前糖尿病(境界型糖尿病)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
プレ糖尿病(境界型糖尿病)とは、血糖値が正常より高いけれど、糖尿病と診断されるほど高くない状態です。これは体がインスリンをうまく使えなくなっているサインで、将来、2型糖尿病になるリスクが高まっていることを示します。しかし、この段階で生活習慣を改善すれば、正常な血糖値に戻すことが可能です。
重要な事実
- プレ糖尿病は多くの場合、自覚症状がありません。
- 適切な食事と運動により、プレ糖尿病から正常な状態に戻ることができます。
- プレ糖尿病のままでいると、心臓病や脳卒中のリスクも高まります。
はい、日本では成人の約10~20%がプレ糖尿病の状態にあると言われています。
主に40歳以上の人、肥満傾向のある人、運動不足の人、家族に2型糖尿病の人がいる人に多く見られます。また、妊娠中に糖尿病になったことのある女性もリスクが高くなります。
症状
- 意識がもうろうとする、
- 呼吸が速くなる、
- 吐き気や腹痛がひどい、
- 口から甘い果物のようなにおいがする
- ⚠強いのどの渇きや頻尿が突然現れた、
- ⚠原因不明の体重減少がある、
- ⚠傷の治りが遅い
一般的な症状
- 多くの場合、自覚症状はありません。
- のどが渇きやすい、
- 尿の回数が多い、
- 疲れやすい
子供の症状
- 体重が増えやすい、
- 首やわきの下の皮膚が黒ずんで見える(黒色表皮症)、
- のどが渇く、
- 尿の回数が多い
高齢者の症状
- 自覚症状がないことが多いです。
- 疲労感、
- 視界がかすむ
原因
主な原因
- 細胞がインスリンに対して反応しにくくなる(インスリン抵抗性)、
- 膵臓が十分なインスリンを作れなくなる
リスク要因
- 体重が増えすぎている(特に腹部に脂肪が多い)、
- 運動不足、
- 家族に2型糖尿病の人がいる、
- 45歳以上である、
- 妊娠中に妊娠糖尿病になったことがある、
- 高血圧や脂質異常症がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 強いのどの渇きや頻尿が続く、
- 原因不明の体重減少がある、
- 視力が急にぼやける
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断で血糖値が高めと言われた、
- 肥満傾向があり、家族に糖尿病の人がいる場合は年に1回の血液検査を検討する
- 妊娠を計画している場合
診断
血液検査で血糖値やHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー:過去1~2か月の平均血糖値を示す指標)を調べます。
行われる可能性のある検査
- 空腹時血糖値(食事をとらずに測る血糖値)
- HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)
- 経口ブドウ糖負荷試験(ブドウ糖を飲んだ後の血糖値の変化を見る検査)
診察で予想されること
腕から少量の血液を採るだけの簡単な検査です。結果がプレ糖尿病の範囲であれば、医師から生活習慣の見直しについてアドバイスがあります。
治療
プレ糖尿病の治療の中心は、生活習慣の改善です。食事と運動を見直すことで、血糖値を正常に戻し、糖尿病への進行を防ぐことができます。
自宅でのセルフケア
- 主食・主菜・副菜をそろえたバランスの良い食事を心がける
- 野菜を十分に食べ、糖分の多い飲み物やお菓子を控える
- 1日30分以上の有酸素運動(ウォーキングなど)を週5日以上行う
- 体重を現在の5~7%減らすことを目標にする
- 禁煙し、お酒は適量にする
医療治療
生活習慣の改善だけでは血糖値が下がらない場合や、糖尿病へのリスクが特に高い人には、医師が血糖値を下げる薬を検討することがあります。ただし、薬の使用はあくまで補助的なものであり、生活習慣の改善が基本です。
手術が検討される場合
プレ糖尿病に対して手術は一般的には行われません。
この病気と共に生きる
プレ糖尿病は「糖尿病になる一歩手前」という警告です。しかし、焦る必要はありません。日々の小さな選択(食事、運動、睡眠)が血糖値を正常に戻す力を持っています。定期的に医療機関で血糖値をチェックし、健康な習慣を続けましょう。
生活習慣のアドバイス
- 毎日決まった時間に食事をとる
- 野菜から食べ始める(ベジファースト)
- 階段を使う、一駅分歩くなど、日常生活に運動を取り入れる
- ストレスをためないよう、趣味やリラックスする時間を作る
- 十分な睡眠をとる
食事と運動
食事は、白米やパンなどの炭水化物を控えめにし、野菜・きのこ・海藻・大豆製品を積極的にとりましょう。タンパク質は魚や鶏肉、豆腐などからバランスよく摂取します。運動はウォーキング、水泳、サイクリングなど自分が続けられるものを選び、無理なく習慣にしてください。
精神的健康と心の健康
「糖尿病になるかもしれない」という不安を感じるのは自然なことです。しかし、プレ糖尿病はまだ巻き返せる状態です。ポジティブに行動を変えるチャンスととらえましょう。どうしても気持ちがつらいときは、医師やカウンセラーに相談することも大切です。
予防
はい、健康的な食事と十分な運動、適正体重の維持によって、プレ糖尿病を予防することができます。特に家族に糖尿病の人がいる場合は、早めの対策が効果的です。
検診プログラム
リスクの高い方は、年に1回の健康診断で血糖値をチェックすることをおすすめします。厚生労働省も特定健康診査(メタボ健診)の中で血糖検査を行っています。
合併症
治療しない場合
- 2型糖尿病に進行するリスクが高まります。
- 糖尿病になると、心臓病、脳卒中、腎臓病、神経の障害、目の病気(網膜症)などの合併症が起こりやすくなります。
長期的な見通し
プレ糖尿病は、生活習慣の改善によって元の正常な血糖値に戻すことができる可能性が高い状態です。たとえ完全に戻らなくても、進行を遅らせたり、糖尿病になっても合併症を防ぐことができます。希望を持って、一歩ずつ取り組みましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月29日
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