創傷感染(傷の感染)
国際的な診療ガイドラインに基づく
症状が重い、悪化している、または生命を脅かす場合は、すぐに緊急医療を受けてください。
概要
傷口感染とは、切り傷や擦り傷などの傷口に細菌が入り込んで炎症を起こす状態です。傷口が赤く腫れたり、痛みや熱を持ったり、膿(うみ)が出ることがあります。
重要な事実
- 傷口感染は適切な処置で防げることが多いです。
- 感染が広がると、蜂窩織炎(ほうかしきえん)や敗血症(はいけつしょう)などの重い合併症を起こすことがあります。
- 傷口を清潔に保ち、早めに医療機関を受診することが大切です。
傷口感染は非常に一般的で、軽い擦り傷から手術後の傷まで、あらゆる傷で起こり得ます。
年齢や性別を問わず、傷がある人なら誰でも感染する可能性があります。特に免疫力が低下している人や、糖尿病などの持病がある人は感染しやすくなります。
症状
- 傷口から赤い筋が広がっている(リンパ管炎の疑い)
- 高熱(38度以上)が出ている
- 呼吸が苦しい、意識がもうろうとしている(敗血症の可能性)
- ⚠腫れや痛みが急にひどくなった
- ⚠膿が大量に出ている、または悪臭が強い
- ⚠発熱(37.5度以上)がある
一般的な症状
- 傷口やその周りが赤くなる
- 腫れや熱感がある
- 痛みが増す
- 膿(黄色や緑色の液体)が出る
- 傷口から異臭がする
子供の症状
- 子どもは症状を言葉にできないことがあるため、傷口を触ろうとしたり、機嫌が悪くなったりすることがあります。
- 発熱やぐったりする様子が見られたら注意が必要です。
高齢者の症状
- 高齢者では痛みや発赤などの典型的な症状が出にくいことがあります。
- 元気がない、食欲がない、ぼんやりするなどの全身の変化が見られることがあります。
原因
主な原因
- 傷口に細菌(主に黄色ブドウ球菌や連鎖球菌)が入り込むことで感染が起こります。
- 動物や人に噛まれた傷、汚れた物で切った傷は特に感染しやすいです。
リスク要因
- 糖尿病や免疫抑制剤の使用による免疫力の低下
- 傷口の不十分な清掃や不適切な処置
- 傷口が深い、または汚れている
- 高齢者や乳幼児
- 肥満や栄養状態の不良
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状がある場合(119番に電話)
- 傷口から膿や異臭があり、痛みや腫れが増している場合
定期受診を予約すべき場合:
- 軽い感染の兆候(赤みや腫れ)があるが、全身症状はない場合
- 傷口がなかなか治らない(数日以上改善しない)場合
- 予防のために破傷風の予防接種が必要かどうか確認したい場合
診断
医師が傷口の状態を診察し、感染の程度を評価します。症状や経過についても詳しく聞かれます。
行われる可能性のある検査
- 視診と触診(傷の大きさや深さ、赤みや腫れの範囲を確認)
- 必要に応じて、傷口の分泌物を採取して細菌の種類を調べる培養検査
- 感染が深い場合や全身に影響がある場合は、血液検査や画像検査(エコーなど)を行うこともあります。
診察で予想されること
診察室では服をまくり上げて傷を見せられるよう準備しましょう。痛みや腫れの程度、発熱の有無など、感じている症状を医師に伝えてください。検査が必要な場合でも、特別な準備はほとんどいりません。
治療
傷口感染の治療は、感染の元となる細菌を除去し、傷の治りを促すことが目的です。軽度の感染は自宅でのケアで改善しますが、中等度以上の感染は医療機関での治療が必要です。
自宅でのセルフケア
- 傷口を清潔な水と石けんで優しく洗い、清潔なガーゼで覆う
- 1日1~2回、傷の状態を確認しながら新しいガーゼに交換する
- 腫れている場合は患部を高く上げて安静にする
- 傷口を触る前後は必ず手を洗う
医療治療
医療機関では、医師が必要と判断した場合に抗菌薬(細菌の増殖を抑える薬)が処方されます。また、傷の洗浄や壊死組織(死んだ組織)の除去(デブリードマン)が行われることもあります。重症の場合は点滴で抗菌薬を投与することもあります。
手術が検討される場合
感染が深い場合や膿がたまっている場合は、切開して膿を出す処置(切開排膿)を行うことがあります。
この病気と共に生きる
感染が治るまでは、傷口を清潔に保ち、無理に動かさないようにしましょう。入浴の際は傷口を防水フィルムなどで覆うと良いです。
生活習慣のアドバイス
- 傷口を清潔に保つ
- ガーゼ交換の手順を守る
- 感染の兆候(赤み、腫れ、痛みの増加)に注意する
- 十分な睡眠と休養をとる
食事と運動
栄養バランスの良い食事をとり、特にたんぱく質やビタミンCを積極的に摂ると傷の治りを助けます。感染が落ち着くまでは激しい運動は控え、傷に負担のかからない軽い活動を心がけましょう。
精神的健康と心の健康
傷がなかなか治らなかったり、痛みが続いたりすると、不安やストレスを感じることがあります。無理をせず、気になることは医師や家族に相談しましょう。
予防
はい、傷口感染の多くは適切な手当てで予防できます。傷を負ったらすぐに清潔にし、消毒して清潔なガーゼで覆うことが基本です。
ワクチン
破傷風(はしょうふう)の予防接種は重要です。特に土やさびた金属で傷を負った場合、かかりつけ医に相談しましょう。厚生労働省は定期接種として破傷風ワクチンを推奨しています。
検診プログラム
該当しません
合併症
治療しない場合
- 蜂窩織炎(皮膚の深い部分まで感染が広がる)
- リンパ管炎(赤い筋が広がる)
- 敗血症(全身に感染が広がり、命に関わる状態)
- 壊死性筋膜炎(筋膜まで感染が及び、緊急手術が必要な重い感染症)
長期的な見通し
傷口感染は早期に適切な治療を行えば、ほとんどの場合、問題なく治ります。治療を始めれば数日で症状が改善し始めることが多いです。感染が重くても、医療機関での治療により回復が期待できます。
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- 日本創傷治癒学会 ↗ · 日本
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月29日
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