Day of blood transfusion
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
輸血(ゆけつ)とは、手術などで失った血液を補うために、健康な方から提供された血液を点滴(てんてき)で体内に入れる治療です。手術の前後に行われることが多く、患者さんの体に必要な赤血球(せっけっきゅう)や血小板(けっしょうばん)などを届けます。
重要な事実
- 輸血は手術中や手術後に出血が多くなったときに行われることが多いです。
- 使われる血液は厳しい検査をしていて、感染症のリスクはとても低いです。
- 輸血は通常1~4時間かけてゆっくり行われ、医療スタッフがずっと見守ります。
手術の種類や出血の量によりますが、大きな手術では必要なことがあります。例えば、心臓手術や整形外科の大手術では比較的よく行われますが、すべての手術で行われるわけではありません。
手術を受ける方すべてが対象となる可能性があります。特に出血が多くなりそうな手術(例えば心臓血管手術、肝臓手術、股関節置換術など)を受ける方に多く行われます。また、けがで大量に出血した方や、貧血(ひんけつ)が強い方にも行われることがあります。
症状
- 輸血中または輸血後に急な息苦しさや胸の痛みがある
- 意識がもうろうとする、または呼びかけに反応しなくなる
- 顔やのどがはれて呼吸が苦しくなる(アナフィラキシーショックの可能性)
- ⚠38度以上の発熱や悪寒(おかん、激しい寒気)が続く
- ⚠全身にじんましんや赤い発疹が広がる
- ⚠腰や背中に激しい痛みが現れる
- ⚠尿の色が赤茶色やコーラ色になる
一般的な症状
- 輸血中は特に症状はありませんが、腕の点滴の針の部分に少し違和感を感じることがあります。
- 輸血後は疲れが改善したり、顔色が良くなったと感じることがあります。
- ごくまれに輸血中に寒気や発熱、じんましん(皮膚が赤く膨らむ)が出ることがあります。
子供の症状
- 子どもも大人と同様に輸血が可能で、特別な症状はあまりありません。
- 幼い子どもは輸血中にぐずったり、動いたりすることがあるので、医療スタッフが優しくケアします。
高齢者の症状
- 高齢の方は輸血の速度(スピード)を調整することがあり、心臓に負担がかからないようにゆっくり行います。
- 血圧や呼吸の様子をいつもより注意深くチェックします。
原因
主な原因
- 手術中や手術後に大量に出血したため、失った血液を補う必要がある。
- 手術前に貧血がひどく、手術に耐えられる体力を確保するため。
- 血液の成分(赤血球、血小板、血漿など)が不足して、体の機能を保てない状態になる。
リスク要因
- 大手術(心臓、肝臓、大腿骨の手術など)を受けること
- もともと貧血があること
- 血液が固まりにくい病気(血友病など)があること
- 出血を止める薬(抗凝固薬)を飲んでいること
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 輸血後に上記の緊急症状(呼吸困難、胸の痛み、意識障害)が現れたらすぐに119番に電話してください。
- 輸血後24時間以内に強い寒気や高熱、腰痛、尿の色が異常な場合もすぐに病院に連絡しましょう。
定期受診を予約すべき場合:
- 輸血が必要な手術が予定されている場合は、手術前に医師から説明があります。
- 輸血後は医師の指示に従って定期的に血液検査を受けて、貧血が改善したか確認します。
診断
輸血が必要かどうかは、手術前の血液検査の結果をもとに医師が判断します。ヘモグロビン値(けつえき中の酸素を運ぶたんぱく質)や血小板の数などを見て、輸血の必要性を決めます。
行われる可能性のある検査
- 血液型検査(ABO型、Rh型)-輸血する血液の型を合わせるために必須です。
- 交差適合試験(こうさてきごうしけん)-患者さんの血液と輸血する血液が合うか事前にテストします。
- 感染症検査(B型肝炎、C型肝炎、HIVなど)-もともと持っている感染症がないか確認します。
診察で予想されること
輸血当日は、まず看護師がバイタルサイン(体温、脈拍、血圧)を測ります。腕に点滴の針を入れ、輸血用の血液を点滴バッグからゆっくり落とします。輸血中は看護師が定期的に様子を見に来ますので、何か異常を感じたらすぐに伝えてください。輸血が終わった後もしばらくは観察が続きます。
治療
輸血は治療そのものではなく、手術やけがの治療を支えるための処置です。失った血液を補い、体の状態を安定させることで、手術後の回復を助けます。輸血には主に以下の種類があります: ①赤血球輸血(酸素を運ぶ力を回復)、②血小板輸血(出血を止める力を助ける)、③新鮮凍結血漿(けっしょう、血液を固める成分を補う)。
自宅でのセルフケア
- 輸血前日は普段通り過ごして大丈夫ですが、アルコールは控えましょう。
- 輸血当日は動きやすい服装で来てください。
- 輸血中は安静にして、体調の変化があったらすぐにスタッフに知らせてください。
医療治療
輸血が必要な場合は、医師が患者さんの血液型と適合する血液を選び、点滴で投与します。投与速度は患者さんの状態に応じて調整され、通常は1時間に1単位(約200mL)程度のペースで行います。輸血中は血圧や脈拍、体温をこまめに測定し、アレルギー反応などが出ないか注意深く観察します。
手術が検討される場合
輸血は手術の一部として行われることが多く、手術中や手術直後に大量出血をした場合に緊急で行うこともあります。手術前に貧血が強い場合は、手術当日ではなく数日前に輸血を行うこともあります。
この病気と共に生きる
輸血後は基本的に普通の生活に戻れます。ただし、輸血を受けた直後は少し疲れやすいことがあるので、無理をしないでゆっくり休んでください。
生活習慣のアドバイス
- 輸血後数日は激しい運動や重いものを持つことは控えましょう。
- 水分をしっかりとって、体調の変化に注意してください。
- 医師の指示があれば、貧血の改善を確認するために後日血液検査を受けましょう。
食事と運動
輸血後は鉄分やたんぱく質を多く含む食事(レバー、赤身の肉、ほうれん草、豆腐など)をとると、血液を作る助けになります。運動は軽い散歩から始めて、体調が良ければ徐々に元の活動に戻して大丈夫です。
精神的健康と心の健康
輸血に対する不安や、輸血を受けたことへの罪悪感を感じる方もいます。それは自然な感情です。気になることがあれば、医師や看護師に話したり、病院のカウンセリングサービスを利用してみてください。
予防
輸血そのものを「予防」するというより、手術中の出血を少なくする方法があります。例えば、手術前に貧血を治療しておく、出血を抑える薬を使う、手術の技術を工夫するなどです。しかし、どうしても輸血が必要なケースもあります。
検診プログラム
手術前に血液検査を受けることで、貧血の程度や出血リスクをあらかじめ評価できます。定期的な健康診断で貧血が見つかった場合は、早めに治療しておくと手術がより安全になります。
合併症
治療しない場合
- 手術後に貧血が続くと、傷の治りが遅くなったり、感染症にかかりやすくなったりします。
- 重度の貧血では心臓に負担がかかり、心不全(しんふぜん)を起こすリスクがあります。
- 出血が止まらないと、血圧が下がり、ショック状態になる恐れがあります。
長期的な見通し
輸血は医学的に確立された安全な治療です。厳重な検査と管理のもとで行われるため、ほとんどの方は特に問題なく受けられます。輸血後に回復が順調に進めば、手術の予後(よご、その後の経過)も良好であることが多いです。もし気になる症状があれば、早めに医療者に相談することで、ほとんどは適切に対処できます。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月18日
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