安静にする
医療治療
医療機関では、症状を和らげるための治療として、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と呼ばれる痛み止めや、低用量ピル(ホルモン剤)などが処方されることがあります。これらの薬は医師の指導のもとで使用することが大切です。また、漢方薬(例えば「当帰芍薬散」や「桂枝茯苓丸」など)が用いられることもあります。いずれも医師に相談の上で服用してください。
手術が検討される場合
子宮内膜症や子宮筋腫などが原因で生理痛が強い場合、これらの病気に対する手術(腹腔鏡下手術など)が検討されることがあります。手術が必要かどうかは、症状の程度や年齢、将来の妊娠希望などを考慮して医師と相談します。
この病気と共に生きる
生理痛とうまく付き合うためには、自分の体調の変化を記録し、痛みが強くなる前に対策をとることが大切です。生理予定日がわかっていれば、その数日前からお腹を温めたり、睡眠をしっかりとるなどして備えることができます。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活リズムを心がける
- ストレスをため込まないようにする(趣味やリラックス法を取り入れる)
- 生理周期をアプリやカレンダーで記録する
- 市販の痛み止めは用法・用量を守って使用する(薬の種類は問わず)
食事と運動
バランスの良い食事を心がけ、特にマグネシウム(豆腐、ナッツ、海藻など)やビタミンB群(レバー、魚、緑黄色野菜など)、鉄分(赤身の肉、ほうれん草など)を含む食品を積極的に摂ると良いでしょう。軽いウォーキングやストレッチは血行を良くし、痛みの軽減に役立つことがあります。ただし、痛みが強いときは無理せず休んでください。
精神的健康と心の健康
生理痛が続くと、痛みのストレスや不調から気分が落ち込んだり、イライラしやすくなることがあります。また、周囲の理解が得られず孤立感を感じる方もいます。「つらい」という気持ちは決して我慢する必要はありません。もし気分の落ち込みが続いたり、日常生活に大きな支障が出る場合は、一人で抱え込まずに産婦人科やメンタルヘルスの専門家に相談しましょう。
予防
一次性月経困難症は、根本的に予防することは難しいですが、生活習慣の改善や適切な対処法を身につけることで症状を和らげることができます。二次性月経困難症は、原因となる病気(子宮内膜症など)の早期発見・早期治療が重要です。定期的な産婦人科検診を受けることで、病気の予防や早期発見につながります。
検診プログラム
生理痛が強い場合や、気になる症状がある場合は、年に1回は産婦人科で検診(子宮頸がん検診や超音波検査など)を受けることをおすすめします。特に30代以降の女性は、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が隠れている可能性もあるため、定期的なチェックが大切です。
合併症
治療しない場合
- 強い痛みが続くことで、学校や仕事を休む機会が増え、生活の質が低下することがあります。
- 原因となる病気(子宮内膜症や子宮筋腫など)が進行すると、不妊の原因になることがあります。
- 慢性的な貧血(特に生理の量が多い場合)を引き起こすことがあります。
長期的な見通し
生理痛は適切な対処や治療で改善できることがほとんどです。一次性月経困難症の場合は、年齢とともに症状が軽くなる方も多いです。二次性月経困難症でも、原因となる病気の治療を行うことで症状が改善します。一人で悩まずに、医療機関に相談することで、快適な毎日を取り戻すことができます。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月29日
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