停留精巣(睾丸が下りてこない)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
停留精巣とは、男の子の睾丸(精巣)が生まれる前に陰嚢(いわゆる「きんたま」)の中に正しく下りてこない状態です。通常、睾丸はお腹の中で作られ、生まれる少し前に陰嚢へ移動します。この移動が途中で止まってしまうことがあります。
重要な事実
- 男の子の約3%にみられる、よくある生まれつきの状態です。
- 早産児ではより多く見られます。
- 多くの場合、生後3~6か月までに自然に陰嚢へ下りてきます。
- 1歳までに自然に下りてこなければ、治療が必要になることがあります。
はい、男の子に最もよく見られる生まれつきの状態のひとつです。
主に新生児、特に早産で生まれた男の子に多く見られます。
症状
- 急に睾丸が痛み出した
- 睾丸が急に腫れた、または赤くなった
- 吐き気や嘔吐を伴う激しい痛みがある
- ⚠陰嚢に違和感や痛みが続く
- ⚠睾丸の位置に変化を感じる
一般的な症状
- 陰嚢の中に睾丸が触れない、または片方だけ触れる。
- 陰嚢が左右で大きさが違うように見える。
- 睾丸がお腹の周りや鼠径部(足の付け根)にあるように感じる。
子供の症状
- 上記の症状に加え、成長してから気づかれることもあります。
- 思春期になっても陰嚢の発育に左右差がある。
高齢者の症状
- 通常は見られません。しかし、小児期に治療されなかった場合、成人になってから問題が生じることがあります。
原因
主な原因
- 睾丸が陰嚢へ移動する過程にホルモンや遺伝的な要因が影響していると考えられています。
- 正確な原因はまだ完全には解明されていません。
リスク要因
- 早産(妊娠37週より前に生まれる)
- 低出生体重
- 家族(父親や兄弟)に停留精巣の人がいる
- ホルモンのバランスの乱れ
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 睾丸が突然痛む、腫れる、赤くなる場合
- 陰嚢に違和感が続く場合
定期受診を予約すべき場合:
- 生後3~6か月の定期健診で睾丸がまだ下りていないと指摘された場合
- 1歳を過ぎても睾丸が陰嚢にない場合
診断
医師が陰嚢や鼠径部を触って睾丸の位置を確認することで診断します。
行われる可能性のある検査
- 身体診察(触診)
- 超音波(エコー)検査:睾丸の位置をより詳しく確認するために使われることがあります。
診察で予想されること
医師が優しく触って確認します。痛みはほとんどありません。必要に応じて超音波検査を行いますが、赤ちゃんに負担はありません。
治療
治療の目的は、睾丸を陰嚢の中に正しい位置に移動させ、将来の精子を作る機能やホルモンの分泌を正常に保つことです。また、見た目にも自然にすることができます。
自宅でのセルフケア
- 特別な自己ケアはありません。医師の指示に従い、定期的に経過を観察することが大切です。
- 睾丸が自然に下りてくるのを待つ間は、特に何もする必要はありません。
医療治療
ホルモン療法(注射や点鼻薬)を行うことがありますが、効果には個人差があります。日本では主に手術が行われます。
手術が検討される場合
生後12か月を過ぎても睾丸が自然に下りてこない場合には、手術(精巣固定術)がすすめられます。手術は多くの場合、日帰りまたは短期入院で行われ、睾丸を陰嚢の中に固定します。
この病気と共に生きる
治療後は、特別な制限はなく、通常の生活が送れます。定期的に医師の診察を受け、成長に合わせて経過をみていきます。
生活習慣のアドバイス
- 手術後はしばらく激しい運動を控える必要がある場合があります(医師の指示に従ってください)。
- 長期的には通常のスポーツや活動が可能です。
食事と運動
治療後は普通の食事や運動で問題ありません。特別な食事制限はありません。
精神的健康と心の健康
親御さんは「治療が遅れたらどうしよう」など心配になるかもしれませんが、適切な時期に治療すればほとんどの場合問題なく成長します。思春期以降の子ども自身も気にすることがあるため、必要に応じて医師や学校の先生などに相談しましょう。
予防
残念ながら、今のところ停留精巣を完全に予防する方法はありません。ただし、出生後の定期的な健診で早期に発見し、適切な時期に治療することが大切です。
ワクチン
省略
検診プログラム
新生児期の健診や乳幼児健診でチェックされます。日本では厚生労働省の「乳幼児健診」の一環として行われています。
合併症
治療しない場合
- 将来、精子を作る機能が低下し、不妊になる可能性が高まります。
- 睾丸ががんになるリスクがわずかに高まります。
- 睾丸がねじれたり(精巣捻転)、けがをしやすくなることがあります。
- 見た目の問題から心理的な影響を受けることがあります。
長期的な見通し
早期に治療すれば、ほとんどの場合、精子を作る機能やホルモンの分泌は正常に保たれ、がんのリスクも下がります。治療を受けた子どもの将来の見通しはとても良好です。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月30日
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