子どもののどの痛み
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
のど(咽頭)の炎症により、痛みや違和感が生じる状態です。小児では多くはウイルス感染が原因で、自然に治ることがほとんどですが、細菌感染が原因の場合もあります。
重要な事実
- ほとんどのどの痛みはウイルスが原因で、数日から1週間で改善します
- 痛みや熱があるときは、安静と水分補給が大切です
- まれに細菌感染(溶連菌感染症)の場合があり、その場合は医師の診断と治療が必要です
はい、小児のどの痛みはとてもよく見られる症状です。特に冬から春にかけて多く見られます。
主に3歳から15歳までの子どもに多いですが、乳幼児から思春期の子どもまで幅広い年齢で起こります。
症状
- 呼吸が苦しそう、またはゼーゼーする
- よだれが多く出て、飲み込めない
- 唇や顔色が青白い、または紫色になる
- 意識がもうろうとしている、または呼びかけに反応が悪い
- ⚠高熱(40℃以上)が続く
- ⚠激しい痛みで水分もとれない
- ⚠首が硬く、後ろに反らせない
- ⚠発疹が全身に出ている
- ⚠症状が1週間以上続く
一般的な症状
- のどの痛み、かゆみ、ヒリヒリ感
- 飲み込むときの痛み
- のどが赤く腫れている
- 声がかすれる
子供の症状
- 発熱(38℃以上のこともある)
- 機嫌が悪い、ぐずる
- 食欲が落ちる、飲み込むのを嫌がる
- 首のリンパ節が腫れる
- いびきをかく(扁桃腺が腫れている場合)
高齢者の症状
- のどの痛みは小児に比べて頻度は低いですが、同様の症状が見られます
- 高齢の場合は、痛みの感じ方が弱くなることがあるため、注意が必要です
原因
主な原因
- ウイルス感染(かぜウイルス、アデノウイルス、エプスタイン・バーウイルスなど)
- 細菌感染(最も多いのはA群溶血性連鎖球菌=溶連菌)
- アレルギーやほこり、乾燥した空気などによる刺激
- まれに逆流性食道炎や免疫力の低下
リスク要因
- 集団生活(保育園、幼稚園、学校)をしている
- 免疫力が低下している(疲れ、ストレス、栄養不足)
- 季節(冬から春に多い)
- タバコの煙や空気の乾燥
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状(救急車を呼ぶべき症状)がある
- 発熱が40℃を超え、水分が取れない
- 呼吸や飲み込みに問題がある
定期受診を予約すべき場合:
- のどの痛みが3日以上続く
- 発熱が3日以上続く
- のどの奥に白い斑点や膿が見られる
- 首のリンパ節がはれて痛む
- 繰り返しのどが痛くなる
診断
医師が問診と診察を行います。のどや扁桃腺の状態を観察し、必要な場合は検査を追加します。
行われる可能性のある検査
- のどの診察(赤み、腫れ、膿の有無)
- 首のリンパ節の触診
- 必要に応じて、のどの粘膜をぬぐって細菌の有無を調べる検査(迅速抗原検査)
- 血液検査(炎症の程度や原因を調べる)
診察で予想されること
医師はまず、症状の経過や食事の様子を聞きます。その後、舌圧子を使ってのどを見ます。少し気持ち悪いかもしれませんが、短時間で終わります。検査が必要な場合は、綿棒でのどを軽くこすります。結果はその場でわかることもあります。
治療
のどの痛みの治療は原因によります。ウイルス感染が原因の場合は、症状を和らげるための対処療法が中心です。細菌感染が疑われる場合は、医師が抗生物質を処方することがあります。抗生物質は医師の指示通りに最後まで飲み切ることが大切です。
自宅でのセルフケア
- 十分な休息をとる
- こまめに水分を補給する(冷たい飲み物やアイスクリームもよい)
- 室内の湿度を保つ(加湿器や濡れタオル)
- 刺激の少ない食べ物(ゼリー、スープ、おかゆなど)を与える
- 痛みが強い場合は、医師または薬剤師に相談の上、子ども用の市販の鎮痛解熱薬を一時的に使うこともできます(アスピリンは避けてください)
- うがい薬を使う場合は、飲み込まないように注意する
医療治療
医師は症状に応じて、解熱鎮痛薬や抗生物質を処方することがあります。抗生物質は細菌感染が確認された場合にのみ使われます。ウイルス感染には効きません。処方された薬は指示通りに服用し、自己判断で中止しないでください。ステロイド薬が使われることもありますが、医師の判断に基づきます。
手術が検討される場合
まれに、扁桃腺が繰り返し炎症を起こす場合(慢性扁桃炎)や、のどの奥に膿がたまる扁桃周囲膿瘍を繰り返す場合は、扁桃腺の摘出(扁桃摘出術)が検討されることがあります。この手術は、専門医による詳細な評価の後、必要と判断された場合に行われます。
この病気と共に生きる
のどが痛いときは、安静を心がけ、刺激の少ない生活を送りましょう。痛みが強いと食事や水分摂取が難しくなるため、工夫が必要です。多くの場合、数日で改善しますので、無理をしないことが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 手洗いを徹底する(特に排泄後や食事前)
- タオルやコップの共有を避ける
- 室内を適度な湿度に保つ
- タバコの煙やほこりの多い場所を避ける
- 規則正しい生活とバランスの良い食事で免疫力を高める
食事と運動
のどが痛いときは、冷たくてやわらかい食べ物(アイスクリーム、ゼリー、プリン、スープなど)が食べやすいです。刺激の強いもの(辛いもの、熱いもの、固いもの)は避けましょう。水分はこまめに、少量ずつ与えてください。運動は症状が落ち着くまで控え、安静を優先しましょう。
精神的健康と心の健康
のどの痛みや発熱があると、子どもは不機嫌になったり、甘えが強くなることがあります。特に小さな子どもは、痛みをうまく言葉にできないため、イライラしたり泣いたりします。親御さんは落ち着いて対応し、安心させてあげてください。症状が続くと不安になることもあるため、医師に相談して適切なケアを受けましょう。
予防
完全に予防することは難しいですが、基本的な感染対策でリスクを減らすことができます。特に手洗いの習慣は重要です。
ワクチン
インフルエンザワクチンは、インフルエンザによるのどの痛みを予防するのに役立ちます。また、日本では定期接種ではありませんが、一部のワクチン(例:肺炎球菌ワクチン)が重症化予防に有効な場合があります。詳細は医師にご相談ください。
検診プログラム
特にありません。ただし、繰り返しのどの痛みがある場合は、アレルギーやその他の病気が隠れている可能性もあるため、医師に相談することをおすすめします。
合併症
治療しない場合
- 中耳炎や副鼻腔炎(鼻の奥の炎症)を起こすことがある
- 扁桃周囲膿瘍(のどの奥に膿がたまる)
- 溶連菌感染症の場合、まれにリウマチ熱(関節や心臓に炎症)や腎炎(腎臓の炎症)を起こすことがある
長期的な見通し
ほとんどの子どもののどの痛みは、適切なケアと治療を受ければ数日から1週間で回復します。細菌感染の場合でも、抗生物質を正しく服用すれば、合併症のリスクはとても低くなります。心配な症状があれば早めに医師に相談することで、重症化を防ぐことができます。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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