Psoriasis
参照した情報源
この記事は患者教育のための独自コンテンツです。
- NICE—Psoriasis. NG137(2022)
- NHS—Psoriasis(2023)
- WHO—Psoriasis fact sheet(2023)
国際的な臨床ガイドラインに基づいています
概要
乾癬(かんせん)は、皮膚に赤い斑点や銀色の鱗(うろこ)のようなものができる皮膚の病気です。免疫(体を守る仕組み)が誤って自分の皮膚を攻撃することで起こります。かゆみや痛みを伴うこともありますが、周りの人にうつることはありません。
重要な事実
- 乾癬は感染症ではなく、人にうつることはありません。
- 乾癬は慢性の病気で、良くなったり悪くなったりを繰り返すことが多いです。
- 適切な治療により、症状をしっかりコントロールできます。
日本では約10万人に1人くらいの割合で見られ、決して珍しい病気ではありません。
子どもから高齢者までどの年齢でも発症しますが、30代から50代で初めて症状が出ることが多いです。男女差はあまりありません。
症状
- 全身の皮膚が急に真っ赤になり、高熱が出る(紅皮症=こうひしょうの疑い)
- 皮膚に小さな膿(うみ)がたくさんできて、熱や倦怠感がある(膿疱性乾癬=のうほうせいかんせんの疑い)
- 突然、呼吸が苦しくなる、または関節が急に腫れて動けなくなる
- ⚠症状が急に悪化して、日常生活に支障が出ている
- ⚠皮膚に感染の兆候(赤みが広がる、痛みが強い、熱がある)がある
- ⚠乾癬の治療中に新しい症状(関節の痛みなど)が出た
一般的な症状
- 皮膚に赤く盛り上がった斑点(はんてん)ができる
- その部分に銀白色の薄い皮(鱗屑=りんせつ)がつく
- かゆみやヒリヒリ感がある
- 爪に小さなへこみや変形が見られる(爪乾癬)
子供の症状
- 赤ちゃんではおむつかぶれに似た赤みが見られることもある
- かゆみが強く、掻きむしることが多い
- 特に頭皮やひじ、ひざに症状が出やすい
高齢者の症状
- 皮膚が薄くなっているため、症状が強く出やすい
- 関節の痛みや腫れ(乾癬性関節炎)を伴うことがある
- 高齢者は他の病気の治療薬の影響で症状が悪化することもある
原因
主な原因
- 免疫の異常(体を守るシステムが自分の皮膚を攻撃してしまう)
- 遺伝的な要素(家族に乾癬の人がいると発症しやすい)
- 環境要因(感染症、ストレス、けが、特定の薬などがきっかけになる)
リスク要因
- 家族に乾癬の人がいる
- 肥満(体重が増えると症状が悪化しやすい)
- 喫煙(タバコを吸う人は発症リスクが高まる)
- 過度の飲酒
- ストレスや疲れがたまっている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上の「緊急」の症状に当てはまる場合
- 症状が急に広がり、日常生活ができないほどかゆい・痛い
定期受診を予約すべき場合:
- 皮膚に赤みやかさかさが続く、または繰り返す
- 爪の変形や関節の痛みを感じる
- 家族に乾癬の人がいて自分も気になる
診断
医師が皮膚の状態を詳しく見て診断します。必要に応じて、皮膚の一部を取って顕微鏡で調べる検査(皮膚生検)を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 視診(医師が皮膚や爪、関節の状態を観察)
- 皮膚生検(皮膚の一部を採取して調べる)
- 血液検査(他の病気を除外するため)
- 関節エコーやレントゲン(関節の症状がある場合)
診察で予想されること
診察では、いつから症状が出たか、家族に同じ症状の人がいるか、過去の治療歴などを聞かれます。痛みを伴う検査はほとんどなく、皮膚生検も局所麻酔をするので大きな痛みはありません。
治療
乾癬の治療は症状の重さや範囲によって選びます。軽い場合は外用薬(皮膚に塗る薬)、中等度以上の場合は光線療法や内服薬(飲む薬)、注射薬(全身に効く薬)などが使われます。どの治療も医師の指導のもとで行います。
自宅でのセルフケア
- 皮膚を清潔に保ち、刺激の少ない石けんを使う
- 保湿をしっかり行い、乾燥を防ぐ
- かゆみが強いときは冷やすか、医師に相談して適切な対処法を選ぶ
- 爪や皮膚を傷つけないように注意する
医療治療
治療には、ステロイドやビタミンD3のような成分を含む外用薬(塗り薬)がよく使われます。また、紫外線を使った光線療法、免疫の働きを調整する内服薬や注射薬などもあります。治療法は患者さんの状態に合わせて医師が選択します。
手術が検討される場合
乾癬そのものに対して手術が必要になることはほとんどありません。ただし、乾癬性関節炎で関節が変形した場合など、ごくまれに関節の手術が必要になることがあります。
この病気と共に生きる
乾癬は慢性の病気ですが、治療を続けることで症状を抑えながら普通に生活できます。毎日のスキンケアと、医師の指示どおりに治療を続けることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- ストレスをためないようにする(散歩や趣味などリラックスできる時間を作る)
- 禁煙する
- 飲酒は控えめにする(特に大量飲酒は避ける)
- 規則正しい生活と十分な睡眠を心がける
- 皮膚を傷つけるような活動(激しいこすり洗いなど)は避ける
食事と運動
バランスの良い食事を心がけましょう。特に野菜や果物、良質なタンパク質を意識してとると良いです。肥満は症状を悪化させるため、適度な運動(ウォーキングや水泳など)で体重管理をすることも勧められます。
精神的健康と心の健康
乾癬は見た目の症状があるため、恥ずかしさや不安を感じることがあります。また、かゆみや痛みで眠れないこともあり、気分が落ち込んだり、イライラしたりすることもあります。そうした気持ちは自然なものですので、一人で抱え込まずに医師や家族、カウンセラーに相談しましょう。つらい気持ちが続くときは、こころの健康相談窓口(いのちの電話 0120-783-556)なども利用できます。
予防
乾癬を完全に予防する方法は今のところありません。しかし、リスク要因(喫煙、肥満、ストレスなど)を避けることで、発症や悪化を防ぎやすくなります。
ワクチン
乾癬自体を予防するワクチンはありません。ただし、感染症がきっかけで症状が悪化することがあるため、インフルエンザや肺炎球菌などのワクチンを接種することは勧められることがあります。予防接種のタイミングについては医師と相談してください。
検診プログラム
乾癬に特化した検診はありませんが、皮膚科の定期的な診察で症状の変化をチェックすることが大切です。また、関節の症状がないか注意しておきましょう。
合併症
治療しない場合
- 乾癬性関節炎(関節の痛みや腫れ、変形が起こる)
- 皮膚の感染症(症状のある部分に細菌が入って化膿する)
- 心血管疾患(心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高まる)
- メタボリックシンドローム(肥満や高血圧、糖尿病など)
- 心理的影響(うつ病や社会不安が生じることがある)
長期的な見通し
乾癬は治療によって多くの場合、症状をしっかり抑えることができます。最近の治療法は非常に効果的で、日常生活にほとんど支障なく過ごせる人も増えています。症状が落ち着いた状態(寛解)を長く保つことも可能です。あきらめずに医師と一緒に治療法を見つけていきましょう。
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- 日本乾癬協会 ↗ · 日本
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。