妊娠中の尿路感染症
国際的な診療ガイドラインに基づく
症状が重い、悪化している、または生命を脅かす場合は、すぐに緊急医療を受けてください。
概要
妊娠中の尿路感染症(にょうろかんせんしょう)とは、膀胱(ぼうこう)や尿道(にょうどう)など尿の通り道に細菌が入って炎症を起こす病気です。妊娠中は体の変化で感染しやすくなりますが、早めに治療すれば赤ちゃんへの影響を防げます。
重要な事実
- 妊娠中は尿路感染症になりやすく、特に妊娠6~24週ごろに多いとされています。
- 感染を放置すると腎盂腎炎(じんうじんえん)という重い腎臓の感染症に進むことがあります。
- 治療には妊婦さんと赤ちゃんに安全な抗生物質が使われます。自己判断で薬をやめず、医師の指示を守ることが大切です。
妊娠中の女性のうち、約2~10%が尿路感染症を経験するといわれており、比較的よくみられる症状です。
妊娠中のすべての女性がかかる可能性がありますが、過去に尿路感染症を繰り返した方や、糖尿病のある方、尿道が短い方などは特に注意が必要です。
症状
- 高熱(38度以上)が続く
- 背中やわき腹の激しい痛み
- 吐き気やおう吐がひどい
- 赤ちゃんの動きがいつもより少ない、または感じられない
- 血尿(尿に血が混じる)
- ⚠排尿時の痛みが強く、市販の水分補給で改善しない
- ⚠尿の回数が急に増えた、または尿が出にくい
- ⚠下腹部の痛みが続く
- ⚠軽い発熱(37.5度以上)
一般的な症状
- 排尿時の痛みや焼けるような感じ
- いつもより頻繁に尿が出る
- 尿がにごっている、または異臭がする
- 下腹部(おなかの下の方)の違和感や圧迫感
子供の症状
- この記事は妊娠中の方のための情報です。子どもの尿路感染症では、発熱や原因不明の泣き、食欲不振などがみられることがあります。
高齢者の症状
- この記事は妊娠中の方のための情報です。高齢者の尿路感染症では、認知機能の低下や混乱、転倒など非典型的な症状が現れることがあります。
原因
主な原因
- 大腸菌などの腸内細菌が尿道から膀胱に入り込むこと
- 妊娠によるホルモンの変化で尿管が拡張し、尿の流れが滞りやすいこと
- 大きくなった子宮が膀胱を圧迫して尿が完全に排出されにくくなること
リスク要因
- 過去に尿路感染症を繰り返した
- 妊娠前から糖尿病や腎臓病がある
- 水分をあまり摂らない習慣
- トイレを我慢することが多い
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 高熱や腰の強い痛みがある場合
- 赤ちゃんの動きが減ったと感じる場合
- 血尿がある場合
定期受診を予約すべき場合:
- 排尿時の違和感が2日以上続く
- 尿の回数やにおいの変化が気になる
- 妊娠健診で尿検査をすすめられた
診断
医師が症状を聞き、尿検査を行います。尿の中に細菌や白血球が多いかどうかを調べます。
行われる可能性のある検査
- 尿検査(試験紙で簡単に調べることもあります)
- 尿培養検査(細菌の種類と数、薬が効くかを調べる詳しい検査)
診察で予想されること
尿検査は痛みがなく、数分で終わります。必要に応じて、腹部超音波検査で膀胱や腎臓の状態を確認することもあります。結果に応じて、安全な抗生物質が処方されます。
治療
妊娠中の尿路感染症の治療は、お母さんと赤ちゃんに安全な抗生物質を飲むことが基本です。症状が軽い場合は数日間の内服で治りますが、重症の場合は入院して点滴治療を受けることもあります。
自宅でのセルフケア
- 水分をこまめに摂る(1日2リットルを目安に)
- トイレを我慢せず、尿をためない
- 清潔を保つ(お風呂はシャワーで、排尿後は前から後ろへ拭く)
- 刺激物(カフェインや香辛料)を控えめにする
医療治療
医師が妊娠中でも安全に使える抗生物質を処方します。必ず処方された期間は飲み続け、自己判断でやめないでください。症状が改善しなくても医師に相談しましょう。
手術が検討される場合
通常、手術は必要ありません。ごくまれに腎臓に膿がたまるなどの合併症が起きた場合、ドレナージという処置を行うことがありますが、妊娠中は慎重に判断されます。
この病気と共に生きる
治療中は、体を休めながら水分を十分に摂りましょう。トイレに行く回数が増えるかもしれませんが、我慢せずにすっきりと排尿することが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 膀胱を温める(カイロなどでおなかの下を温めると痛みが和らぎます)
- 綿の下着を選び、通気性をよくする
- 性交渉の前後に排尿する習慣をつける
食事と運動
水分を多めに摂り、クランベリージュースなどが役立つという報告もありますが、過信は禁物です。激しい運動は避け、ウォーキングなどの軽い運動を心がけましょう。
精神的健康と心の健康
尿路感染症の症状はストレスや不安を感じさせることがあります。妊娠中は特に心配が大きくなりがちですが、治療すれば改善する病気です。気分が落ち込む場合は、パートナーや医師に相談してください。
予防
完全に防ぐことは難しいですが、以下の習慣でリスクを減らせます。
ワクチン
尿路感染症を直接予防するワクチンはありません。
検診プログラム
妊娠中の尿検査は、症状がなくても定期的に行われます。これにより無症候性細菌尿(症状がないのに尿中に細菌がいる状態)を早期に見つけて治療できます。
合併症
治療しない場合
- 腎盂腎炎(腎臓の感染症)に進行する
- 早産や低出生体重児のリスクが高まる
- まれに敗血症(血液に細菌が入る重い状態)を起こす
長期的な見通し
妊娠中の尿路感染症は、早期発見・適切な治療でほぼ完全に治ります。治療を受ければ、赤ちゃんへの影響を防ぐことができ、安心して妊娠を続けられます。
サポートを探す
国際機関
- World Health Organization (WHO) - 妊産婦の健康 ↗
- International Federation of Gynecology and Obstetrics (FIGO) ↗
地域の団体
- 日本産科婦人科学会(JAOG) ↗ · 日本全国
- 厚生労働省「妊娠・出産に関する情報」 ↗ · 日本全国
相談窓口
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月29日
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